「…で?なんで義勇がお前の部屋からあんな状態で出てきたんだ?」
部屋に入るなり眉間に縦皺でそう言う錆兎に、宇髄は隠すことでもないので
「あ~、なんだかお前に見限られたって泣きながら部屋来たから、そのまま話聞いてやってたんだけど?」
と答える。
「なんか以前同じ学校で家族失くしたばっかの義勇が可哀そうだからって優しくしてくれてそのままいるんだろうし、それを申し訳ないとは思うんだけど、だからと言って一緒に居なくていいってのは辛くて言えないままきてんだって。
で、そんな中で昨日何かで忍耐の限界が来て見限られたらしいって俺様は聞いたんだけど?」
「そんなわけないだろうっ!!
俺は出会ってから一度だって義勇の事を嫌になったことなんてないぞっ?!
昨日だって義勇が黙って出て行ってしまったから、これは怒らしたかと思って、もう罵られるのを覚悟で謝りに行ったら部屋に居ないし…。
仕方ないから、一晩中寮中探し回って、朝になってしまったから戻ってきたところだったんだぞっ?!!
そしたら泣きすぎて目が真っ赤なままで服とか乱れた義勇がいたから…」
「あ~、それで俺、強姦犯か何かに認定されたわけか?」
「…違うのか?」
「ここまで来てまだそれ言うか」
「……誤解だったらすまなかった。
でも義勇は人見知り強い子だし、いきなり部屋泊まるような仲良い友達なんか作れない気がしてたんだ…」
「あ~逆だからじゃね?」
「逆?」
「セクハラから助けたから?」
「それなんなんだっ?!!!!」
グイっといきなり殺気を放ちながら身を乗り出して自分の腕を掴む錆兎に、宇髄は、(あ、やべえこと言ったかな?)とチラッと思う。
…が、まあそこまで言わないと信じそうにない。
仕方ない…と、腹をくくって、それでも保険を打とうとした。
「殺しに行ったりとかはなしな?」
「無理だ」
「いやいや、マジ手出しはなし。
ドア粉砕するくらいのパンチ撃ち込むんだから普通に殴り殺せちまう」
「相手を言わなかったら、お前の事だと思っとくぞ?」
「………」
「………」
「お前捕まったら誰があいつ守るんだ?」
自分でも寒いせりふだと思いつつ言うと、錆兎の顔が複雑な表情になる。
「む…確かに…。とりあえず義勇を守ることが最優先事項だ…」
(…義勇、ぜんっぜん見限ってないぜ?
…こいつお前が見限らせようとしても見限らせるなんて無理な気がすんだけど……)
なんだか疲れてきた気もしたが、宇髄は半分遠い目をしながらも、昨日義勇に話して聞かせた自分の境遇についての話などをそのまま錆兎にも説明した。
「だからな、ああいう弟っぽいオーラ振りまいてんのがフラフラと危なっかしくしてんの見て、つい死んだ弟とか思い出して、おせっかい焼いちまって、仕方ねえから最低限の面倒見ようかなんて思っちまっただけで、俺はあいつのこと別にそういう目で見てねえし…」
そう言うと錆兎もなんとか納得してくれたようだ。
「ま、気が変わって手ぇ出したくなったら殺すけどなっ」
と笑顔で言われたわけだが……。
3ヶ所ほどご確認お願い致します。「あんたの部屋からあんなん状態で」「お前の事やと思っとくぞ」「最終戦事項だ」錆兎がスペイン風の関西弁に^^;二人称はお前がデフォだったような気がします。3つ目は「最優先事項」かと…錆兎から冷静さが家出してますね💦
返信削除ご報告ありがとうございます。
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