幸せ行きの薬_40_家族

「おかえり。お疲れ様、錆兎」

帰宅時…錆兎に鍵を開けずにチャイムを鳴らす習慣がついて早半年。
ピンポ~ン!と鳴らすと、愛しい伴侶と可愛い娘のお出迎えがあるからだ。

自分が一人暮らしをしていた頃からは1年半経っているわけだが、家族が一人増え、二人増えと、増えた分だけ家の中が暖かくなっていく気がする。

「ただいま、ぎゆう」
と、娘を抱っこしたエプロン姿の義勇の頬に口づければ、その腕の中から可愛い愛娘がきゃらきゃら笑いながら手を伸ばしてくる。

そのぷにっとした指先とふっくらとした頬にも口づけると、
「抱っこは手を洗ってからな」
と、錆兎は鍵をかけて洗面所へと向かった。



マリが亡くなった日…病院で遺体を確認した後、老夫婦に赤ん坊を養子にしたい旨を申し出た。

赤ん坊の曾祖父母にあたる老夫婦には選択の余地はなかっただろう。
なにしろ子どもの親は亡くなり、祖父母は刑務所で服役中。
曾祖父母である自分たちはすでに80歳近い。

自らも幼い頃に親をなくしたこともあって縁のある子どもが孤児として施設に入れられるのは忍びない…と、息子夫婦が引き取って養育していた青年にそう言われれば、優し気なその容貌も相まって、息子たちが横領したことよりは育ててもらった恩を感じてくれているのか…と、無理やりにでも納得させたくなったようだ。

さらに…実際は未成年であるその青年では養子にできないので、同居人である某有名企業の社長の養子になどと言われれば、断る理由などない。

本来は接近禁止を破ったことで履行されるペナルティの横領金1280万の返還も求めないということで唯一つけられた条件は、子どもの事、そしてその子どもが社長の養子になったことなどを服役している息子夫婦には一切伝えないということだったが、それも子どもの事を思えばもっともなことだと老夫婦は受け入れた。

犯罪者の祖父母の存在は子どもにとってはデメリットにしかならないし、我が子ながら他人様の…というより、自分たちが管理を任された身内の子どもの資産を使い込むくらいのどうしようもない人間になってしまった息子が、赤ん坊の養父が社長だと知れば金を目当てに迷惑をかけるかもしれない…と、そんなことも心配したようである。

こうして赤ん坊はその曾祖父母の手により正式に養子に出され、鱗滝錆兎の娘、鱗滝みあとなった。


さて、こうして赤ん坊を引き取ったのはいいが、問題は誰が養育するかと言うことである。
まだ生後1か月のみあは当然一人で留守番どころか目を離すのも危険な月齢だ。

錆兎はベビーシッターを雇おうと思っていたのだが、義勇が

──みあが3歳くらいになるまで…大学を休学して育てたらダメだろうか?
と、自らが育てたいと言い出したため、それを了承。
生活費はすべて錆兎が出して、義勇が家事と育児をすることにした。

…というわけで、前述のような帰宅時のお出迎えが日課になったのである。



「こんにちは~、あら、みあちゃん大きくなったわねぇ。
ママに似てますます美人さんになってきたね」

みあを連れて二人で散歩をしていたりすると、そんな声をかけられることも多くなってきた。

錆兎に似た珍しい髪色と義勇に似た綺麗な顔立ちのせいで、よもや養子とは思われていないらしい。

そこであえて実は養子で…ということもないと、錆兎は笑顔で

──ありがとうございます
と、流している。

どちらにしても今は人に貸している義勇の実家が来月に借主が出て行って空くようなので、みあのためには庭がある広い家の方が良いかと、空き次第錆兎が出資で色々リフォームして、そちらに引っ越そうかという話になっている。

