オタクだよ全員集合03

こうしてやや早足でアオイの部屋に向かったユート。
廊下の角を曲がった瞬間、アオイの部屋のドアが開いているのを目にしてさらに早足で駆け寄ろうとしたが、ふとその足が止まる。
その代わり見覚えのある影がアオイにうながされてアオイの部屋へと消えて行った。
その影に呆然と立ちすくむユート。

(…なんで与一?)

アオイは落ち込んでたんじゃなかったのか?という疑問と、彼氏の自分を追い返して別の男を部屋に招くってありか?という憤り。
もう色々が頭の中でまわる。
部屋に押しかけて問い詰めようかという考えが一瞬脳裏をよぎるが、さきほどから自分は冷静じゃないという自覚があるだけに、それもためらわれた。

一人で考え込んでいても変な方向に思考が向かって余計に煮詰まりそうだし、和馬は藤と一緒。
それをおして話を聞いてくれといえるほどの仲でもない。
かといって映達に混じって騒ぐ気分でもないし、なによりこんな時に女の子といたという事が知れれば余計にもめそうだ。
となると…ああ、邪魔だろうな…迷惑だろうな…と思いつつ思い浮かぶ人物は一人しかいない。


「あ~もしもし、俺。今姫と一緒…だよな?」
カップルで過ごしてるのを邪魔してまで愚痴なんだか相談なんだかよくわからない事に付き合ってもらうなんて普段の自分ではありえないのだが、アオイの様子がおかしいだけじゃなく、他の男の影まで見えてきたとなると、さすがにユートも色々一人で抱え込むのは限界だった。

『ん…でもまあ姫は別にアオイに預けてもいいし。
ちゃんと所在がはっきりしてれば構わないぞ?なんだ?』
「…ん~、アオイの所には今与一来てるから無理だと思うよ。」
自分で言ってズキリと胸が痛む。

ユートの含みのある言い方に、さすがにコウもただ事ではないと思ったのだろう。
『それ…あまり感心できた行動じゃないな。一応アオイに電話してみる』
「いや、それは…」
『大丈夫。単に姫預かってもらえないか聞くだけでお前の事とか余計な事は言わないから。いったん切るな。また電話する』
こうしていったん電話が切れた。

「持つべき物は親友…ってかっ…ははっ」
普段空気が読めないと有名なコウの気遣いにユートはなんだか泣きそうだった。

裏表がありすぎる姉妹や女の幼馴染達に囲まれて女性不信気味のユートがようやく出会った、裏表がなく信じられると思っていた相手がアオイだった。
それが…一度要求を断ったくらいでキレて、よりによって自分も知っている相手と浮気?
本気で笑えない。

廊下にしゃがみこんだまま握り締めていた携帯が再び鳴ったのはそれから数分後。

『あ~、俺。姫預けたからどうする?
込み入った話なら俺の部屋かお前の部屋か…もしくは…屋上行くか?屋上。
天気いいし気持ちいいぞ』

気を使ってくれているらしいコウの声。
確かに滅入る話だから密閉空間より屋外の方が気が紛れるかもしれない。

「屋上いいな、確かに。
メインはフロア内でやってるイベントだから他は人いなさそうだしね」
ユートは言って現地集合の約束をしてとりあえず携帯を切る。
そしてそのまま階段を上がって屋上へ。


思った通り誰もいない。
山の上だけあって若干寒いが天気も良いし風が気持ち良い。
手すりに肘をついて一面に広がる緑にぼ~っと目を奪われていると、ピタリと冷たい物が頬に触れた。

「あ~さんきゅ~」
ユートは礼を言うと、頬に触れているウーロン茶のペットボトルを受け取る。

「一応…魔法瓶に姫の差し入れの熱い紅茶もあるけど、とりあえずな」
コウはドサリと床に色々入っているらしき手提げを置きながらそう言うと手すりに持たれて自分もウーロン茶のペットボトルを手に取った。

