諦めが悪い2人の人生やり直しバトル_3_野望達成計画

【鱗滝さんに幸せな人生を!】計画の最初の一歩は、前世での悪夢の一歩だった最終選別からだ。
これを突破しなければ何も始まらない。

というか、突破するだけでなく、最初の一歩を完璧に輝かしくこなすことで、鱗滝さんの名声を不動のものにしなければならない!!

前世で負けた理由はわかっているので、対処は可能だ。
必要なのは鋼の精神!!
肉体だけではなく、心も鍛えて鍛えてひたすら鍛え上げるのだ!!

…と言っても、鍛えるのは最終的に手鬼を倒す錆兎のだが……



岩が斬れたその日、真菰は二人の弟弟子達を待って、自身の最終選別を1年遅らせると宣言した。

鱗滝先生は元々弟子を送り出したくはない人なので、早めることには賛成しないが、遅らせることに関しては快く了承。

錆兎は少し不思議そうな顔をしていたが、義勇の方は
「真菰も一緒に行けるんだねっ!3人一緒なら心強いねっ」
と素直に喜んだ。


そうして錆兎と共に岩を斬れた組でまだ斬れない義勇を補佐する。
あまり刀を振るうことが好きではない義勇だったが、この先兄弟弟子3人でやっていけると思えば、励みになったのだろう。
真菰が岩を斬って10ヶ月後、なんとかかんとか岩を斬って見せた。

その後は最終選別が行われるまで3か月ほど。
普段通りに修行をして時を待つ。

その間に真菰は弟弟子二人に自分の計画を打ち明けた。

もちろん起こっていることを全てではなく、3人で立派な剣士になって鱗滝師範の名声を世間にとどろかせるという野望の部分のみだ。

「とりあえずね、最終選別はその第一歩っ。
勝つのは当然として完全勝利を目指すよっ!」
と、意気込む真菰に、錆兎はやれやれ始まったという顔だが、義勇はまだ小さな両手をぎゅっと胸元で握り締めて
「うん!完全勝利だねっ!!」
と目を輝かせる。

「…で?具体的には?何を持って完全勝利とするんだ?」
と、そこで錆兎が口をはさんだ。

どうせ勢いだけで何も考えてないんだろう?とその目が言っている。
いつも真菰が大騒ぎをして、義勇が乗って…でも具体的には何もないということが多かったので今回もそれだろうと思っているらしい。

だが、ところがどっこい、今回は違うのだ。
今の真菰には前世の知識と経験がある!

「えっとね、まず最初に言っておく。
真菰ちゃん特別情報網で知ったんだけど、最終選別では弱い鬼に混じって1匹だけ強い鬼が混じってる。
ここからは3人だけの秘密だけど、その鬼は鱗滝さんに恨みを持っていて、兄弟子達はみんなそいつにやられたの。
強さから言えば倒せないわけじゃないんだけど、みんなそいつが鱗滝さんを悪く言って煽るのにつられて、平静さを失って呼吸が保てなくなったんだ。
だから錆兎、あたし達の中では今そいつを倒せるのはあんただけだから、あんただけは平静さを失っちゃダメ。
煽りも悪口も相手の作戦だと思いなさい。
ということで、そいつも含めて、最終選別の地、藤重山の鬼を全て倒して、自分達はもちろんのこと、その年の候補者を全て救って、鱗滝組の名を一気に鬼殺隊に轟かせるわよっ」

「おお~~!!!」
とキラキラした目で言う義勇と、少し考え込む錆兎。

「細かいことは…お前に任せて俺は鬼を斬れば良いということでいいのか?」
と、彼は現実的に自分の役割について考えていたらしい。

そう、錆兎とて鱗滝先生の事はとても尊敬しているし大好きだ。
その先生のためになるのならと考えるのは当然である。
だからこそそう確認してくるのに真菰は頷く。

「そういうことっ!
ただし対外的に前に出るのはあんたねっ。
派手だし目立つから。
あたしは参謀。義勇は…象徴?癒し的な何か」

「えっと俺は何をすれば?」
と、非常に抽象的な表現にコクンと小首をかしげる義勇は真菰が
「義勇は義勇らしく居ればいいよ。
ほら、錆兎は強い光みたいなところがあるから、人によっては疲れちゃうからね。
そんな時にふんわりした義勇が隣に居れば癒されるから」
と言うのによくわからないなりに頷いた。








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