だから、この近辺の近所づきあいもそれまでだし、まあいいかと思う。

そしてあれからちょくちょく遊びに来るようになった珠世も目撃されていて、近所では嫁の母親だと思われているらしい。


今はまだ赤ん坊なので色々こだわりもなく、錆兎が居て世話ができる時には義勇がたまに猫になって尻尾であやしてやったりすると、きゃいきゃいと嬉しそうに笑ったりするのだが、大きくなれば親が男2人だったり、あまつさえ猫になれたりすることに疑問を抱く日も来るだろうし、さて、いつ頃どこまで話そうか…と言うのも二人で相談中である。

親と言う意味では錆兎は何も問題はない。
問題なのは自分の方だ、と、やはり不安になる義勇に、愛情を目いっぱい注いで育てれば問題なく育つだろうし、それでも今の環境が嫌だというなら、成人までは金を出して一人暮らしをさせてやるか、同性だし真菰のところに厄介になるのもいい。
子どもはいつか親の手から巣立っていくものだし、それが少しばかり早くなるだけだろう…と、錆兎は当たり前に笑って言う。

ああ、そうだな。
錆兎が居れば本当に何も問題なく過ぎていくのだ…と、義勇はやはりいつものようにそう思って、今目の前の育児に没頭することにした。


娘はすくすく育っていく。
初めてつかまり立ちをした時は二人して大騒ぎで動画に収めていたら、なんだかすごく得意げな誇らしげな笑顔で振り返ったり、そのままハイハイをする間もなく歩きだして

──ハイハイ…しなくて大丈夫なのか?
と心配する義勇に
「あ~俺もそうだったらしい。1歳の頃にはみあみたいに歩いてて、それでもハイハイも見せてやらねばと思ったのか、1歳2か月の頃にお印程度にするようになったとか…」
と言う錆兎。

みあも結局そういう経過をたどったので、義勇は、さすが錆兎の子だな、と、納得しかけたのだが、考えてみれば血はつながっていないのだ。
しかしその頃にはそんなことも忘れてしまうくらいには親子だった。

初めてしゃべった言葉は”ネンネ”
いつも義勇が──いい子でネンネしような…と言っていたせいなのか…

余談だが、そう言いながら寝ぐずるみあを抱っこしてぽんぽんと優しく小さな背を叩いて寝かしつけてやる義勇の姿を見るのが、その時期の錆兎にとって五指にはいるお気に入りの光景だった。

別に義勇がいてくれればそれ以上は望まないと思っていたのだが、そうしていると本当に自分の子をあやす母親のようで心温まる。
錆兎と同じ髪色に義勇似の顔立ちなので、他人とは思えない。

実際、みあが2歳を過ぎた頃にリフォームが出来た義勇の元実家に引っ越したのだが、近所には当たり前に若い嫁をもらった男が嫁の母親の近くに越してきたと思われていたらしい。

隣になったからと足しげく通ってくる珠世がみあを公園に連れて行ったりしている時にそう声をかけられたそうだ。

そんな背景からか、みあは珠世を当たり前に”ばあば”と呼ぶ。
それがそんな誤解に加速をつけるが、肯定もせず否定もせず、にこやかな笑みで返すあたりが珠世は世間に揉まれた大人というところか。

本人的にはたった一人の娘を失くしていることもあり、血のつながりはないがしっかり家族な若い二人とその子どもの家庭に自分も組み込まれていることは嬉しくも楽しいらしく、いつのまにか義勇達の家の合い鍵も預かって、義勇が大学に復学してからは義勇の家か自宅かでみあの面倒をみていてくれるようになった。


──…錆兎……
──…なんだ?
──…みあが俺をかあさんと呼ぶのはどうなんだろう…

そう、珠世をばあばというくらいなので、当然錆兎と義勇のことも普通に呼ぶ。
名前ではなく、とうたん、かあたん…と。

錆兎はいい。
実際養父とは言え父親であることには変わりない。
だが義勇は養母ではなく養父だ。
間違いを正すべきじゃないだろうか…と割合と真剣な顔で言う義勇に錆兎はあっけらかんと言い放つ。

