寮生はプリンセスがお好き
「全員の確認終了。 結論から言うとロディの排除は了承。 ただし…それに関しての責任は銀虎で取ること。 つまり、俺らはお前に協力を求める見返りとして、ロディの排除というお前の側の条件を受け入れたという形を崩さないこと」
ユーシスを寝室に残してギルベルトは再度リビングへと戻ると、その場で待っていた自分以外の6人に事の次第を説明した。
最悪巻き込まれたくないと協力を断られる可能性は考えていたのだが、条件…を出されることは正直想定の範囲外だった。 それでも出来れば協力が欲しいので 「…こちらの計画に支障がないことで、俺の一存で決められる範囲のことなら?」 と先を促してみるとユーシスは言った。
ギルベルトがメッセを送ってからほんの数分後、今度は電話の着信音がする。 「今、外か?」 と電話に出て聞くと、 『ああ。そうだ』 と返答があった。
ギルベルトがアーサーをルートの部屋に送って行って戻ると、すでにギルベルトの寝室の窓の外の木の上に香とフェリシアーノが待機していた。
「じゃ、終わったら迎えに行くから。 お姫さん一人くらい抱えて帰れるから眠かったらルッツのベッド借りて寝てても良いぞ」
こうして4時限目が終わって面識が出来た二年生の教室のあたりに行くと、元気に出てきた学生達がアンをわ~っと取り囲んできた。
香水が確かに効果があるとわかれば後は簡単だった。 出した問題を解く学生達の間を回れば、皆が素直になっていく。 最初に中断してしまったからと改めて自己紹介をすれば、今度はアンがはじめに想像していたように盛り上がってくれた。
初日…胸元にリボンのついたフェミニンなブラウスにピンクのフレアスカートと言う清楚系ファッションで自信満々でシャマシュークの2年の授業に臨んだアンだったが、いきなり学生達の冷ややかな視線と態度の洗礼にあった。
…今まで女人禁制だった男子校…余裕ねっ!! 10月の後期から赴任することが決まって、アンはそれまでにJSコーポレーション側が用意してくれた資料を頭に叩き込む。