kmt ペナルティらぶSBG
──あ…ちと電話。 と席を立とうとする宇髄の服の裾をちょいちょいとひっぱり ──ここで良くね?周りもうるせえし。 と言うと、宇髄は座りなおして、電話に出る。
──俺は以前、あいつに冨岡には近づいてくれるなって頼んだんだが… 宇髄の声音が少し変わった。 どこか伺うような…迷うような声。 それが実弥の胸をざわつかせた。 そしてその後に出てきた言葉はまさに最終宣告とも言えるものである。
──あの日、冨岡を追わなかった時点で全部終わってんだよ、諦めろ。 頭に血が上っていて何も考えずに走っていたはずなのに、足は自然と駅に向くのが自分でも不思議である。 とにもかくにも電車に乗ろうと改札をくぐりかけたその瞬間、実弥の腕を掴んだのは宇髄だった。
そこで錆兎が電話をかけた先は宇髄だった。 「今、駅からうちに向かう道の途中の商店街を出て2つ目の曲がり角だ。 不死川に絡まれている。 お前が15分で来なければ警察を呼ぶ」
そうして3人の姿が消えたところで、コロッと穏やかな表情に戻った錆兎は ──もう大丈夫だぞ、義勇。 と後ろを振りむいて言葉をかける。
そうしてしばらく待っていると、錆兎と義勇、そして宇髄の3人が店から出てくる。 幸せそうに笑って錆兎の腕に手をかける義勇。 いつも怯えたような顔しか見たことがなかったのに、まるで別人のようだ。
そうしてキラキラとネオンが点滅する繁華街を突っ切るようにイライラしながら駅に向かおうとした実弥だが、こんな不機嫌全開で帰宅して弟妹に心配をかけたくない。
月曜の就業後…本当なら義勇と二人で歩いていたかもしれない自宅への道のりを、実弥は一人でイラつきながら歩いていた。
想定外のことに実弥の頭は真っ白になった。 なに?なに?なんなんだ?? 鱗滝に告白~?!!! と、パニックになって、しかし嬉しそうな義勇とため息交じりの宇髄を見て、それが事実だとわかった。
──じゃ、とりあえず乾杯っ! と、なぜか部外者に仕切られて、それでも実弥は仕方なくビールのジョッキを抱えて飲み干した。