諦めが悪い2人の人生やり直しバトル_45_物語には物語でっ!

物語には物語で対抗をっ!!
と、短気だった弟弟子は短気は損気という事を学んだ結果、そういう方向で行動することにしたらしい。

まあ無理だろうな。
相手はおとぎ話の主人公の子孫で、本人も現代のおとぎ話の勇者のような人だし…とは思うものの、頼まれて了承してしまったからには仕方がない。
文字にするだけはするか…と、実弥の口にする物語を聞いてみるが、あまりにバカバカしい己の美化とご都合主義な話にため息しか出ない。

まあ…他に認めさせるまでを頼まれているわけではないのだが、これを文字に起こして誰かに見せたなら、あまりの稚拙さに馬鹿にされることは間違いないと思う。

馬鹿にされるまでは仕方ないが、そうなると逆上するのが実弥である。
たとえ今、風柱となった自分がその身を預かっていることで特別に除隊を免れている状態だとしても、カッとなったらそんなことは忘れて手が出てしまうのが実弥なのだ。

はあ~とため息をつくと
「どうした?疲れたかァ?
でもこれを周りに流しゃあ周りも俺達のことを応援してくれるだろォ」
と、それを疑いもしない実弥を思いとどまらせてやれるのは自分だけだ、と、匡近は腹をくくった。

「あのな…実弥、お前のこれ…たぶん最後まで読んでもらえないと思う…」

どう言っていいのかわからないが、とりあえずつまらないと言って怒らせて殴られるのが自分なら良い。
他を殴られたら終わる。

そう思って自信満々なところを可哀そうだと思いつつ言うと、実弥は案の定、
「なんでだァ?!強い俺が義勇を守って最終的に無惨を倒すっつ~爽快な話じゃねえかァ!」
と声を荒げた。

「あのな、お前を主人公としたいなら、これじゃダメだ。
お前は錆兎さんのようにすごく顔が良いとか強いとか優しいとかでモテる人間じゃないし、この話のようにおとぎ話の勇者みたいに強くて格好が良くて誰もが憧れているとかいうわけじゃないだろう?
義勇君にも初めから好かれているわけじゃないんだから、いきなり彼の方がお前を好きでなんて不自然すぎだ。
まず馴れ初めというか、義勇君がお前のどういうところが好きになったのかとか、きっかけとかがなくて、突拍子がなさすぎる」

「そ、そこまで言わねえでも良いだろうがァ…」

「ただ自分がそうなりたいという夢を文字にして一人で読んでいる分には良いが、お前はそれを他人に読んでもらって、自分が義勇君に相応しい人間だと認めて欲しいんだろう?
それならあまりにお前とかけ離れた人間として書いても仕方がない」

「た、確かにそうだけどよォ…」

「ただお前が無双して無惨を倒して義勇君に惚れられてめでたしめでたしなんて、お前以外の人間が読んでも全く面白くないと思う。
どうしてもそういう流れにしたいなら、もっとわくわくするような描写を入れるとかなんとかしないと…」

「…面白く…ねえ…か?」

癇癪を起すより目に見えてしょんぼりしてみせられると匡近も胸が痛んで困ってしまう。
そして…実弥に諦めるよう説得するはずだったのに、いつのまにかなんとかできないかと考え始めて…そして思った。
実弥にそういう他人の感情を察したり想像したりするのは無理だし、自分がなんとかしてやれないだろうか…と。

そうして匡近が思いついたのは、まず皆が面白いと思って読んでいるモノを読んでみて、参考にしたらどうだろうかということだ。

それなら行くべきところは一つだろう。

「とりあえず俺も研究してみるから。
お前はいったん話を考えるよりもまず、字を書けるように練習しろ」

そう言って実弥には手習いの本を用意して字の練習をするように言いおいて、匡近が向かったのは水柱屋敷。

そう、鬼殺隊女子瓦版組合と命名された真菰とその周りの女子達が中心になって錆兎と義勇の物語を量産する活動を行っている場所だった。







2 件のコメント :

  1. あけましておめでとうございました(;^_^A誤変換報告?です「なりそめ」→馴れ初め でしょうか?さねみんが、もうただの小学生男子( ;∀;)あはれなり匡近…

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    1. ご報告ありがとうございます。修正いたしました😀
      そそ、この話のさねみんって小学生男子なイメージです😁

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