kmt 学園警察S&G
結局…浜田はその後自首をして、全てを自白した。 動機は痴情のもつれ。 浜田は天野に手を出したものの、別の生徒が気になりだして天野に別れを切り出したが、別れるなら関係を学校側にばらすと脅されて殺そうと思ったらしい。 別れ話をいったん撤回して謝って、実は宮川に誘惑されたと嘘をつき、天...
「君たちは一体……」 縛られて床に正座をさせられた状態で呆然とする浜田に、宇髄は 「まあ、話そうぜ、先生」 と、自分のベッドに腰をかけた。
──義勇、話はちょっと後でな。来たようだ… 錆兎の周りの空気が変わる。 いつものことながら錆兎に関してだけは空気が読める義勇はその一言で即黙って錆兎の視線の先を追った。 錆兎はすでにそちらに神経を集中させて動画を撮っている。 こうして犯人が作業を終えるまで1時間。 帰っていくその...
──これから既成事実を作るぞ! ……… ……… ………好きな子からそう言われた時のDKの正しい反応は?
(…義勇、寒くないか?大丈夫か?) (…別に大丈夫だ。) (…こうしてれば暖かいか…?)
(夜中にこっそりなんて、ホント怪しい奴みたいだよね…) (仕方ないだろう。見つからないようにやらなければならないし) (…こんなもんでいいか?) (…ああ、そんなもんか…) (植木鉢…もってきたよ) (よし、それに土少し入れてくれ) (あとは…朝を待って、外出許可取るだけだな…)
「ねえ…なんで俺まで巻き込まれてるのかな?」 カオスな空気とカオスな組合せに食堂中から注がれる視線に耐え切れず、寒いこの季節誰も使っていないテラスに陣取る4人。 そこで寒さにガタガタ震えながら村田が言うと、義勇と自分の隣の視線が鋭くなる。
「でも…義勇になにもなくて本当に良かった…」 と、そのあとホッとしたように漏らした言葉に、宇髄は改めて錆兎を観察した。
「…で?なんで義勇がお前の部屋からあんな状態で出てきたんだ?」 部屋に入るなり眉間に縦皺でそう言う錆兎に、宇髄は隠すことでもないので 「あ~、なんだかお前に見限られたって泣きながら部屋来たから、そのまま話聞いてやってたんだけど?」 と答える。
もう日もだいぶ明けて、そろそろ皆起きる時間になりそうだ。 呆然とドアの前で立ちすくんでいると、早起き組第一弾なのだろうか、少し離れたドアが開く音がする。
あ~やらかした…と頭を抱えてしゃがみこんでも事態は変わらない。 錆兎はしばらくしゃがみこんだままどっぷり落ち込んでいたが、やがて重い腰をあげて、部屋を出た。
「よし。じゃ、そういうことで、何が聞きてえんだ?」 なんでも好き勝手させてくれるようでいて、自分的一線は絶対に譲らない、宇髄はそういう男のようだ。
「……あのな…一緒に転校してきた奴…俺のために転校してきてる」 自分も誰かに言いたかったのだと思う。
「んで?泣きたいだけなら泣いてても良いし、話したきゃ聞いてやるぜ?」 錆兎の部屋を飛び出して、気づけば宇髄の表札を探していた。 幸い極々近く、義勇の部屋の隣の隣の隣だった宇髄の部屋のドアを恐る恐る叩いてみる。 そこでカチャリとドアを開いて顔を出した宇髄は驚いた様子で、それでも黙っ...
「ほら、飲めよ。」 コトリと目の前に置かれるマグ。 鼻の頭と目を真っ赤にしながら、義勇はそれを手に取った。
「あ、ぎゆ…」 昼休みがそろそろ終わるので教室に戻ると、ちょうど義勇も戻るところだったらしい。 声をかけて駆け寄ろうとした錆兎はピタリと足を止めた。
事件の当日は学年ごとに固まって、食堂で打ち上げをする予定だった。 1年は2クラスだが、A組もB組も入り混じっての打ち上げだ。
村田は錆兎が思ったよりも空気を大切にする人間だったようだ。 食堂の片隅の席ならいいかと思っていた錆兎だったが、思い切り込み入った話をすることになるので村田は食堂でテイクアウトのおにぎりを買って、錆兎にも同様にするよう指示したうえで空き教室に連れて行く。
そうして解いているうちにいつのまにか昼休みに。 「お前さ…一体何解いてるの? これ何?俺ちんぷんかんぷんなんだけど…」 頭上から村田の呆れた声が降ってくる。
「この問題は…、冨岡、解いてみろ」 科学の時間、教師に言われて立ち上がった義勇は白墨を手に硬直する。 さすが進学校。 問題が難しすぎて全くわからない。