「で?誰が説明するんだ?」
不法侵入なので、客ではない。
警察を呼ばれないだけ感謝をしろとばかりに、リビングでソファに座るプロイセンの前の床に、3人揃って正座させられる。
そうしておいて自分は冷蔵庫から冷えたミネラルウォータのボトルを出して飲みながら、プロイセンはそう言って3人を見下ろした。
「私はイギリスさんに見つかって命乞いをする時に、私が一番効果があるだろうとフランスさんに言われて同行させられただけです」
と、日本が容赦なく主張をすると、プロイセンの冷やかな視線を向けられたフランスが焦って顔の前でぶんぶんと手を振った。
「お兄さんは脅されただけよっ?!
だってついてこないとアメリカがお兄さんの美しい美しいパリにミサイル落とすかもとか言うんだもんっ!!」
と、今度はフランスが主張して、視線は最後の1人アメリカに…
「俺のせいにするとか、君達ずるいんだぞっ!」
と、それに恐怖のあまり涙目になって主張するアメリカに、プロイセンは淡々と問う。
「…お前のせいにするのはずるいってことは…お前がここに来ようって言う前に誰かがここに来る事を勧めて来たのか?」
「…そ、そうじゃない…けど……」
「じゃ、ミサイルを落とすって言う発言はしてないということか?」
「それは…した……けど………」
「じゃ、ずるいもなにも、真実なんじゃねえのか?」
「…………」
と、そこで黙りこむアメリカ。
ホッと息を吐きだすフランスと日本。
プロイセンもはぁ~っと呆れたようにガシガシと頭を掻いて、考え込んだ。
「で?こんな時間にうちに来て何がしたかったんだ?」
と、結局そこだろと質問をすると、うぐっと言葉に詰まるアメリカの代わりに、フランスがパッと顔をあげた。
「いや、アメリカのやつね、お前達の関係が演技なんじゃないか、演技なんだとしたらそんな不正は許されないから別れさせなきゃなんて言いだして……」
「わあああーーーー!!!!」
フランスの言葉にアメリカが慌ててフランスを床に押しつぶし、潰されてフランスがわたわたと呻いている。
そんな2人を一旦放置でプロイセンが残った1人、日本に視線を向けると、日本は
「そうですね。そうおっしゃってここに同行するように誘われたのは事実です」
と、それを認めた上で、そこはさすがに空気を読む国ナンバーワンである。
フランスと同じ轍を踏まぬよう、しかしプロイセンに不信感も与えぬよう、
「一応、私は懇親会でのお二人の様子を見る限り、本当に仲睦まじくていらっしゃるのだなとは思いました。
が、それでもお二人がお付き合いをなさっていたと言う事を御結婚のハガキを頂くまでは存じ上げませんでしたので、驚いたのは事実です。
私はイギリスさんの親友でありプロイセン君とは師弟のような間柄ではあっても、飽くまで親しい他人ですが、アメリカさんはイギリスさんに育てられた育て子ですし、さらに驚かれたのでは?
それでもし何かの不都合があるなら、家族としてお助け出来ればと思われたのかもしれませんね」
と、アメリカに対するフォローもいれておく。
それに対してアメリカは日本に感謝の意を送りながら、ぶんぶんと涙目のまま首を縦に大きく振った。
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