「なにをいまさら。
義勇が嫌なら訂正すればいいが、嫌じゃないならみあの好きに呼ばせればいいんじゃないか?
俺はそういうことを言い出すならむしろ、養子縁組をしている俺たちはとにかく、真菰のことは真菰ちゃんなのに、珠世さんのことは珠世さんじゃなく当たり前にばあばと呼んでいることの方を気にするべきだと思うが…」

「あ~…俺自身は構わないんだが…。
みあが幼稚園や小学校に通うようになった頃にいじめられたりしないだろうか…
珠代さんに関しては、珠代さん自身がみあに自分のことをそう言っているからいいんだと思う」


「みあは私立に入れるし、お前は大学があるから送っていくのは俺が車でになるし、行事以外の学校関係の手伝いやら諸々は珠代さんが引き受けてくれるというから、問題なくないか?
家族写真を見る限り、まんまだしな」
と言う錆兎の言葉通り、運動会や参観日に珠世と3人で参加していても誰も気にしない。

周りの受け答えは人づきあいの上手い錆兎や普段から学校の諸々に通っている珠世がやるので義勇が挨拶の言葉以上にしゃべることはほぼないし、錆兎がでかくて体格がいいので、一緒に居ると義勇は小さくさえ見える。
なによりみあの容姿が錆兎と義勇のそれぞれの特色を受け継いでいるように見えるので、養子だとすら思われない。
とても似た親子だとよく言われる。
そうして、おばあちゃまもパパもママも仲が良い美形一家ね、と、褒められてみあもご満悦である。

そもそもがふわふわのピンクの髪に人形のように愛らしい顔の美少女なのだ。
私立なので服は私服だが、髪型は毎朝義勇が可愛らしく整えているし、文具その他も質が良い上に女の子らしく可愛らしい物を取り揃えている。
勉強もできて足だって速いので運動会ではいつもリレーの選手。
綺麗な髪を風にたなびかせながら走る様子は美しい。
いじめられる要素など何もない。


そんな風に順調に育って、色々に気づいたのは娘14歳の時である。

「ばあばっ!ばあばは母さんが男だって知ってたっ?!」
と、こちらも合鍵を持っていて自由に行き来していた娘が珠世のマンションに驚いた様子で飛び込んできての第一声。

しかし全く動じないばあば
「おやつがあるから、手を洗ってうがいをしていらっしゃい」
と、いつものように促した。

娘は衝撃の事実を伝えたつもりが相手があまりにいつも通りなので拍子抜けしながら、それでも素直に育っているので言いつけを守って洗面所へ。

それからリビングに戻ると、水ようかんと冷茶が用意されていた。


ちょうどお腹もすいていたし喉も乾いていたので、
「いただきますっ」
と、そこはきちんと手を合わせて挨拶をして、それをしっかりと胃に収め、最後のお茶を飲みほしたあとで、
「で?知ってた?」
と話を戻す。