「相変わらず…そういう点では細やかだな、姫」
いついかなる時も飲み物や食べ物の用意を忘れないフロウのらしさに、ユートは小さく笑みをこぼした。

『お腹がすいてるとね、余計に気が滅入っちゃうんですよぉ?』
というあの能天気な声が聞こえてきそうだ。


「で?姫はアオイのとこ?」
「いや、映。なんだか楽しそうだからって…」
ユートの質問にコウは少し困ったように口ごもる。
「アオイ…断ったんだ」
言外の意味する点をあえて口にしたユートに、コウはさらに困ったように眉を寄せた。


「これって…決定だよね…」
一瞬言葉に詰まって、次にうつむいて言うユートにコウは慌ててフォローを入れようと口を開く。
「いや、他意はなくて与一に何か聞きたいことがあったのかもしれないし。
姫は…邪魔をしないように大人しくしろって言っても出来ない女だから、込み入った話する時は同席させられないしな」

「そうじゃないと思うよ。俺も追い返されてるし…」
そう…自分は今手が放せないからと追い返されているのだ。
そして…時間ができたらすると言ったメールは未だ来ていない。
ユートはそのまま、テラスでの出来事からその後アオイの部屋を訪ねて門前払いされたこと、和馬に電話して藤に聞いたこと全てをコウに説明した。

「悪い…俺が原因だったか…」
そして全てを聞き終わって、当然のように謝罪するコウにユートは首を横に振った。
「いや、コウのせいじゃないって全然。
コウが何も頼んでなかったとしてもさ、俺だって個人の用事が全くないわけじゃない。
それがアオイの用事と重なる事がこの先全くないなんてことありえんでしょ。
そんなにきっぱり断ったわけでもないし、優先順位からしたらさ、どう考えても姫の身の安全の確保が優先でしょ?俺あの時の自分の行動は間違ってるとは思ってないよ?
てか、あれでキレる方がどうかしてる」
「ん~…でも和馬の言うとおり、アオイ的にすごく心が弱ってる時で、どうしても甘やかして欲しかったのかもしれないし…」
「いや、それならそれでさ、キレて逃走する以前に、自分を優先してくれって主張するべきっしょ?
強く断ったわけじゃなくて、先に頼まれた用事あるから、それ終わってからねって言ったくらいで、理由も言わずに逃走されたら、俺これからアオイの言う事なんでも無条件に聞かないといけなくなるよ?」
「そこ…主張できないのがアオイで…そういうとこも好きでつきあってたんじゃないのか?」
まあ…それはそうなのだが…

「うん…まあ…そこまでならね。実際さ、俺金森に電話して色々話聞いてから、とりあえずいったん俺から歩み寄っておくかなって思ってアオイの部屋に向かったわけだけど…あれだしね…。
もう…暴走までなら目をつむるけどさ…いきなり他の男に走っちゃう?」
ユートも話してるうちに何かこみ上げてくるものがあって、言葉に詰まる。

「ん~…何かユートに言いにくい相談事みたいなのがあったとか?」
アオイが浮気というのはさすがに信じられない、と、コウが言うと、ユートはため息をつきながらもきっぱりと
「ならコウに言うでしょ、いつもそうだし」
と、断言。

確かにいつもはそうだ。アオイはコウにはユート以上に遠慮がない。
ユートにいえない相談という事は考えられなくはないが、そこでいきなり友人…とはいっても、普段それほど接点のない与一にいきなり行く理由がわからない。

「…俺さ…もう駄目かも」
お互い言葉が一瞬途絶えた時、ユートはそう言って頭を抱えた。

「裏切られるの、マジ怖い…」

ユートの口からそんな言葉が出るなど想像もしていなかったコウは驚いたが、同時に形は違えど信頼していた相手に裏切られた経験はあるので、気持ちはわかる気がした。

「アオイは…そういうタイプじゃないし誤解だとは思うけど…」
そこでいったん考え込むように言葉を切り、キュっとキャップを回して蓋を開けると、コウはウーロン茶を一口口に含んで喉を湿らせる。

