清く正しいネット恋愛のすすめ_221_コラボ装備

「え~っとね、とりあえず実弥の件はもういいや。
どっちにしてもこっちの情報と社長様の情報をすり合わせて方針決めるまではこれ以上できることはないから。
ってことで、今日は解散でもいいんだけど、ちょうどシエルがいるしね。
今度のクリスマスイベのコラボ装備の方を報告しておくね。
実はさ、レジェロスレでさ、シエル大人気。
シエルのトレイ盾欲しいって意見が多くて、それいこうかなと。
でも社長様が一応トラウマとかになってたりしないか、本人に聞いてからにしておけって言うからさ、確認取りたいんだけど…」

「え?僕?!
トラウマとかは全然ですけど、第一弾はやっぱり錆兎君関係じゃないとっ!!」

ココアを飲みながらそう言うユキに空太が異議を唱える。
それはユキの絶対者が言うのとは全く違う理由でだが……

「あ~、でも前回のコラボイベのカイン装備でウサのコラボ装備は出てるから、そのあたりはクリアじゃね?」
「あ、そうだったか…」
と、そこでフォローに入る宇髄に納得する空太。

「うんうん。ウサちゃんとギユウちゃんのはこれからもなんか出すとは思うけど、とりあえず色々な子の出したいからさ。
今回は前回出した2人以外の子で行きたくて、レジェロのスレで希望が多かったのがシエルのトレイ盾だったわけ。
あとメイド長の清潔な靴とか。
もうこの際カップルで出しちゃおうかなと」
と、それに頷きつつ言うユキ。

「ふ~ん、いいんじゃね?
効果とか入手条件は?」

すっかり他人事のように、ずず~っとコーヒーをすすりながら聞く宇髄。
まあ、確かに他人事ではあるのだが。

「うん。前回はさ、カイアリの衣装取れない奴多くてさ、トレイ盾はまがい物でもなんでもいいから欲しいって話だったから、2種類作ろうかと…」

「2種類?」
「うん。まず、クリスマスイベはまだ秘密なんだけど、タイムアタックなのね。
参加者のレベルに合わせて難易度設定したグループでタイム競って、その中で上位入賞した組に副賞としてコラボ装備って思ってたんだけど、それだともらえる奴少ないからさ、参加賞に見た目だけは似てるけど上位の賞品と違って特殊効果がないコラボ装備のパチもん配ろうかって思ってんの。
あとはクリスマスだからさ、その他の賞品はそれっぽいものも考えてんだけど…」

「それっぽいのってリア充イベント?」
と、にやにやと言う宇髄に
「そそ。だからま、ウサちゃん達も頑張ってよ。
たぶんギユウちゃんも喜ぶと思うから」
と、答えるユキ。

それにそれまであまり興味なさそうに流していた錆兎が真剣な表情になる。
義勇が喜ぶような賞品があるなら、それは優勝を狙わねばなるまい。

「それは…頑張らないとね。
僕も二重な意味で亜紀君にせっつかれると思うし、彼女に期待されたことはこなさないとだからねっ」
と、空太もやる気満々だ。

「二重って…?」
と小首をかしげるユキに、空太はきっぱり

「亜紀君は冨岡君が推しなので、おそらく彼女が望むことを叶えてあげたいと言い出すと思うし、さらに亜紀君自身も入賞したいと思うので、チーム戦なら錆兎君と組んで優勝すれば一石二鳥かなと」
と、笑顔で言う。

「なるほどね。
ちなみに通常の1PT…つまり4人一組のチーム戦だよ。
PTの条件は10単位で同じレベルな事ね。
つまり全員が…1~10、11~20とかのレベルの範囲ってこと。
これ以上は公式プレイヤーでも不公平になるから秘密ってことで」

笑顔で言うユキを前に、珍しく険しい顔をした錆兎が
「勝つっ!優勝するぞ、空太っ!!」
と檄を飛ばし、空太は
「当然っ!伊黒も誘わないとねっ」
と、にやりと笑う。

やる気満々になった彼氏コンビだったが、実際、イベントの全容が明かされると、彼らは壮絶なジレンマに悩まされることになる。

イベントの条件を考えれば分かることではあったのだが、2人とも何故かこの時はその可能性を考えていなかったのであった。



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