「結論から言うと知ってたけれど…」
と言いながら、珠世はみあの小さい頃からの写真の入ったアルバムを広げた。

そして
「あなた…かあさんが猫になることの方が普通気にならない?
それを受け入れている時点でいまさらだと思うけど…」
と言って笑う。

ああ、それもそうだ。
自分も父も…そして周りの誰も猫に変身できたりしやしない。
そう思えば疑問は深まるばかりだ。

「母さん…男とか女とか以前に、もしかして人間じゃなかったりするの?」
と、まずそこから入っていく。

「…そうだったら…どうする?」
とそれにそう返されて、みあは考え込んだ。

「どういう状況だとしてもね、父さんも母さんもあなたにありったけの愛情を注いで育ててきたのよ。
それはわかるわよね?」
と続く珠世の言葉にみあは頷く。

ばあばがめくっているアルバムの写真はどれも両親と…時にはばあばも加わった中で幸せそうに笑っている自分。

「ばあばは家族だけど親じゃないから…ばあばから言えるのはここまでよ。
あなたが母さんに対して疑問に思うことは両親にお聞きなさいな」

たぶん娘の脳内では男のはずの母さんがどうやって自分を産んだんだろうか…という疑問がくるくる回っているのだろうと思う。

おそらくだが、そこで自分が養子であるという方向に思考が向いていない。
そのくらいみあは錆兎と義勇の両方の特徴をわかりやすく持っている。

なのでショックを受けることがあるとしたら、まずそこだろう。
そう考えて、
「とりあえず父さんが帰ってくるまでは、ばあばの家で勉強していらっしゃいな。
宿題もあるのでしょう?」
と、みあを自宅に引き留めながら、珠世はみあが気づいたことと自宅で預かっていることを錆兎にメールしておいた。


そうして夜…二人して訪ねてきた時は錆兎はいつも通りだが義勇は号泣中。
そして何かあった時にみあにフォローをいれられる状況でと言う錆兎の希望でそのまま珠世の家で話をすることになる。

リビングのソファで珠世とみあが隣り合わせ、そしてその正面のソファに錆兎と義勇が座って、錆兎が口を開いた。

「まず大前提だ。
俺も義勇もお前の親だ。
法的にもそうなっている。
それとは別に俺たちはお前を娘として本当に愛しているし、お前が健やかに育ってくれるよう常に願って愛情をもって育ててきたつもりだ。
だが、うちの事情は若干特殊でな。
俺たち以外にうちの事情を知っているのはばあばと真菰だ。
だからその特殊な環境に身を置くのが辛いということなら、ばあばの所か真菰の所で一緒に暮らせるよう頼んでやる。
お前がそう望んだとしても俺たちにとってはお前は大切な娘だし、生活面でも不自由のないよう援助はし続ける。
安心していい。
ただし義勇はとにかくとして俺からは一つだけ。
俺にとってはお前はかけがえのない娘だが、順番としては2番目。
一番は伴侶の義勇だ。
だから義勇をあえて傷つけるようなことを言ったりしたりした場合は許さない。
それをしない限り、世界がお前の敵に回ったとしても、俺は親として全力でお前を守るからな」

錆兎のその言葉は嘘じゃないということはこの場に居る全員が感じている。
彼はそういう男だ。

それに少し安堵する娘と義勇。
そんな二人を前に錆兎は話を進めた。

「結論から言うとお前は養子だ。
ただし、全く無関係ではなく、義勇の親族な。
お前の親は交通事故で亡くなって、祖父母もいなくて、もう80歳に手が届く曾祖父母が生まれたばかりのお前をどう育てて行こうかと途方に暮れている状態だった。
そこで唯一の親族だった義勇がお前を引き取って育てたいと言い出したんだが、当時義勇はまだ大学生で未成年だったから養子にできないこともあって、まず俺の籍に入れた。
その後、義勇が成人して義勇もお前を正式に養子にして、今お前は俺と義勇、両方の養子になっている。
つまり法的にはまぎれもなく俺と義勇の子どもだ。
お前の責任は全て親である俺たちが持つし、俺達にはお前を保護する義務がある」

「…養子って……う…そ……。
だって私、父さんにも母さんにも似てるって…みんなそう言ってるし……」
と、その部分はやはり娘にとってはショックだったようだが、それに対しても錆兎はなんでもないことのように言う。

「夫婦だって数十年、互いに責任と愛情を持って生きていく相手だが血のつながりは全くないし、そこはたいした問題じゃないだろう?
俺はお前にも義勇にも血縁以上に愛情を持っている自信はあるぞ。
二人とも俺の命より大切な家族だ。
そもそもな、俺が義勇に初めて会った時は、血のつながりどころか、義勇は子猫で同種族ですらなかったんだぞ。
比喩じゃなくて文字通りな。
ベランダに締め出されて凍死しかけてる子猫を隣の部屋の俺が洗濯物を取り込もうとベランダに出て見つけて救出したのが始まりだったんだ」

「父さんらしいね」
と、みあは思わず噴き出した。

おそらく父の側に人として変わったことはないのだろうが、こんな色々変わった環境の母や自分を受け入れているのがすごいと思う。
まあ…男性である時点で母と言っていいのかもわからないが……

