kmt ずっと一緒
──もちろん断ったよね?! と詰め寄ってきたのは義勇ではなく百舞子の方だ。 もちろん、百舞子がそういう意味で錆兎に気があるわけではない。 ただ推しを任せるのに選んだ相手に勝手にその役を降りられても困るだけである。 ということで、そこに当事者の恥じらいや戸惑いが無い分、非常に前のめ...
──義勇君、キャンディどう? 一方で待たされ組の3人が陣取る教室の片隅。 しょぼんと肩を落とす義勇に当然のごとく気づいた百舞子が差し出す、普段なら義勇が大好きなお菓子にも、義勇は悲し気に首を横に振ってため息を零す。
本当は突然クラスLineのため交換したLineに個人的に学校外で会いたいと連絡が来たのだが、学校外は無理と断った。 異性と二人きりと言うのは色々怖いし、何かあった時の場合に…と、指定した図書室の片隅。
こうして錆兎と義勇の…というか、それにしがみつく百舞子と引きずられる村田の4人の進路はほぼ決定した。
ずっと一緒
錆兎と義勇が通っている産屋敷学園は産屋敷大学の付属校である。 とはいっても全員が希望の学部に上がれるわけではない。 学部によって取ってくれる人数は決まっている。
kmt ずっと一緒 ファンタスティックタイム
暇な時はお互いのことを考えている二人に、この質問はないだろう… …と思ったのは村田だけだったらしい。 続いてきた質問は…──お互いの好きなところは?
その日のお悩み相談は錆兎がそうして真面目に…しかしバッサリと、他人の好みをとやかく言う奴がおかしいと斬り捨てたところで、質問コーナーに進んでいく。 ──質問です。 と、例によってここだけはナレーターの声で紡がれるセリフ。 ──好きな人に好きって言えますか? 「「言えるっ!」」 と...
この日のお悩み相談コーナーは少しばかり変わったお悩みだった。
最初はお悩み相談と違って質問コーナーは質問されたことを端的に答えていた二人だったが、ある回から錆兎は好きな理由とか、その質問の答えに関して言葉を色々添えるようになっていった。 そんな日々が少し続いたある日の番組へのメッセージ。
今日は質問コーナーにも質問を送ったというリスナーからメッセージが来ていた。 …モブ子について……
まだまだ続く質問コーナー ──一目惚れをしたことはありますか?あるなら相手はどんな人? そんなことをアイドルに聞いていいのか?と思うが、この普通なら答えにくい質問にもきっぱりと答える義勇。
ご相談のコーナーを満喫したあとに流れる ──質問です のナレーションの声。 これはユニット水柱のどちらの声でもないナレーターの声で淡々と質問が流されて行く。
【水柱のファンタスティックタイム】 …それは今人気の幼馴染ユニット水柱の二人に対するリスナーの質問や2人に伝えたい事お悩みなどのコーナーで構成されるラジオ番組である。
花の…というにはあまりに平凡で華がない…しかしそんな自分の生き方に誰よりも満足している女子高生、凡人(なみびと)百舞子(もぶこ)には好きな相手がいる。
kmt ずっと一緒 ファンタスティックタイム 目次
1女子高生モブ子の幸せな日々 2_ご相談コーナー 学生時代の友人男女で旅行に行くのを嫌がる彼女をどう説得すればいいか? 3_質問コーナー 好きな動物は?好きな科目は? 4_質問コーナー 一目惚れをしたことはありますか?あるなら相手はどんな人? もう一人の自分が現れたら仲良くなれ...
kmt ずっと一緒 目次
01_赤ん坊編 02_幼児時代編 03_幼稚園時代編 04_中学生時代編 05_高校生時代編 06_高校生時代編2 01_進路について 02_放課後の呼び出し 03_放課後の呼び出し2 04_義勇の不安 05_ずっと一緒計画 番外_ファンタスティックタイム
「今日のゲストは幼馴染ユニット、水柱のお二人です」 幼い頃に赤ちゃんモデルになったのをきっかけに、中学まではそのままモデルを続けていた錆兎と義勇は高校でモデル以外の芸能活動もすることになって、今日は初めてトーク番組に出演している。
「モブ子~、お前、新幹線やバスの席どうする? お前が義勇の隣に座るなら俺ほか探すけど」 3人揃って中学3年でも同じクラス。 そろそろ修学旅行の班決めやバスの席を決める時期になった。 例年全て自由なので、先に錆兎君が打診してくる。
一緒っこ ──やぁだぁ~!いっしょがいい~!! やあぁぁ~と叫びながら開け放たれたままの隣家との境界のドアを抜けて半泣きの義勇が飛び込んでくる。
小さな恋の物語 「ちょ、錆兎っ!!何してんのっ!!!」 ついこの前生まれたと思っていた長男はすくすくと成長し、あっという間に2歳になっていた。 2月生まれなので3歳の誕生日が来た2か月後にはなんと幼稚園児である。