どっこいしょと腕の中に閉じ込めたままのイギリスをプロイセンは軽々と横だきにして、ベッドに移動。
そのままイギリスを抱えて端に座る。
──もう二度と逃がしたくねえもん。
と、子どものように口を尖らせて言うプロイセンに、イギリスは
(も…もんとか、可愛いとか思ってねえからなっ!
そんな言葉成人男性が使うもんじゃねえっ!)
と、心の中で反論しつつ、それを口に出す事も出来ずにただ赤くなって俯いた。
そんなイギリスをこちらも心の中で、可愛いぜ~!と堪能しつつ、しかしそれを口に出せばおかんむりになるのも目に浮かぶようなので、心の中でのみにとどめて、プロイセンは続ける。
「なんとなく…重なって見える事があったのは一緒に暮らし始めてからずっとだけどな。
でもまあ普通思わねえじゃん?数百年前に消えた恋人と同一人物だなんて。
で、最初は俺様、この環境のせいだと思ってたんだ。
お前以外に恋人とか伴侶とか持った事なかったし?
でもお前自分で気づいてたかわかんねえけど、俺様がみてないと思っている時ってすげえ思い詰めた顔してっからさ…心配になってきちまったわけだ。
お前も突然俺様の前から消えちまうんじゃねえかって。
で、耐えきれなくなって…」
と、そこでプロイセンは体勢を少し変えて、トスンとイギリスをベッドに横たわらせて、覆いかぶさるようにその両肩の横に両手をついて見下ろした。
「ミルクと菓子を供える時に、一方的でもいいかって思って、言ったんだよ。
俺様はイギリスを幸せにしてえし、もしお前が何か悩んでたりするなら知りてえって。
なにか悩んだまま消えられたくねえってな…」
「…妖精さん達…か…?!」
「…ん。でも怒んなよ?俺様はお前が好きで幸せにしたくてお前を心配してた。
で、彼女達もお前に幸せになって欲しいと思っていたし、俺様がお前に害を与えねえってわかってくれたから、教えてくれたんだ」
──てわけで…もう、いいか?
と、プロイセンが顔を近づけると、
──良いかって…何が?
きょとんと見あげるイギリス。
色々ありすぎて、事情が飲み込めない。
そんな様子がありありとわかってしまって、プロイセンは鼻と鼻が触れるすれすれで一旦顔を止めた。
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