フェイク!verぷえ
「…俺様…お前が消えた1700年代後半からずっと禁欲生活してんだけど?」 「ああ、お前、物ごころついた頃からずっとそうなんだろ?本来淡泊だったんじゃねえの?」 「…誰かさんに初めて捧げるまではな。 一度そういう事知っちまうとな、すげえムラムラすんだけど?」 「じゃ...
「どこか思い詰めたような表情が似てたんだよなぁ……」 どっこいしょと腕の中に閉じ込めたままのイギリスをプロイセンは軽々と横だきにして、ベッドに移動。 そのままイギリスを抱えて端に座る。
大切なことだから…決行は2日後。 翌日から1週間の休暇を控えた夜だ。 その日はイギリスの好物をたくさん作って、食後、いつものように風呂に入ったイギリスの髪を乾かしてやる。
「ちょ、待ってくれっ!! てことは…またイギリスは俺様の前から消えちまうつもりなのか?!」 もう何故?どうして?だらけだが、まずはそれ。 妖精さん達は嘘をつかないと以前イギリスが言っていた。 “言わない”ことはあっても“嘘を言う”ことはないのだ、と。
「妖精さん…なんだよな?」 思いがけず聞こえて来た声におそるおそるそう訊ねると、光がいくつか目の前をふわんふわん飛び回りながら、クスクスと可愛らしい笑い声をたてる。 (そうよ、ウサギさん) (ごきげんよう、ウサギさん) と、やたらとウサギさん呼びされ...
反応からするとプロイセンの側が認知できなかったとしても、妖精さんの側にはプロイセンの声は届いていて、おそらくその意味もある程度は理解されているらしい。 そんな認識の元、プロイセンはダメもとで話し始める。
(…今日もなんか変だったよな……) なんだか一緒に暮らして距離が近づけば近づくほど、思い詰めたような不安げな顔をされている気がする…… なのに聞いても特に何も言わないし、視線を合わせれば幸せそうに笑うのが、随分前に忽然と消えてしまった恋人と一緒で、それがプロイセンをひどく...
それからプロイセンが自分を探したのかどうかさえ、イギリスは知らなかった。 ふらりと始まった関係で、一気に距離が近くなったため、離れる時も意外にあっさりしているのかも…と思ってさえいた。
10 年間…と区切ったのは、人間であるという設定を考えると老いない身としては不自然さを感じさせない限度がそれくらいと思ったからだ。 そのくらいあれば人となりを見極められるだろうし、その後良しとなったなら、国としては無限に近い時間があるわけだし、いったん離れて折りを見つ...
そんな悲壮な顔をして切り出したせいだろうか… 誰かを救う修道会、誰かを守る騎士団出身のプロイセンは、そんな絶望を背負った様子での申し出を断れなかったらしい。
そしてイギリスは人間になる事に決めた。 10年だ。 10年の間人間として共に過ごして人柄を見極めれば良い。
その頃は色々に疲れ始めていたのだと思う。 簡単に言うと誰かに甘えたくなった。 ただただ優しくされたかった。
──アルト、アルト…… あ…まただ…、またさりげなく行く手を遮られたのに気づいて、イギリスは少し困惑した。
まあ…プロイセンにしてみれば、そんなことも実は想定の範囲内である。 だからどこかで落としどころは必要と、日本の言葉に応える形で話し始めた。
「で?誰が説明するんだ?」 不法侵入なので、客ではない。 警察を呼ばれないだけ感謝をしろとばかりに、リビングでソファに座るプロイセンの前の床に、 3 人揃って正座させられる。 そうしておいて自分は冷蔵庫から冷えたミネラルウォータのボトルを出して飲みながら、...
ソロ~っとドアを開けると広い寝室。 全員なぜか日本が持ち歩いていた暗闇でもばっちり見える赤外線付きの双眼鏡を持っている。 寝室の奥に見えるイギリスの広いベッドに目を向けた瞬間……!!
「ねえ、ホントやめよう?マジばれたらまずいよ?」 というフランスの訴えはアメリカの 「ミサイル…」 のつぶやき一つで却下された。
時計はそろそろ0時を回ろうとしている。 一応会議後に懇親会という形での食事会はあったものの、翌日も午後からとは言え会議が続くため、酒も控えめ、時間もほどほどに設定したのだが、それでも主催国と言う事もあり、全ての仕事を終えたイギリスを伴って帰宅の途についたのは夜の10時。
「毒気を抜かれるってこういう事言うのかね…」 と、フランスがやれやれと首を振りつつ 「ありえないんだぞっ!あんなのプロイセンじゃないっ!!」 と、アメリカがぽこぽこ怒りながら、 そして日本が 「こういうのを我が国では『ひとの恋路を邪魔する奴は馬に蹴...
「でも意外でした」 会議後の懇親会。 仕事を離れてからの各国の話題の中心はやはりいきなり結婚しましたハガキを送りつけたプロイセンとイギリスである。