まあ…プロイセンにしてみれば、そんなことも実は想定の範囲内である。
だからどこかで落としどころは必要と、日本の言葉に応える形で話し始めた。
実は2人とも堂々と主張できる立場になってるって事を忘れてたんだよな。
…ついこの前?前回の世界会議後にフラン達と話すちょっと前までは……
で、そう言えばもう隠す事ねえんじゃん?ってなって…どうせオープンにするならきちんと籍入れて一緒に住みてえなって事になって、今回の結婚なわけなんだけど……」
「確か…1758年の4月11日。
同盟締結した日に久々に会ってプロイセン君が一目惚れしたと言う話をされたとフランスさんから伺ってますが?」
と、そこでもうすっかりインタビューモードらしい。
懐から取り出したペンとメモを手に日本が身を乗り出した。
「正確には俺様の方はもうちっと前から気になってはいたんだけどな、実際目の前にしたらやっぱ良いなぁと思って…伝えるだけのつもりだったんだけど、いきなりOKもらってあれよあれよという感じでな」
と、そこからはすっかり惚気話。
「国策優先てわりには…一旦は敗退してんのに強硬したワーテルローの援軍も、誤爆しなければ坊ちゃんとことはやり合わない方針だった先の戦いも、今思えば私情がちらほら見え隠れするよね…」
と、呆れ顔のフランスに、
「いや、そこは一応国策としてそうなったんだぜ?
まあ…俺様の気持ちが国民に全く影響してねえかってと、そのあたりの国体と国民の気持ちのリンク具合については正確なところは分析しきれてはいねえわけだけど…」
と、普段は白黒はっきりつける性分なのに、そこは微妙に濁すプロイセン。
それだけでも特別感が感じられる。
「まあ…長い付き合いではあるけど、ようやく一緒に暮らせるようになったことだし?
おはようからおやすみまで、この天才の俺様がことりさんのように華麗に完璧にお世話してっからな。
アルトも1人でいた頃よりはよっぽど健康的な生活してるから安心して良いぜ」
と和やかに言いつつも
「ま、今回は俺様の腕の中にいる時だったから良かったけどな、アルト1人の時にこういう事が起きるとことだし?
ドアをセキュリティしっかりしたもんに変えるから、その費用は今回の示談金としてアメリカのところに請求書送りつけておくからよろしくな?」
と、にこやかに宣言して、まだ乗り物も動き出さない明け方に容赦なく3人揃って家から叩きだすところをみると、実は怒ってはいるらしい。
それでも相手が相手だけに下手をすると国際問題に発展しかねないので、さすがに3人揃って田舎道をとぼとぼと歩く事になった。
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