「きゃあぁぁ～～！！！」
と教室内に女子の高い悲鳴が響き渡る。
とある昼休みのこと。
街中はもちろん、様々なゲームでクリスマスイベント一色となっているこの時期。
もちろんレジェロも例外ではない。
レジェロの公式から正式にそれについての発表があった。
クリスマスらしいキラキラと華やかな画面に綺麗な絵文字。
義勇などは見ているだけで楽しくなるが、だいたいの生徒の関心はその内容と商品についてである。
『勝ち取れ！恋も賞品も！ファンタジークリスマス』と題したそのイベントは、男女別に4人パーティーを組み、アクティブな敵のいる特殊エリアに行き、4つの各部屋で心の欠片というアイテムを拾い集めて、ゴールした時のタイムを競うというものだ。
この特殊エリアは敵の強さの関係上、レベル１～10，11～20，21～30，31～40，41～50，51～60の6つのレベル帯に分かれていて、パーティーを組むメンバーも全員同じレベル帯であることが条件付けられている。
なので、今教室内ではレジェロをやっている面々が手近なところで、と、自キャラの性別ごとに分かれてパーティーメンバーで盛り上がっていた。
義勇達は義勇、蜜璃、亜紀の彼女組3人は一緒に組む約束をして、あと1人をどうするか…と見回して3人一斉に視線を留めるのは、当然のように胡蝶しのぶ。
そして彼女たちの視線を一身に受けたしのぶは顔をひきつらせた。
「…私はやりませんよ？
賞品がカップルで行くソリの旅って、誰と行くんですか、そんなもの」
と、口元をヒクヒクさせながら言うしのぶ。
そう、今回のクリスマスイベントの賞品は、参加賞が中堅くらいのナイトが使う程度の物理防御力+50のトレイ盾、入賞商品は1位から6位まで出て、それぞれに物理＆魔法防御+200と順位によって各属性防御+10～60がつくトレイ盾。
それプラス、男子組には女子専用装備の防御は0だが状態異常を無効にするメイド長のクリーンシューズ、女子組にはカップルでトナカイがひくソリで夜空を1時間周遊する券だ。
「フラフラと夜空飛んでる暇があったら資格試験の勉強でもしてた方がいいです」
と、しのぶにはっきりきっぱり断られて、え～っ…としょぼんと肩を落とす彼女組。
それにしのぶは小さくため息。
「第一、敵の中でアイテム収集なら学者の私よりタンクの姉さんの方が向いてると思いますよ？
おそらく真菰さんもやる気ない組で姉さんもあぶれてると思うので、声かけておきますね」
と、手厳しいようでいてなんのかんので面倒見の良い彼女はそう言って、姉に電話をかけている。
そして了承が取れたようだ。
「錆兎さん、とりあえずあなたの彼女さんのために女子最高のタンクを確保したので、数学の定期考査の高難易度問題の予測問題、明日までによろしくお願いしますねっ」
と、当事者である義勇を含む彼女組ではなく、錆兎の方に報告する。
それに苦笑する錆兎。
「すまんな、助かる。
予測問題に関しては了解だ。
もう何パターンか作ってあるから、あと2,3問追加して勉強タイムまでにはPDFで送る。
で、何か質問があれば勉強タイムで」
「ありがとうございます。了解です」
などと言う、もうすっかり聞き慣れた、秀才組の彼女の世話と試験勉強の資料の等価交換のやりとりに、クラスメート達も、またか、と、クスクスと笑っている。
「…で？俺らはどうするよ、ウサ。
お前と俺と伊黒、空太でやっても良いけど…念のためプラス不死川、炭治郎、村田、茂部太郎あたりで2組作るか？
まあ万が一でも負けることはねえかもだが、その万が一があるとやばいし？
メイド靴は絶対に贈りてえだろ？」
と言われて悩む錆兎。
「2組作るなら俺と空太はタンクだから出来れば属性防御＋60の最高位のトレイ盾が欲しいから1位を目指すということで同じ組で…伊黒もこっちで良いが、2組目も入賞狙うならその組み合わせだと仕切りがいないから、お前が2組目だな。
その代わりにそうだな、実弥をこっちにもらうか」
「了解。じゃ、1組目が彼氏組＋不死川で、2組目が俺と村田、茂部太郎に炭治郎な？」
「え？え？俺やっぱり拒否権ないの？」
「あ～？あると思ったのかよっ」
などと宇髄と村田のやりとりを聞きながら、錆兎の方は炭治郎に電話を入れて了解を取る。
もちろん、茂部太郎にも村田以上に拒否権はないし、そもそもが拒否するなどという発想もない。
そういうことで、組み合わせは決定。
イベント開始日を待つことになった。
さねみんのみ独男の彼氏組PT^^;話題についていけなくてもｶﾞﾝﾊﾞﾚ(-_-)/~~~ピシー!ピシー!
返信削除居心地悪そうにしているか、あるいは彼も面倒見の良い長子なので色々やってあげる相手が居て良いなぁと羨むか…どちらでしょうね😀
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