ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん【後編】_12

それぞれの感情 「今回のギル、怖かったよな。 珍しくキレてたか?」 とりあえず一応簡単調書を取られて開放されたロヴィーノは、まだシワを寄せているギルベルトの眉間を指でグリグリとする。

ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん【後編】_11

ギルベルトがそこまで言うと白鳥が 「 冗談じゃないわっ!! 」 と声をあらげた。   「違いますか?」 それに対してギルベルトがキツい目を向けると、その視線に少したじろいで、それでも 「違うわよっ!」 と答える。

ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん【後編】_10

ロミオとジュリエットと迷探偵 初めて死体に触れた…。 これまで 2 度ほど殺人事件に巻き込まれて来たが、死体に触れたのは初めてだ。 しかも…まるで自分が殺したかのように絞殺体の首にかかっていた自分の手…。 死体も死体に触れた事も今の自分の状況も全...

ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん【後編】_9

ああ…なんだかうるさい… ロヴィーノは目を閉じたままそう思った。 体がだるい。 突き出した様にしている両手には冷たい感触。 人の肌のような…誰かの腕…にしては太い気が…。 近くで知らない複数の人間の声…。 その時… ...

ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん【後編】_8

「ギルちゃんっ! 警察呼んでっ!! 」 「どうしたんだ?!」 ギルベルトはついたてに駆け寄って一瞬迷い、しかしすぐ意を決した様に中に入った。

ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん【後編】_7

「 アーサー君倒れてたんですって?!具合どうなのっ?! 」 途中アーサーの制服を取ってこちらへかけつけてくれたらしい。 エリザは制服を隣のベッドに置くと、ベッド脇で付き添っているアントーニョに声をかけた。

ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん【後編】_6

襲われたジュリエット 「お姫さんは?」 女子高生達に質問攻めにあっていたアントーニョがアーサーがいなくなった事に気付くまでそう長い時間はかからなかった。 ほんの 5 分といったところだろうか…。

ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん【後編】_5

結局女子高生達に押し切られる形で、アーサーは 「そだ、ちょっとだけドレス借りちゃいましょう!」 と言う女子高生達の言葉で、アントーニョと共に劇用の道具が一式管理されている演劇部の部室へ引っ張られて行く。

ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん【後編】_4

ロミオとジュリエット 「殿下、記念写真お願い出来ますかぁ♪」 一方エリザ達といるアーサー達 3 人。 大勢の後輩達に囲まれて廊下では通行の邪魔なのでとりあえず手近な華道部の展示室へ。

ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん【後編】_3

女子校の学園祭…それに男子高校生 2 人で行くのは日頃女の子に囲まれまくっているフランでもなかなか勇気がいる。 それでも平和な生活の為にとフランとギルベルトは女の園に足を踏み入れた。

ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん【後編】_2

学園祭と言うこともあって、普段は女子ばかりな女子校でも、今日は思ったより男子高生の姿も多い。 そんな中で所在なく立つ男子高校生一人。

ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん【後編】_1

流星祭 待ち合わせは10時正門前。9時に出れば十分間に合う訳だが7時起き。 服を引っ張りだして取替えひっかえしてはため息をつく。

ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん【前編】_11

「いい加減にせんと怒るで。フランにちょっかいかけるのは勝手やけどロヴィを巻き込まんといて!」

ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん【前編】_10

ヤンデレ台風進路変更 「ヴァルガス、なんかさ、校門の所で呼ばれてるぞ~。」 クラスメートが帰り支度をしていたロヴィーノの肩をポンと叩いた。

ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん【前編】_9

そして高層ビル街まで逃げて駆け込んだ男子トイレ。 ここまではさすがに追って来ないだろう。 一応個室に入って携帯の着信履歴からロヴィーノに電話をかけ直す。

ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん【前編】_8

しかし当然これで追撃が終わるわけはなく… なんと翌朝には改札にゲームの中のキャラによく似たアリスの姿。 もう…見なかったふりをしよう…。 フランシスは他人のふりで改札を駆け抜けるが、 「フラン様っ、アリス置いて行っちゃ嫌ですよ~」 と言う声と共に...

ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん【前編】_7

お兄さん、ヤンデレに恐怖する 「フランさま♪オハヨです♪」 翌朝…学校に行こうと駅の改札をくぐった瞬間、出来れば会いたくなかった、昨日不毛な会話を続けて諦めた相手がフランを出迎えた。

ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん【前編】_6

真犯人発見 『誤解だっ!マジ勘弁してくれ…ってかどうなってんだっ?!』 逃げた。とりあえず逃げた。 いや、戦略的撤退というやつか……。

ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん【前編】_5

「…で?なんで落ち込んどったん?」 アントーニョの愛情というのを身体で散々示されたアーサーが意識を飛ばしている間にホットチョコレートを入れてきたアントーニョは、ベッドの中でグッタリとしているアーサーを起こしてマグカップを渡す。

ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん【前編】_4

家に戻ってどうしようとか考えていたわけじゃない。 どちらかと言えばどうしようかと考えるために家に戻ったと言うのが正しい。 アーサーが重い足取りで自宅の門をくぐり、鍵を開けて家の中に入ると、何故かそこにはアントーニョ。