本気で信じられない…と、コウは思うものの、自分も過去本気で疑っても見なかった相手に思い切り裏切られた経験があるので、自分の人を見る目が正しいとも言い切れない。

「でも…どちらにしてもハッキリはさせた方が良いと思うぞ?」

そう、それが事実にしても誤解にしてもはっきりしないうちは対応もできないし、つらい気持ちを引きずる時間が長引くだけだ。
コウ自身の時は疑う間もなく事実を突きつけられる形になったわけだが、本気でショックで死にたい気分になった時、本人はそうと知らず救ってくれたのはユートだった。
空気を読む天才であるユートと空気を読めない事に関しては定評のある自分が同じように振舞えるとはコウ自身も到底思えないができるだけのことはしたいと思う。

「…怖いしつらいだろうけど…それをしないと先に進めない」
言ってコウは背を預けていた手すりから身を起こすと、反転してユートに並んでユートと同じく視線を延々と広がる緑の木々にむけた。

「そうなんだけどな…」
ユートは肩を落としてうつむくと、大きく息を吐き出す。

「俺さ…友達っつ~か…遊び仲間は多いんだけど、信頼できる相手ってめっちゃ少ない…。
その場だけ楽しければ良いって感じの裏表だらけの人間に囲まれてきたからさ。
まあ、自分もその一人だったんだけど。
だから無条件に信頼できる相手ってめっちゃ嬉しかったわけよ。
もう自分に出来る限りの事なんでもしてやりたいっつ~の?
でもアオイやコウに出会った当時って本気で自分凡人で出来る事なんてホントに少なかったからさ、コウが何でもできて姫に何でもしてやれるのとか見て、俺も少しでも何かできるようにってガラにもなくちょっち頑張って勉強してみたりしてさ。
やっぱさ、格好良くて何でもできるに越したことないじゃん?彼氏って。
特にアオイは日常的に何でもできるコウ見てるわけだしさ、少しでもとかさ……。
でも…アオイにとっては俺ってその程度のもんだったのかな~…。
凡人は頑張っても所詮凡人?
なんか…それをはっきり目の当たりにしたら、俺先に進むどころか立ち直れない気するんだけど?」
嗚咽をこらえてそこで言葉に詰まるユートの頭に、コウは
「…暑いから…」
と、パサっと自分のジャケットをかけてその顔を隠す。
空気を読まない、気の利かないといわれ続けてきたコウのその気遣いに、ユートは思わず笑みをもらした。

「…もしかして…超心配かけてたりするよな?ごめん、コウ」
「ん~別に。普段は逆だしな。たまには心配くらいかけろ。
いつもはお前に言われてる事だけどな…全部一人で抱え込むなよ?俺はお前の味方だからな。
今回万が一お前の考えている通りだとしてお前とアオイが決裂するとしたら…俺はお前との付き合いの方優先するし…」
「あはは、嬉しいけどさ…姫いるから無理じゃね?」
「ん~…なんていうかな…周りは思い切り誤解してると思うんだけど…姫が我侭言ってくるのは半分俺のためだから。
俺は必要とされていることでようやく相手を信じて安心できる人間で…それを実感させるために言っている部分もあるから、本当に俺が望まない主張はしない。
俺がユートとの付き合い優先したくて、そのためにしばらくアオイと距離置きたいと思ったら、逆に姫の方から距離置く事申し出てくれると思う。なんていうか…姫は前も言ったけどちゃんと空気は見えてて、あえて考慮にいれない行動取るだけだから。本当に必要な点は押さえてくれる」

