迷探偵ギルベルトの事件簿後編11(完)

瞳は殺人事件の被疑者として拘束されて移送され、警察も現場検証組以外はほぼ引き上げ、高校生組は帰り支度をしている。 「あの…さ、アーサー、いつか、絶対いつか借り返すから、一つだけカークランド財閥に頼んで良いか?」 アントーニョと二人、アントーニョの部屋で荷物をまと...

迷探偵ギルベルトの事件簿後編10

「もういいわよ。」 瞳がポケットからハンカチを出してテーブルに放り出した。 「結局…世の中は運が良い人間、悪い人間に分かれていて…運が悪い人間はどこまでたっても不幸から抜け出せたりはしないのよね…」 瞳は自嘲気味につぶやいた。

迷探偵ギルベルトの事件簿後編9

シン…とする室内。 すくみあがる面々。 人の 1 人くらい殺しそうな空気をびしばし放ちながら、ギルベルトが 「 例の物っ!! 」 と手をだすのに、 「ああ、これね。」 と、いつのまにいたのか、財閥を引き継いだアーサーの直属の部下で側近の香が黒...

迷探偵ギルベルトの事件簿後編8

「まあ…生きていたにしても死んでいたにしてもや、目の前の人間が刺したなら…普通怖くないん? そいつが自分の後ろにまわると思ったら…。 現場を自分が見てなかったとしても…相手はそう思ってない可能性もあるやん? そいつにしたら唯一の目撃者や…。 一人殺すなら二人殺し...

迷探偵ギルベルトの事件簿後編7

説明を終えて自分をまっすぐ見据える瞳に、ギルベルトは考え込むように腕を組んだまま黙っていたが、そこで響く KY キングの言葉。 「可愛げないなぁ…」

迷探偵ギルベルトの事件簿後編6

「まず…最初に今回の旅行にジェニーがギルベルト君を誘った経緯から。 私の従兄弟の小川太一がジェニーに好意を持っていて、ジェニーの方もそうだと信じ込んでいたので、誤解をとく目的で自分には交際中の相手がいると言うことを証明するため、自分の交際相手を同行するという事だった。 ...

迷探偵ギルベルトの事件簿後編5

「ほな、親分もう飽きたし、ギルちゃんチェンジしたって~」 と、そこでいきなりあっさりそう言ってアーサーの隣に来て座るアントーニョ。 「…おい……」 と呆れた目を向けるロヴィーノに、 「まあここから先は普通に事情聞かねえとだからな」 と、ギルベルトは笑...

迷探偵ギルベルトの事件簿後編4

そして一階に降りていき、数人の警察が見張っている居間へ足を踏み入れるギルベルトとアントーニョ、そして証拠物件を入れた箱を手にお供のようにつき従うトーリス。 繰り返すが… どちらが警察なのかよくわからない。

迷探偵ギルベルトの事件簿後編3

こうして再度戻った現場…紗奈の部屋。 明かりが消えていて暗い。 鑑識を廊下に待たせて部屋の中に足を踏み入れる 3 人。

迷探偵ギルベルトの事件簿後編2

「ギルベルト君、どうなってるんだ?!」 ギルベルトがリビングへ入ると中田が不安げな声をあげて立ち上がり、ジェニーも駆け寄ってくる。    

迷探偵ギルベルトの事件簿後編1

「 救急車呼んでくれっ!! 」 バン!とリビングのドアを開けると、ロヴィーノは叫んだ。

迷探偵ギルベルトの事件簿前編9

こうしてサラダとクリームシチューとパンで夕食。 料理は好評だ。 しかし夕食自体は微妙な空気がただよっている。 一緒に食事を作っている最中のロヴィーノの言葉に勢いづいた紗奈が夕食中もずっとギルベルトに話しかけているためだ。 それを小川は自分は気持ちが移...

迷探偵ギルベルトの事件簿前編8

…きまずい……非常にきまずい……。 たぶん…瞳は気を利かせてギルベルトと紗奈を二人きりにするのを避けさせたのだろうが、ロヴィーノとしてはむしろ自分と二人きりにされるよりはそちらの方が良かったんじゃないかと思う。 紗奈と二人キッチンに in して渡されたエプロンを...

迷探偵ギルベルトの事件簿前編7

小川の家の別荘で小川の従姉妹の瞳が事前の準備とかをしていたので、滞在中は他が食事の支度をしようという事になって、 「じゃあ…!」 と目を輝かせて立ち上がるアーサーを、アントーニョとギルベルトが即両側から顔面蒼白で止める。

迷探偵ギルベルトの事件簿前編6

「ほんっま、しつこいし気持ち悪い男やね。でも親分が絶対に守ったるから安心し」 と、部屋に落ち着いたあと、こちらも不機嫌全開のアントーニョ。 一応 1 人1部屋を用意されているのだが、信用できないと自分もアーサーの部屋に泊まる事にして荷物を運びこんでいる。 確...

迷探偵ギルベルトの事件簿前編5

そして当日…ジェニーの塾仲間でよく勉強を教えてもらっているという女子高生で、小川太一の従姉妹の瞳と、同じ塾の仲間で小川に気があるという紗奈、そしてもう一人同じ塾の仲間の男子校生の中田と合流。 小川の家で用意したマイクロバスで別荘まで送ってもらう事になったのだが、ここでち...

迷探偵ギルベルトの事件簿前編4

「どうぞ?」 と、ロヴィーノは女性陣が通るまで黙って玄関のドアを開けて待っている。 「ロヴィありがとっ♪」 「ありがとう、紳士ね、ロヴィーノ君。」 と、ジェニーとその友人だという女子高生の瞳はにこやかにお礼を言って中に入って行くが、続くもう一人の友人、紗奈は...

迷探偵ギルベルトの事件簿前編3

痛いところを突かれて黙り込むフランシスに説得は済んだとばかりにジェニーは再びギルベルトの方へと向き直った。 「もうホントしつこくてさぁ…実物見せないと諦めてくれそうになくて、本当に貞操の危機なのよっ。お願いっ!」 うるるんっと目を潤ませて見せるジェニーに、ひたす...

迷探偵ギルベルトの事件簿前編2

『まあ…ジェニーの事やから、なんや裏ありそうやけどな…。俺ら巻き込まんといてな』 と、大事な大事な恋人様であるアーサーの肩をぎゅっと引き寄せながら言うアントーニョに 『もうっ!確かに俺たち色々巻き込まれすぎだけど、今回は単なるお詫びってことだから。 そういう事言...

迷探偵ギルベルトの事件簿前編1

「ギルベルト先生、お願いっ!」 フレーバーティとワッフルの美味しい店ゴールドリーフの店内は女性客で溢れている。 そんな中でひときわ目をひく壁際のソファ席を占領している一団。