kmt 清く正しいネット恋愛のすすめ
「とりあえず…俺が持ってきた情報だから俺が話しちゃっていい?」 意外なことに最初に口を開いたのはユートだった。
とある日の真夜中のこと。 『ゆっくり話せるのは久しぶりだな。元気か?』 『ええ、コウさんも……?…』 などというやりとりから会談は始まった。
──ねえ、社長様が1プレイヤーに加担して良いの? とある週末のことである。 アオイは久々に見る銀鎧のベルセルクからPTに誘われて唖然とした。
錆兎に賭けの約束も取り付けた。 マフラーも不格好ではあるが出来上がってラッピングも済ませた。 試験も無事に終わって、クリスマスイベントの期間は明日17日から1週間、23日までである。
12月の始め…第2週の週末から期末試験が始まるので、勉強のためと称して蜜璃も産屋敷邸に泊まりこみを始めた。
今まで全く意識したことはなかったのだが、自分はかなり不器用らしい。 そんな自覚を持ってしまって義勇はとても悲しくなった。
とりあえず、義勇が自主的に自分に何かしてやるという形を取りたいだけで、賭けで命じられること自体はそう警戒するようなことでもないらしい。 そうと分かればあと考えねばならないのは、普段なら出来るだけ義勇の希望に沿うようにということなのだが、こればかりは難しい。
「ん~秘密です。だって宇髄君、鱗滝君の耳みたいなものじゃないですかっ」 レジェロのクリスマスイベントのタイムで勝った方が負けた方の言う事を一つ聞く…そんな賭けをしたいと言い出した義勇。
「ウ~サ、何浮かない顔してんだよ」 とある日の夜、食事は作るのはほぼ亜紀と空太がやってくれるので、宇髄と二人、食後の食器洗いは引き受けている錆兎が難しい顔をしているのを見た宇髄は、すわ、また武藤でも出たのかと戦々恐々とした気分でそう声をかけてみたのだが、返ってきた答えは 「…いや...
「きゃあぁぁ~~!!!」 と教室内に女子の高い悲鳴が響き渡る。 とある昼休みのこと。 街中はもちろん、様々なゲームでクリスマスイベント一色となっているこの時期。 もちろんレジェロも例外ではない。
「え~っとね、とりあえず実弥の件はもういいや。 どっちにしてもこっちの情報と社長様の情報をすり合わせて方針決めるまではこれ以上できることはないから。 ってことで、今日は解散でもいいんだけど、ちょうどシエルがいるしね。 今度のクリスマスイベのコラボ装備の方を報告しておくね。 実はさ...
自分も苦笑交じりにからかいの言葉を述べていた身で言うのもなんだが、錆兎が今回のことで遺書を書いていたという話で嬉しそうにする隣のユキの気持ちが宇髄にはわからない。 宇髄がからかいを口にしたのは飽くまでそれを聞いた不死川はそのままでは思いつめるだろうし、不死川があまりに落ち込んだら...
「まず初めに伝えておく。 大前提として俺が共学科に移籍してきたのは義勇を守るためだからな。 古くからの知り合い以外で義勇に急に接近しようとする相手は一応は気を付けることにしている。 だから早川美弥のことは念のためその手のことに長けた兄弟子の部下に調査依頼してたんだ。
このあと自宅近くの路上に呼ばれるまでほんの1時間弱。 買い物をするにしてはずいぶんと短い時間だったが、あとから聞いたらなんのことはない、不死川が気分が悪くなったと買い物をせずに帰ったらしい。
そういうわけで、錆兎は自分であれこれ気を回す必要はなくなったのだが、では、周りが平穏になったかというとそうでもなく、不死川は着実に某宗教団体がバックにいる早川美弥に取り込まれつつあるし、それを静観しなければならないというのは、決して楽なものではなかった。
時をすこしばかり遡ったある日… ──ウ~サちゃん、今回の件ね、ちょっと高校生には荷が重いかもしんない ユキにそう言われて錆兎は表情を硬くした。
──義勇…無事で良かった… 警察を含む十数人の集団の中でまっすぐ義勇に駈け寄る錆兎はそう言って最愛の恋人を抱きしめる。 それをにやにやと横目にしつつ、宇髄は状況を確認しに動画を撮っていたカイの方へ。
「今帰りかい?ちょうどいい、送って行くから乗りなよ。彼女さんも一緒に…」 と、男、童磨が言うと車が止まり、中から背広を着た男が出てきてドアを開ける。
午後…錆兎あたりから何か言ってこられるかと思っていたのだが、特に何もなく放課後になる。 どうやら宇髄が上手くいってくれたのだろう。 不死川はこのなんのかんので面倒見の良い小等部時代からの幼馴染に感謝した。
「教祖様、不死川実弥に冨岡義勇を拉致させるのは良いとして、その後どうなさるんです?」 お茶と称して閉鎖空間で不死川を半ば洗脳のように説得したあと、不死川を家まで送ってそのまま美弥と童磨は教団へ。