ロミオとジュリエット
「殿下、記念写真お願い出来ますかぁ♪」
一方エリザ達といるアーサー達3人。
大勢の後輩達に囲まれて廊下では通行の邪魔なのでとりあえず手近な華道部の展示室へ。
いつのまにか閣下と呼ばれているアントーニョと殿下と呼ばれるアーサー。
どうやらエリザと同じ趣味の女子高生達に囲まれて、二人でアイドル並みだ。
ギルベルトと分かれて戻ってきたロヴィーノはそれを少し遠目に手持ち無沙汰に眺めている。
「どうせなら閣下と殿下でロミジュリの衣装着て頂いて写真撮りたいなぁ。」
等と言う声もあがって焦るアーサー。
「ちょ…それは…っ」
「まあまあ、お祭りやし、ええやん?」
と、頼みの綱のアントーニョは、むしろそれに賛同する。
というか、ノリノリである。
こうなると唯一の救いとばかりにアーサーはロヴィーノに視線で助けを求めるが、やる気満々の肉食系女子高生の集団+アントーニョから救い出すのは不可能に近いし、それとは別にロヴィーノ自身も秘かにアーサーのジュリエットを見てみたかったりと下心もあって、
「わりっ、メール入ってるからちょっと抜けるなっ。」
と、シュタっと片手をあげて一時撤退することにする。
この選択が後に自分をとんでもない窮地に陥れる事になるとは、ロヴィーノもこの時は思っても見なかった。
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