kmt 人生やり直しバトル
──…というわけでな、 と錆兎は読めない笑顔を浮かべた。
話を聞く限り、確かにキラキラしいし、実際、幸せな人生だったのだろう。 異性である女性隊員達が、そんなかっこいい異性の華々しい人生を聞けば楽しいのだろうと思った。 しかしそこでふと思う。 「なあ…」 「ん?」 「やっぱりわかんねえんだけど…」 「何がだ??」 「お前らが幸せな恋人同...
「そもそもが…最初の人生の時に鬼になった元月彦…無惨に遭遇したことがあるんだが、俺が斬り損ねた無惨を射抜いたのは義勇の方だったしな」 錆兎は強いんだっ! と義勇が誇らしげに自慢するのはよく聞いていたが、逆は初めて見る気がする。
義勇…と、そう言葉に乗せる時の錆兎の声はなんというかとても優しく甘やかになる。 ああ、この淡々とどちらかと言うと本質が武に偏った男がこんな声で呼ぶのだから、それはそれは特別なのだろう。
──今から900年ほど前のことだ… と言う言葉で錆兎の話は始まった。
水柱屋敷で真菰に原稿を渡しながら錆兎に面会を申し込むと、真菰に ──え~。錆兎疲れてるから、何かあるならあたしが聞くけど? と言われてしまう。
──さすがお館様!あの不死川の暴挙にはそんな深謀遠慮があったとはっ! ──無惨もあっさりひっかかりましたねっ
──なんだ、これはっ!!! 鬼の頭領鬼舞辻無惨の居城無限城。 今日も無惨の前にかしずいた童磨の頭が吹っ飛ばされている。
──今までほんっとうにすまなかったっ!今度こそ分かったっ! 玄弥との風柱屋敷での生活が始まったところで、実弥はきちんと真菰を通して面会を申し込んだうえで錆兎に頭を下げた。
錆兎に助勢を求められた!! それは実弥にとって快挙だった。
──俺に弟なんていねえっ! 数刻後、水柱屋敷の居間でそう叫ぶ実弥に、 (うわぁ…前世のアレ覚えててもそれ言っちゃうんだ~) と呆れる真菰。
──筆頭、連れて来たぜ~ あの話し合いから1週間ほど経ったある日、宇髄が動くズタ袋を抱えて水柱屋敷にやってきた。
──考えを…変えさせるだぁ? ──あんなにしつこく付きまとおうとしてるのに? 不死川の義勇への執着を変えさせることは難しくはないという錆兎の言葉をきいて宇髄と真菰は揃って驚きに目を丸くした。
──みんな平和で幸せって…相変わらず甘えよな、お殿様は。 とりあえず状況を大方把握し終わって平和的解決をとする錆兎に、宇髄は呆れ顔で言う。
これは真菰だけ…いや、あるいは不死川は気づいただろうか…… 鬼の動きが巻き戻り前と微妙に変化している。 上弦の弐…童磨は、万世極楽教という宗教団体の教祖をしている。 それは前世で霊体だった時に知っていた。
──無惨様…書かせる話はこれで良いのですか?義勇の相手役を無惨様にすることもできますが…
──では…無惨が義勇に接触しようとするなら耀哉様が対処して下さるということで静観します。 あまり気は進まないようだが錆兎は折れた。 ため息交じりにそう言うと立ち上がろうとする。
──なんだか壮絶に面白いことになってきてるね とある日、呼び出された産屋敷邸の一室で、錆兎と宇髄、そして真菰を前に、お館様こと産屋敷耀哉様がにこやかにのたまわれた。
──錆兎はさ、性善説で生き過ぎなんだよね~。 ──だなっ。つかここはブチキレて相手殴りに行くとこだろっ。 ──殴らないまでもさ、とりあえず回収したなら戻さずに全部燃やすべきっしょ! ──公平さを愛するお殿様だからな、やつは。権力使った方法は宜しくないとか、もう馬鹿かとっ!力なんて...
街で見かけた義勇は愛らしかった。 そう、今生で初めて出会ったあの時からもう2年と少し。 互いに17になるのに、相変わらずぽわぽわとどこか幼女のような雰囲気がある。