幸せ行きの薬_目次

とある優秀な科学者は自身の娘が自殺したのをきっかけに、自殺するほど追い詰められた人間がすべてを捨てて逃げることによって幸せになれるようにと、薬の研究に没頭する。
そして完成した薬をこれから不幸に見舞われるかもしれないと思った一人の子どもにこっそり飲ませた。

幼い頃に家族全員を亡くした義勇は大学生になってすぐ、その後引き取ってくれた伯父に今まで義勇にかかった養育費代わりに今住んでいるマンションを寄こせと言われて、住居も生活費もあてがなく放り出されることに絶望してベランダから飛び降りようとしたが、気づけば子猫になっていた。

突然子猫になってしまって部屋にも入れず、降ってきた雨でびしょ濡れになった義勇だが、隣室のリーマン錆兎に助けられて部屋に保護してもらえることに。

いつもの通りの休日を過ごしていた錆兎は、雨が降ってきたのに気づいて洗濯物を取り込もうとベランダに出て、隣の家のベランダで鳴く子猫を見つける。

助けたはいいが飼い主不明だったため、錆兎は子猫を自分が飼うことに。

ぎゆうを飼い始めてからの錆兎の日常。

ぎゆうを正式に引き取りたいという理由から、ぎゆうの飼い主であろう冨岡義勇を探すことにする錆兎

ぎゆうの初の離乳食にチャレンジする錆兎。

子猫のぎゆうを正式に引き取るため人間の冨岡義勇について調べさせた錆兎は、彼の不遇な生い立ちについて知る。

錆兎の隣の元義勇のマンションの部屋にいきなり伯母の娘が越してきて、錆兎に付きまとい始める。

突然子猫になったなんて本当なら大変なことなのだろうが、人間の頃の生活が辛すぎて子猫の生活は最高だ!と日々ペット生活を満喫する義勇。

子猫生活を満喫していた義勇だが、彼の居ない間に従妹のマリが勝手に義勇の荷物を処分して、義勇の部屋に住み着いてしまった。

錆兎につきまとうマリに危機感を感じる義勇。

マリのアピールをことごとく断り続ける錆兎だが、それを子猫の姿で目の当たりにしながら義勇は自分も人間の姿の頃だったら錆兎に色々出来たのになと少し残念に思う。

すっかり錆兎の飼い猫生活を満喫していた義勇だが、本人の思惑とは関係なしに、義勇の資産を管理していた亡き父の友人の代理人の弁護士が義勇が行方不明でその部屋に従妹のマリが住んでいたことから疑念を抱いて色々調べ上げる。

とある日、錆兎は会社帰りに家の前でマリに待ち伏せられた。

マリの親、義勇の伯母夫婦が横領で訴えられているらしい。
そこで警察に調査を依頼した弁護士に納得できないと引き下がらないマリに、仕方なしに第三者である自分の知人の弁護士から説明させることにした錆兎。

あまりに聞かないマリに言い聞かせるためだけに、錆兎が用意した日本料理屋に集合する3人の弁護士達。

招待した人間が全てそろったところで、伯母夫婦にかけられている疑惑についての説明が始まった。

飽くまで現実を認めないマリに、しのぶが電卓を片手に理詰めで追い詰めていく。

ある日、風邪をひいて寝込む錆兎を前に看病をしてあげたいと思っていたら、突然人型に戻った義勇だったが…

風邪をひいて熱を出して人型のぎゆうの夢を見たと思っている錆兎

熱が下がったあとに楽しい夢をみたなと思う錆兎だったが、起き上がってキッチンに行くと、なぜか夢で人型になったぎゆうが言っていたように食事がつくってある。

義勇にエサをやったあと、錆兎は悩む。
作り置かれた料理は食べていい物なのか?

義勇に薬を与えてから13年後、一人静かに暮らしていた珠世は自分が与えた薬が効力を発揮したことを知る。

義勇に意思確認をすると共にそれを引き取った錆兎の人柄を見極めようと話をする珠世。

錆兎に事情を説明してほしいか欲しくないか義勇に問う珠世。

義勇に頼まれて錆兎に薬の話をする珠世

義勇が人間に戻るにあたって、まずすることになったのは、マリから資産を取り戻すことだった。

正式に資産の引き継ぎが終わったところで錆兎が一時的に預かっていた義勇の荷物をマンションに戻そうということになったが、自分の部屋に戻れるのはめでたいはずが、どうにも寂しく思う義勇。

錆兎の部屋で暮らすことにしたため、自分のマンションは売ることにした義勇。
そのためにまずやらなければならないのは、占拠していた時のまま放置されたマリの荷物を撤去することで…

マリとの最終決戦(?)当日の朝をまったり過ごす二人。

横領した金を返さないで良い代わりに今後義勇に近づかないこと、という交換条件の契約を結ぶため、弁護士と共に荷物の引き上げに来るマリに会う義勇。

退去作業のどさくさに紛れて錆兎に迫るマリに恐ろしさも忘れて錆兎には自分がいるのだと主張する義勇。

話し合いから1年後、朝のジョギングをしている錆兎と義勇の前に現れたマリ。
その腕には宍色の髪の赤ん坊が抱かれていた。

赤ん坊を目にしたことで、自分がいなければ錆兎は子どもを持って幸せになれるのでは?と悩み始める義勇。

思い悩んだ挙句猫から人に戻れなくなったぎゆうを気晴らしにと散歩に連れて行く錆兎だが、ぎゆうがその腕を抜け出した拍子に拉致されて…

ぎゆうが気づいた時には大けがをしている錆兎の病室で猫のまま真菰に抱かれていた。

人間に戻れたところで錆兎と家に帰ってまったり過ごしていた義勇だが、しばらくして電話でマリが死んだことを告げられる。

40_家族【完結】
養子を迎え入れて共に暮らす錆兎と義勇のその後。




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