オタクだよ全員集合04

(…え?…ええ?愛人でも…良い?!!) アオイの脳内でその言葉がクルクルと回っている…… 紫のクロッカスの花言葉を聞いた瞬間、発作的に廊下に飛び出したアオイは階段近くで追いついた与一に腕を取られた。

オタクだよ全員集合03

こうしてやや早足でアオイの部屋に向かったユート。 廊下の角を曲がった瞬間、アオイの部屋のドアが開いているのを目にしてさらに早足で駆け寄ろうとしたが、ふとその足が止まる。 その代わり見覚えのある影がアオイにうながされてアオイの部屋へと消えて行った。 その影に呆然と立ちすくむユート。

オタクだよ全員集合02

空気を読む事にかけては自信があるユートでも今回の事態は全くわからなかった。 “人ごみで見失ってしまったまま連絡のつかないフロウを探すのを手伝って欲しい” というのがコウの頼みだった。

オタクだよ全員集合01

「どう思う?アオイちゃん。」 真剣な表情で身を乗り出す美女…風早藤。 場所は例によって藤の好意で無償提供されている風早家所有の山の山頂に立つ大邸宅。 今回はアオイ達の友人…映(あきら)が主催するオタクの祭典が催されていた。

金森殿下の事件簿06_優れた凡人の過去と行く末

「結局…世の中は運が良い人間、悪い人間に分かれていて…運が悪い人間はどこまでたっても不幸から抜け出せたりはしないのよね…」 瞳は自嘲気味につぶやいた。

金森殿下の事件簿05_金森殿下が暴く真犯人

「お待たせした。最後は比較的優れた凡人だな。田原瞳嬢」 和馬の言葉に瞳は少し複雑な表情を浮かべて聞く。 「それは…馬鹿にされてます?」 (このイヤミ殿下にそんな事聞けるって、なんて勇気っ!!) 自分のことでもないのに焦る風子。

金森殿下の事件簿04_金森殿下の嫌味で華麗な推理

そして一階に降りていき、数人の警察が見張っているリビングへとにこやかに足を踏み入れる和馬と証拠物件を入れた箱を手にお供のようにつき従う風子。 繰り返すが…どちらが警察なのかよくわからない。

金森殿下の事件簿03_殺人事件発生

一人で丁寧に片付けていたら結構時間がかかってしまった。 30分くらいたっただろうか…。 ようやく最後の皿を食器棚に戻してリビングに戻ったアオイは、そこにいる面々を見回して一人足りない事に気づく。

金森殿下の事件簿02_彼氏代理T大生

「金森さん…アオイにはもったいないわよね…」 小川に気があったはずの紗奈でさえ、目がハートになっている。 (ノシつけて…というか…おまけに何かつけてもいいから持って行ってくれたら…) と秘かに思うものの、もちろん口には出せないアオイがいた。 そんなことを考えていることが和馬に知ら...

金森殿下の事件簿01_始まり

「佐々木、マック行くって言っただろ!何グズグズしてんだよっ!」 城上大の校門でアオイはうんざりするほど聞きなれた声で呼び止められて後ろを振り返った。 「あの…私今日は買い物あるから無理言ったはずなんですが…」 「買い物なんてマック行った帰りにすればいいだろっ。みんな行くのにお前だ...

金森殿下の事件簿_目次

金森殿下の事件簿01 大学生になったアオイは大学の友人と旅行に行くことに。 彼氏を同伴すると宣言したアオイだが、ユートが事故で骨折。 その事故の発端になった金森和馬が代わりに行くことに… 金森殿下の事件簿02 その気になればとても人当たりが良くできる和馬に一緒に行った友人の紗奈が...

卒業_オリジナルVerコウ_08

シン…と静まり返る室内。 思わぬ展開に高揚した気分も吹き飛んだ。 話の流れからして、風早老が言っている事の意味はコウには手に取る様にわかるような気がした。 と、同時に今回何故風早老がここまで自分に協力的だったかという理由もわかった。

卒業_オリジナルVerコウ_07

左肩から手にかけて濡れた感触。 一応…怪我の事は知っているのだが、フロウも実際にこれだけの血を見たら怯えるだろうと、寝室に向かってコウは声をかけた。

卒業_オリジナルVerコウ_06

やがてボーイが迎えに来て荷物を手に部屋まで先導する。 他の階とは若干違う色調の絨毯の敷かれた廊下に足を踏み入れ、それぞれが部屋へ。

卒業_オリジナルVerコウ_05

そんな事をしている間に気付けば1時半を回っている。 いい加減寝ないと明日も恐らく忙しい。 コウはしかたなくPCを閉じると、寝間着に着替えてベッドに横たわって明りを消した。

卒業_オリジナルVerコウ_04

飛び出した廊下に点々と残る血の跡で、コウの顔色も変わった。 急いでアオイ達の部屋のドアをノックすると、真っ青な顔のアオイがドアを開ける。 コウが部屋を一瞥すると血まみれのユートがまず目に入った。

卒業_オリジナルVerコウ_03

フロウが横にいると楽しいリゾートだったバルコニーでのティータイムも、一人になるとただ肌寒いだけに感じる。 コウは小さく息をついて部屋に戻った。 そして恐らく隣の部屋で和馬がそうしているであろうように、自分もPCに向かう。

卒業_オリジナルVerコウ_02

プールサイドのテーブルを囲んでジュースを飲んでいる藤とフロウはすぐに見つかった。 …目立つ…二人並んでると美麗すぎてほとんど犯罪だ。

卒業_オリジナルVerコウ_01

碓井頼光、18歳。家族は警視総監の父一人。 幼稚舎から一貫教育の名門男子高で文武両道を旨として育つ。