大切なことだから…決行は2日後。
翌日から1週間の休暇を控えた夜だ。
その日はイギリスの好物をたくさん作って、食後、いつものように風呂に入ったイギリスの髪を乾かしてやる。
全てはいつもの通りに…だが、少しだけ丁寧に…。
こうして一日の終わり、最後にふわぁ~と欠伸をしながらベッドに潜り込もうとしたイギリスの手を取って自分の腕の中に閉じ込めた。
「……ぷろい…せん?」
不思議そうに見あげるメロンキャンディのように澄んだまんまるのグリーンアイ。
プロイセンが顔を近づけると驚いたように見開かれた。
それでもさらに近づけると怯えたようにぎゅっと目をつよくつむってすくみあがる。
子どものようなその反応が可愛らしくて、プロイセンは小さく笑うとイギリスの広い額に小さく口づけた。
チュッというリップ音と共に感じるその柔らかい感触に、身を硬くしていたイギリスはおそるおそるといった風に瞼をひらいて、身体から力を抜く。
「…いったい…なんなんだよ?」
ほぅ…と息を吐きだして見あげてくる相手を怯えさせないように…なるべく緊張感やストレスを与えないようにと、プロイセンは微笑みを浮かべた。
「確かにな、互いに利害が一致したフェイクな関係って事で始まった生活なんだけどよ、それでも俺様は結婚したからには一生添い遂げるつもりでいるし、一生全身全霊でお前を守るつもりなんだけど?」
「…だから?」
「いい加減、俺様を信用しろよ」
こつんと額と額を軽くぶつけるて苦笑すると、イギリスの目が揺らいだ。
そして腕の中を抜けだそうとするが、プロイセンは飽くまで口調も態度も柔らかくしつつも、そこは許さない。
「何があっても俺だけは地球が滅びる最期の瞬間までお前の味方だ。
あの時だってな?確かに国としてはアメリカに協力はすることになったけど、個人は関係ねえだろ?
お前がイギリスだってわかってたって、俺はプライベートでは変わらずお前の事大事にしてたぜ?
あの戦争はお前が完全に消えるとか言う事はないくれえのもんだったけど、もしそれに負けたらお前が消えちまうくらいのレベルのモンだったら、それ回避できるようにフリッツの親父と交渉するくらいはしたと思うしな。
ましてや今はお前以外に守るもんなんてなんにもない身だ。
俺様ずいぶんとお前の事大事にしてっと思うんだけど…分かれよな」
抱え込む腕にしっかり力を入れて体の自由を奪って逃亡を許さない代わりに、言葉と表情は可能な限り優しく甘く…
もちろんイギリスだってここまで言えば、何を指しているのか分からないと言う事はない。
それでもまだ半信半疑、複雑な表情で、
「…いつから…気づいてた?」
と、戸惑いを隠せない様子で訊ねて来た。
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