勝てば官軍桃太郎_35_子授け鬼のいとまの挨拶

…ぎ殿……内儀殿…… 少し子どもたちと昼寝でも…と思っていたら、おもいのほかぐっすりと眠ってしまっていたようだ。 声に目を覚ませばもう日が落ちたらしく部屋が薄暗くなっている。

勝てば官軍桃太郎_34_決戦前

意外というか案の定というか、継子柱の中では不死川が一番赤ん坊の世話が上手く、また好きだった。 錆兎がやると思い切り肩に乳を吐かれるゲップを出させる作業も、不死川がやると上手に出来る。 まあ父親としては若干情けなさも感じるところではあるが、それでも嫌な気はしなかったのは、ひとえに赤...

勝てば官軍桃太郎_33_桃太郎の子どもたち

「うわぁ…小さい…」 「お前も昔はこんなんだったぞ」 と、錆兎が渡されておっかなびっくり抱いているというよりは手に乗せられた状態の赤子の一人を覗き込む千寿郎と杏寿郎。 一人は鱗滝が抱いてうんうんと頷きながら涙をこぼしている。 最後の一人は雛鶴が抱いて宇髄に見せに来た。 「天元様ぁ...

勝てば官軍桃太郎_32_役立たずの桃太郎

──錆兎殿、邪魔です!あちらでおとなしく待っていて下さい! かつて桃太郎相手にここまではっきりきっぱり言い放った人間がいただろうか… 錆兎の尊敬する師範や、上司であり彼女の夫であるお館様ですら、錆兎相手にここまでの言い方をしたことはない。 だが、天下無敵の桃太郎も、お産の支度に入...

勝てば官軍桃太郎_25_奇跡はAよりもたらされり4

そうしてまずは報告に産屋敷邸を尋ねる。 明け方だというのに産屋敷は病身をおして待っていてくれたらしい。 すぐに部屋に通されて、錆兎は上弦の弐と参が倒れたという報告を済ませた。

勝てば官軍桃太郎_24_奇跡はAよりもたらされり3

…あれを…試すか。 相手は氷を操る鬼。 こいつが作り出す霧を吸い込めば肺が壊死する。 だから気を込めるのはなるべく呼吸が思い切りできる少し離れた場所で。 炎の奥義、煉獄あたりでも良さそうだが、あれは打つ前の溜めが少し長いのでかわされる可能性がある。

勝てば官軍桃太郎_23_奇跡はAよりもたらされり2

水柱屋敷を出たのはまだ夕方にもならないうちだったが、気づけば太陽は西に沈み、空には綺麗な満月が浮かんでいた。

勝てば官軍桃太郎_22_奇跡はAよりもたらされり1

「だ~か~ら~、本当に偶然なんだってっ! 上弦の肆の本体だなんて知らなかったんだってばっ!!」

勝てば官軍桃太郎_21_Mの悲劇

──ひぃっ!!ツヤツヤがいるなんて聞いてない!!! ──あ~はいはい。俺だってさっき命令受けて来たところだからね そんなことを言いながら、すでにびびって逃げかけている鬼をサクっと斬る。