kmt ペナルティらぶSBG
──じゃ、とりあえず乾杯っ! と、なぜか部外者に仕切られて、それでも実弥は仕方なくビールのジョッキを抱えて飲み干した。
そんな会話がなされている一方で、その日の不死川… 宇髄の協力を得て、先週の金曜の夜に義勇から自分に告白させるか自分が義勇に告白するかを罰ゲームにした、『嘘から出たまこと作戦』を決行した。
──…ということで経緯の説明は終わったわけだが… と言ったあと、いきなり冷ややかになる錆兎の視線に、宇髄は自分がとんでもないヘマをしたことに気づいた。
(…あ~あ、だから言ったのに…) 昼休み、宇髄がやや暑いため人が少ないテラス席で待っていると、錆兎が来た。 …義勇を連れて。 いや、それは問題ではない。 一緒に飯を食うという話になった時、義勇が総務に借りだされていると告げると、錆兎がじゃあ同じフロアだから自分が迎えに行くと請け負...
頼みの綱の杏寿郎からも状況を聞き出せず、宇髄は途方にくれた。 こうして可能性は限りなく低いはず…とは思うものの落ち着かないでいると、なんと夕方頃に錆兎の方からLineが入った。
──ああ…やられたかぁ…… 金曜の夜に義勇を見失ったあと、放っておいても大丈夫だから飲みを続けようと高を括って主張する不死川に、ここで何かあっても自己責任だからな?とさんざん念押しをしながらも、宇髄はこっそり心当たりにLineで義勇の行方について尋ねまくった。
正直…自分でもずるいなという気はする。 でも日本では古来から棚からぼた餅という言葉もあることだし、まあいいか、と開き直ることにした。
錆兎の自宅は広いし会社からも近いので、しばしば皆のたまり場になっていた。 だから誰がいつ来ても大丈夫なように普段からつまみやら料理やらはレンチンしてすぐ出せるように冷凍してある。 そんな周りと自らの習慣に今日ほど感謝した日はない。
週の終わり…金曜日の終業時刻後。 その日は大手の案件の結果が出るのが終業時刻ぎりぎりで、そこからGO!が出たら大まかな確認だけしてすっきり週末を迎えようということで、終業時刻を超えての部内打ち合わせとあいなった。
あまりに自然すぎる誘導に、義勇は何がどうなっているのかわからない。 だが気づけば義勇のカバンは錆兎が持っていて、義勇には彼についていくという選択肢しかなかった。
やっぱり帰るべきだった。 その場に不死川の姿をみかけた時点で帰るべきだった。 宇髄と不死川と飲んでいた居酒屋を飛び出した義勇は、つい数時間前にあとにした会社の正面出口横に立ち尽くしていた。
──宇随、頼むっ!!ほんっとに今度こそバカやらねえからっ!! 小学生時代からの幼馴染二人。 どちらも宇随にとっては大切で、どちらも幸せになってほしいとは思っていた。 だからそのうちの一人、不死川に土下座されて、それだけの覚悟があるならと協力したのだが…これは……
1_プロローグ 2_告白 3_流されたのは…? 4_幸運の女神の前髪 5_怒りと決意 6_棚からぼた餅 7_宇髄のため息 8_すれ違いとアポイント 9_だから言ったのに… 10_チクチク苦言 11_週明け
kmt 人生やり直しバトル
──…というわけでな、 と錆兎は読めない笑顔を浮かべた。
話を聞く限り、確かにキラキラしいし、実際、幸せな人生だったのだろう。 異性である女性隊員達が、そんなかっこいい異性の華々しい人生を聞けば楽しいのだろうと思った。 しかしそこでふと思う。 「なあ…」 「ん?」 「やっぱりわかんねえんだけど…」 「何がだ??」 「お前らが幸せな恋人同...
「そもそもが…最初の人生の時に鬼になった元月彦…無惨に遭遇したことがあるんだが、俺が斬り損ねた無惨を射抜いたのは義勇の方だったしな」 錆兎は強いんだっ! と義勇が誇らしげに自慢するのはよく聞いていたが、逆は初めて見る気がする。
義勇…と、そう言葉に乗せる時の錆兎の声はなんというかとても優しく甘やかになる。 ああ、この淡々とどちらかと言うと本質が武に偏った男がこんな声で呼ぶのだから、それはそれは特別なのだろう。
──今から900年ほど前のことだ… と言う言葉で錆兎の話は始まった。
水柱屋敷で真菰に原稿を渡しながら錆兎に面会を申し込むと、真菰に ──え~。錆兎疲れてるから、何かあるならあたしが聞くけど? と言われてしまう。
──さすがお館様!あの不死川の暴挙にはそんな深謀遠慮があったとはっ! ──無惨もあっさりひっかかりましたねっ