……コウだ。
…空気読めるようになったと思ってもやっぱりコウだ……。
と、ユートは内心大きくため息をついた。

彼女の浮気>失恋コースをたどりそうな相手に思い切り彼女からの愛情と彼女への信頼を見せ付けてくれるあたりが、やっぱりKY、さすがKY…と、ユートは泣きそうになった。
いや、すでに泣いている…。
まあ…悪気は全くかけらもないであろう善意の第三者である親友にそれを口に出して伝えるのはさすがにユートもはばかられるわけではあるが…。

「あ、でもな…」
ユートの複雑な思いに気づいてか気づかないでか、コウは続けた。
「ユートがどうするかはユートが決めるべきだし俺は口を出すつもりはないが、いくつかのパターンをシミュレートしておいた方が良いと思うぞ。
アオイが浮気してたと過程して…どこまでがユートの許容範囲なのか、どこからなら許容範囲を超えているのか。別れたいのか、別れたくないのか。
いざ相手を目の前にすると感情的になって正常な判断て下せなくなると思うからな…」

まあ…確かにそうだ。
他人の感情面に疎くて空気が読めなくても、物理的、論理的な対処については非常に建設的にして的確なアドバイスをくれるのもやっぱりコウのコウたる所以ではある。
正直ユート自身はすでに混乱していてそこまで頭が回らなかったので、ありがたい。
確かに何の準備もなしにアオイと対峙したら、ロクな対応をできない気がする。

「…どうしよう……。」
ユートは途方にくれた。
色々がクルクル回って考えがまとまらず頭を抱えるユートに、コウは一言
「口に出していけ」
と言った。

「俺空気読めないし…ユートの考えを察することはできないけど、物理的な分析なら手伝えるから」
さらにそう続けるコウ。

(ああ…コウらしいな)
と、ユートは少し笑った。
その声音も言葉も柔らかさのかけらもないのだが、確かにそこに善意と好意を感じる。

「…別れたいわけじゃないんだけど…もし裏切られてるんだとしたらさ、一緒にいんのつらいし怖い」
自分でも本気でどうしていいかわからない。
浮気された男って普通どういう行動にでるものなのだろうか…。
悩むユート。

「…コウなら…どうする?」

参考までにと、頭からかぶったジャケットの隙間からチラリと隣の親友に視線を向けると、
「そんなの…わからんか?」
とコウは呆れた視線をユートに返してくる。

ああ…そうだった。
こいつの場合はほとんど宗教みたいなもんだったっけ…と、ユートは片手で軽く眉間を押さえた。

「悪かった…うん。軽々しく参考にできんわ、コウ達の関係は」
というユートの言葉にコウは付け足す。
「自慢じゃないが…姫のためなら殉死くらいできるぞ、俺」
「うん、そうだった、思い知ってたはずだったんだけどね…」
と、ユートは改めて自分が疲れている事を自覚した。

「まあでも…俺も殉死じゃないけど、体張るくらいのことは出来ると思ってたんだけどな……」
コウの言葉を受けてユートが言うと、コウは
「それは…過去形なのか?」
と突っ込みを入れてきた。
空気が読めないなりに国語力を駆使して状況を整理しているらしい。

「お前にとってアオイに決めた一番の理由が信用できるということで、その点が失われたと仮定してだな、他の利点が他のデメリットを超えるかどうかだな。
…まあ…恋愛って感情だから割り切れる事ばかりじゃないんだが…」

はぁ……まったくその通りで……。
なんでも天才的にできるエリートのコウが、可愛いけど物理的能力はどうなのよ?と思うフロウに絶対的に頭上がらないの見てるとユートはつくづくそう思う。
こいつが言うとマジ実感わくよな…と、納得。

俺は…どうなんだろう…。
と、そこでユートは考え込んだ。

(確かに最初は自分を陥れたり影でどうこうするような心配のない裏表のない部分に安心して惚れちゃったわけなんだけど…今ではあの人の良さそうな顔も好み。すぐ動揺して暴走するわりに鈍くさいというあの面倒な性格もめちゃ可愛い。
可愛いよな、アオイ…。
まじ可愛い。
感情的な意味での利点はいっぱい。
でも…あの可愛いアオイに浮気されてたのかと思うと、もう駄目。すごぃショック。
目の前にしたら自分、冷静な態度取れない気がする)

