kmt ペナルティらぶアナザーSBG
──久しいな、不死川っ! ドアを開けて中に促すと、錆兎はまずきっちんに荷物を置いたうえで、リビングの実弥にそう声をかけた。
──そろそろ着く。目の前のコインパーキング止めるから料理運ぶの手伝ってくれ。 上機嫌で飲み食いを始めている実弥をもう他人事のように眺めながらあらかじめ出しておいた割れても構わない食器をテーブルに出していると、スマホが振動して錆兎から連絡が入った。
──来週の金曜日にお前ん家集合な。それまでは二人とも静観してろ。 それは日曜の午後に錆兎から来たメッセージだ。 金曜の夜中に帰ったから、土曜の朝までには計画を練って午前中には動くだろうと思っていたら案の定である。
そこからの錆兎はちょっと変わっていた。 ──これ…確認して変えたいところがあれば言ってくれ。 と出されたのは表紙を含めて3枚ほどの計画表。 最初のページをめくってみると、これから半年ほどのスケジュールが見やすくまとめられている。 そう、まるで仕事のように。 あえて義勇が仕事で見て...
宇髄から錆兎が知りたがっていたので連絡先を教えていいかと聞かれて二つ返事でOKした時にはこんなことになるとは思ってもみなかった。 OKしてほんの10分後には初めて錆兎から連絡が来て、突然で申し訳ないのだが電話で話すようなことではない話がしたいので会えないかと言われて、自宅を教えた...
──俺だ。 とワンコールで出る親友に、ひゅっと緊張から息をのむ。 その宇髄の反応に錆兎は電話の向こうで淡々と 『今のお前は冷静じゃなさそうだから、適切な説明ができない気がする。 先に俺が話すから間違っている部分は指摘して、質問には端的に答えろ』 と言う。
それからの流れは最悪だった。 明らかにわざと負ける錆兎。 賢い上に勘も度胸も良い男なので、本当にあからさまにわざとなのだが、それに気づかず大喜びする実弥。
錆兎が居る時はいつも料理は錆兎に頼むことにしている。 宇髄も料理ができなくはないが、幼い頃から普通に食事を作っていて、現在、料理が趣味と言う錆兎に比べると手際も出来も敵わない。 無駄なプライドよりも食材の味を最大限引き出した旨い飯、旨いつまみが大切である。
義勇と一緒に飯を食うなり呑むなりの席を設けろ…というのがこれまでよくある依頼だったのだが、今回は違った。 今、電話で実弥が依頼してきたのは、誰か第三者を呼んで、ゲームをけしかけて、義勇に告白させろというものである。
胃が痛い。 会社に行きたくない…。 これまでは学校も仕事も…それだけじゃない、自分で行くと決めたものに関して、面倒だなと思うことはあっても行きたくないと悩んだことはない。
そこからは早かった。 翌日は金曜日ということもあり、宇髄が家に来いというので行くことに…。 そしてその時に宇髄が自身の親しい友人の鱗滝錆兎も呼んだというので、察した。
部屋に戻った実弥は即宇髄に電話をかけた。 そして一気に自分が思ったことを宇髄に話す。 誰か義勇を罰ゲームで告白をしてくれるイケメンを紹介してくれ! …と、貞子の少女漫画の話をしながらそういうと、返ってきたのは
きっかけは妹が読んでいた少女漫画だった。 主人公が憧れていたイケメンに手酷い態度をとられて心底傷ついた時、それまでは粗暴で嫌な奴と嫌っていた相手が思いがけず優しく接してきて慰めてくれて、そこから彼が実は不器用で素直になれないだけで実は良いやつとわかって二人は付き合い始めて色々な出...
なんとなく…なんとなく違和感はあった。 宇髄は人付き合いは良いやつなので、普通なら錆兎が気にするまでもなく、実弥を呼ぶなら義勇も呼んだだろう。
錆兎が宇髄から聞いた義勇のアパートに突入する前日の話である。 その日は金曜日で、錆兎と実弥が宇髄に招かれて宇髄のマンションに集まっていた。
──突然で押しかけてすまない。実は俺は冨岡の事が好きなんだ。 ある晴れた夏の日の朝、来客を告げるチャイムの音に玄関のドアを開けた義勇は、そう言われてパチクリと目を瞬かせた。 まず思ったのは “ありえない” だ。
kmt ペナルティらぶアナザーSBG 目次
1_告白_義勇視点 2_不思議な飲み会_錆兎視点 3_罰ゲーム_錆兎視点 4_発端_実弥視点 5_画策_実弥視点 6_罰ゲーム_実弥視点 7_いつものとは違う何か_宇髄視点 8_凍り付く心_宇髄視点 9_亀裂?_宇髄視点 10_ぎりぎりの信頼1_宇髄視点 11_ぎりぎりの信...
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──あ、あの人っ!やらかし先輩っ!! 新入社員が楽し気に指をさす先に居るのは不死川。 以前ならそんなことをする勇気は誰にもなかった。 が、最近は親しみを込めて『やらかし先輩』と呼ばれている、人間関係に悩んだら新人でも気軽に相談に行く相手ナンバーワンの人物となっていた。
実際、あれだけ揉めて怒ったように逃げて行った不死川は、いつもなら文句と言うか暴言を吐きにわざわざフロアを超えてくるところなのだが、来なかった。
目を覚ましたのは翌朝だった。 ──義勇、朝だぞ。 と、泊まっている間ずっとかけていないアラームの代わりに起きる時間を教えてくれる言葉。