「わかった!
父さんも母さんも私の両親には変わりないってことね。
父さんのこだわらなさっぷりを見てたら悩んでいるのもばかばかしくなってきちゃった。
でも一つだけ悩むことがあるんだけど……」

娘はどちらかと言うと錆兎の資質に強く影響を受けて育ったようで、意外にあっさり諸々を受け入れたようである。

「悩むこと?なんだ?」
「うん。私ね、母さんを母さんて呼んでていいのかな?
母さんは男なんでしょ?」
と、物理的な事象に思考が向くのも錆兎とはそれこそ親族ですらなく全く血のつながりはないのに、娘は確かに錆兎の娘だ…と、義勇は不安が少し解消されて泣き止みつつも感心する。

それに対しての父親の言葉…
「お前は義勇が猫の時には猫さんと呼ぶのか?」
で、娘は
「そうだね、呼ばないね。
姿かたちは変わっても母さんは母さんだね」
と、まさに錆兎が義勇に聞かせてやりたかった言葉を返してきた。


その言葉に完全に安堵した義勇はそこではっと我に返る。

錆兎は娘の疑念に対して実に素晴らしい説明をした。
良いことを言った。
理想の親だと思う。

だが自分は?
ただ錆兎の横で泣いているだけで立派な親と言えるのかっ?!
何か素晴らしいことを言ってやらねばっ!!!

…と、変な方向に考えが暴走するのが義勇の義勇たるゆえんである。

「みあ…俺からも伝えておきたいことが…」
「うん、なあに、母さん」
「世の中の親は子どもを得るか持たないかの選択をして子どもを持つんだけど、俺たちはもうはっきりと形を成していたお前自身を子どもとして選んだんだ。
母親を亡くして曾祖母の腕の中で泣いているお前を見た時、他の誰でもなくお前を自分の子として育てたいと思って、錆兎に申し出て、錆兎も了承してくれて、二人で育てて行こうと決めたんだ。
お前は二人で選んだ特別な子だ。
だから自然に生まれて子となった子どもと同じかそれ以上に特別な子なんだ」
「…母さん……」

と、ここまではまあいいとして……

「錆兎と同じ宍色の髪で錆兎と似た賢い知能と強い意志。
もうあれだ…お前は俺にとっては神から預けられた特別な子で、きっとお前は世界の頂点に立つ人間なんだと思う…」

と、このあたりで感動した娘の顔が苦笑に変わる。
その正面では父親も苦笑している。

「母さんの父さんに対する気持ちって…もう愛情を通り越して宗教みたいだよね」
と言う娘の言葉に、
「…お前に対する愛情もな」
と父親も言う。

そんな二人にばあばが
「みあちゃんは顔は義勇さん似だけど、中身は錆兎さん似ね」
とやっぱり苦笑した。


こうして全て…ではないが、おおかたが明らかになったあとも、親子はやっぱり親子だった。
顔だけじゃなく性格も似ていて、血でつながっているはずの親子よりも親子らしい。
いや、親子だけではない。
珠世も含めて血のつながりはないが、本物の家族である。


あの日…娘が亡くなって絶望しながら作った薬は小さな幼児の命を救っただけではなく、作った珠世にも新たな家族を運んできてくれた。

人を呪わば穴二つというが、逆もしかり。

傷ついた小さな命を救いたい、幸せ行きのチケットになってほしいと思って作った青くまあるいその薬は、子ども義勇だけではなく、錆兎に珠世、そしてみあにとっても、幸せな家族の元へ案内してくれる幸せ行きの薬となったのであった。

そう、幸せを願った物語の結末は、常にめでたしめでたしなのである。


──完──








2 件のコメント :

  1. 一時はどうなるかと、ハラハラしましたが、めでたしめでたしですね。

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    1. ハピエン至上主義なので、物語の終わりは常にめでたしめでたしなのです😊💕💕

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