ファントム殺人事件 終幕_6(完)

時を超えたファントムの想い 「ファントム…いや、黒河先生な…アーサー自身に執着したわけじゃねえみたいだぞ?」 とんだ事件があって伝統のミスコンは中止になったものの、無事海陽祭が終わった生徒会室。 忙しかった分半分放心状態の生徒会役員の面々だったが、ロヴィーノの一言で、...

ファントム殺人事件 終幕_5

「これがそれぞれ受けとったカードおよび脅迫状です。」 ギルベルトはそれを指し示して言った。 「まず3通の脅迫状から。 まずサッカー部の候補者のモノ。 おそらく本人と…あとは松永さんの指紋がついています」

ファントム殺人事件 終幕_4

「まず…一つ事実を確認しておきます。 黒河先生は”ファントム”でした。 彼にとってのクリスティーヌは“生徒会のミスコン候補者”という立場の人間ではなく、アーサーという個人です。

ファントム殺人事件 終幕_3

名探偵、闇に紛れし真実を照らす 部屋につくなりギルベルトはそれぞれ問題の日と同じ位置につくように指示をすると、会長のデスクを開けて参加者名簿を取り出すと、それをデスクの上に置いた。 それからギルベルトは黒河の遺書をPCに一旦落とすと、そのまま人数分印刷した。

ファントム殺人事件 終幕_2

名探偵は事件の顛末を模索しファントムは悲しき生涯を終える 「まるで現実感のない、夢みてえな話だな」 こうして必要な情報を得て部屋を出たギルベルトはサディクに状況を説明した。 それに対してサディクは半信半疑といったように首をひねる。

ファントム殺人事件 終幕_1

悲運の俳優は傷心のクリスティーヌのために自らを律す 『…ファントム……俺も殺すのか?』 電話の向こうでその言葉を呟いた時のアーサーにはなんの迷いも悲しみも…恐怖さえ感じなかった。 むしろ安堵を感じているようなその響き…。 死んでも良い…誰よりも大事なはずのアーサーに...

ファントム殺人事件 第二幕_5

ファントムは闇の世界へとヒロインを誘う 「悪い…今日はもう帰っちゃだめか?」 ギルベルトに呼び出されたアントーニョとロヴィーノが出ていったあと、普段はワーカーホリックなアーサーがそう言うのに、ローデリヒは目を丸くした。

ファントム殺人事件 第二幕_4

名探偵は主役を争う俳優達に一言モノ申す 「お前ら…いい加減にしねえと俺が掻っ攫うぞ?」 夕方…まだまだ残って作業中の生徒は多いのでアーサーとローデリヒ、それにフランをその対応にと残して、ギルベルトは半ば強引にアントーニョとロヴィーノを屋上に呼び出した。

ファントム殺人事件 第二幕_3

男達はヒロインを争って牽制しあう 「ロヴィ、料理の腕あげたなぁ。」 「おいっ、アントーニョ、食うなっ!アーサーの分…」 「ええやん。あーちゃんは親分作ったの食べ。あーちゃんの好きなモンいっぱいやで」

ファントム殺人事件 第二幕_2

クリスティーヌは疑念に悩みため息をつく 翌日…やはり生徒会は忙しい。 カードの事で寝不足だがノンビリもしてられず、ギルベルトも忙しく立ち働いている。

ファントム殺人事件 第二幕_1

名探偵は幽霊の軌跡にため息をつく 「ギルベルト、結果が出たぞ。」 クタクタに疲れて帰宅したギルベルトを出迎えた父フリッツがギルベルトにファイルを渡した。

ファントム殺人事件 第一幕_7

ファントムの呪いは女優達を襲う 翌日…朝起きるとカークランド邸にはやっぱり花束が届いていた。 「またなん?」 ポストから花束を抱えて戻ってきたアーサーに少し不機嫌な声を出すアントーニョだったが、アーサーは黙って花束に添えられていたカードを差し出した。

ファントム殺人事件 第一幕_6

舞台の袖で役者達はそれと知らず真実を配る そんな風に朝から少しばかりのトラブルがあったが、アントーニョはカード確保に成功すると、それをカバンに忍ばせつつ、アーサーと共に学校へと向かった。

ファントム殺人事件 第一幕_5

ファントムの恋文 「日曜やっていうのにデートもできひんなんて…」 ブチブチ愚痴りながらも、学園祭の準備で登校をするアーサーのために朝食を作るアントーニョ。

ファントム殺人事件 第一幕_4

往年の名優達は舞台のそでで出番を待つ 「あなた方はなんでこんな所にいるんです、お馬鹿さんっ」 学園祭の準備期間ということで授業はなく、各部部員達が皆、学祭準備に追われている中、何故か生徒会室で寛いでいる部外者二人。

ファントム殺人事件 第一幕_3

ヒロインは台本を前にため息をつく 「はあ?生徒会はクラブ活動じゃないだろ?」 都内屈指の名門進学校、海陽学園。 東大進学率日本一を誇るその高校の秋は当然受験一色になる。 ゆえに…他校ではその季節に行われる学園祭と言う行事はこの学校では初夏、5月後半に行われる事になっ...