と、ユートの脳内をグルグルとアオイの顔が回る。

そんな今の心境をダラダラと言うと、コウは
「ま、普通そうだよな…」
と小さく息をつき、それから
「でもアオイの場合、下手な事言うと暴走するし、じゃあ落ち着くまで連絡取らないようにってするとそれはそれでややこしい事になるんだよな…」
と少し困った顔をした。

一瞬流れる静寂。
それを破ったのは携帯が振動するわずかな音だった。

「ちょっと悪いな」
と、ユートに断ってポケットから携帯を取り出すコウ。
どうやらメールみたいで画面を見てクスリと笑う。
いつもキツイ印象を与えるこの男のそんな柔らかい表情で相手はなんとなく見当がつく。
「姫?」
と聞くと、コウはうなづいて、当たり前に携帯の画面をユートに向ける。

…って…彼女から来たメール、許可もなく他人に見せていいのかよ…と思いつつ、好奇心に勝てずにユートが携帯を覗き込むと、そこにはなんだかよくわからない植物の写真…。
ユートが思うにフロウは電波なとこあるから、いきなりこういうメールを送ってくるんだなと納得してると、違ったらしい。
「姫も心配してるみたいだな」
と、当たり前に言うコウ。
「ごめん…意味わかんない…」
電波は伝染するのか?と思い、おそるおそる口を開いたユートに、コウは種明かしをする。

「最近な…姫の趣味でしばしばメールが花だったり和歌だったりするんだ。花の場合は花言葉な。
第三者には何がなんだかわからんメールになるわけだけど、色々煮詰まってる時とかな、送ってこられると調べたり解読したりで、俺はなんとなく気がまぎれるし結構楽しい。
これは“イヌタデ”。花言葉は“あなたのために役立ちたい”。
これは何度か送ったり送られたりしたから知ってる」

「あ~…姫らしいね」
ユートは今日久々に少し楽しい気分で笑みを浮かべた。

深刻な状態の中でもあくまで空気を読まず自分の楽しみを振りまいて深刻にならせない、それがフロウの良い所だ、と、普段は自分も楽天家なため気付かないのだが、今回はユートもなんとなくそう思う。

そして…ふと思いついた。
これ使えないだろうか。
アオイにこういうメールを送る。
意味がわからなければ花であるならまず詳しそうなフロウに聞きに行って、花言葉のメールであることはフロウが教えてくれるだろう。
ついでにそこでフロウとコウのメールのやりとりだと聞くだろうし、それを聞けば距離を取られてる感も感じず、送られてきたメールの意味を調べ、また、返すための花言葉を考えたりすることでアオイも時間を取られて、ユートが色々考えをまとめる時間を稼げるかもしれない。

「とりあえず…自分の考えまとめる時間稼ぐのにいいこと思いついた!」
ユートは言って、コウと別れ、自室に戻った。


「今の気持ちを表すものか…」
各部屋に設置してあるPCで花言葉のサイトを開き、ユートは考え込む。
当たり前だが花言葉などまったく知らないので、あ行から順々に見ていったユートは、とある花のページでふと手を止めた。

クロッカス…。
花言葉…あなたを待っています、愛をもう一度、私を裏切らないで

これだ!とユートは思った。
フリー素材サイトで紫のクロッカスの映像をみつけて、アオイのメールに添付する。

そして
『この意味をよく考えて返事ちょうだい』
と、一言を添えて転送ボタンを押した。

混乱している時にやりなれない事をやるものではない…と、ユートはこの時の行動も後に悔むことになるのだが……この時は当然そんなことはわからない。
これで一安心、とばかりに、ユートは小さく息を吐き出して携帯を閉じた。




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