のっと・フェイク!verぷえ
それでなくてもフリッツは誰にでも愛想が良くニコニコしていて、構われるのが大好きだ。 抱っこ大好きっこで、ベビーベッドに戻されると大暴れする。
双子が生まれてから、静かだったイギリス邸は子ども達に会いに来る国々で随分とにぎやかになっていた。 まずは母親であるイギリスの実兄のスコットランド。 身内だからかその無条件の愛情を感じるのか、どちらかはわからないが、人見知りで両親と赤ん坊の頃から世話をしに日参してい...
お子様騒動 「君んとこの子どもはなんだいっ?! 客を足蹴にするように躾けているのかいっ?!!」
対面 二人が部屋から出て行くと、プロイセンは再びベビーベッドに目を向けた 。 そこでは双子の赤ん坊の片割れが、あうあう元気に声をあげながらじ~っとプロイセンに目を向けている。
来訪者 それから少しして、内線がなって来客を告げる。 誰にもここを告げてないのに?とプロイセンは一瞬首を傾げるが、来訪者の名前を告げられて思い出した。 あ~、そういえば泣きながら電話で話したのだった。
天使誕生 え?そういえば今、看護士はなんと言った?双子?!! イギリスが無事だったとわかってようやく思考が子どものほうへと向いたプロイセンは、改めて看護士に言われた言葉を脳内で反復した。
どうやら無事生まれたらしい…と、わかると共にどっと汗が噴出した。 震えが止まらない手にはじっとり汗をかいている。 しかし何故か、その手の汗が乾いてしまうほどの時間がたっても手術室のドアは開かれない。
焦燥 イギリスが手術室に運ばれていったのは丁度昼の 12 時だった。 手術室のドアまで付き添って、そこで運ばれていくのを見送って、パタンとドアが閉められた瞬間、プロイセンの胸中を不安が占める。
前夜 「いよいよだな……」 イギリスが大きなお腹を抱えて入院したのは帝王切開をすると決っている日の前日だ。 国であるとか男であるとか色々極秘なので、国が用意した特別な施設で、関係者以外立ち入り禁止ということもあり、静かなものである。 各国で色々騒動...
その頃の北米兄弟 「アメリカ、もういい加減に諦めなよ。」 カナダの自宅に来てもう 3 日目。 大雑把でたくましいようでいて、実はメンタル面では意外に打たれ弱い兄弟が半泣きで愚痴をこぼすのにいい加減うんざりしたカナダは、それでも追い出すことはせず、半分スルー...
「まあ、スコットランドは女希望らしいけどな、爺は女なら不思議の国のアリス、男ならハリーポッターのコスプレさせたいらしいぜ? ルッツがピンク送ってくるのは、単に最初にこの部屋見た時にピンクが目立ったから合わせた方が良いのかと思っただけで、あいつは自分が末っ子みたいなもんだから、...
──…死にたい…… 可愛らしいベビーグッズに囲まれた未来の子供部屋… クマのぬいぐるみの大軍は、イギリスの兄弟達とドイツからだ。 本当にクマで軍隊でも作るかと言いたくなるようなクマ軍団の中で、ひときわ大きなクマを抱えて、プロイセンの大切なイギリスが泣いている。 ...
「メアリー…ヴィクトリア…いや、マーガレットもいいな」 立派な眉毛を寄せて子どもの名前に真剣に頭を悩ませているのは子どもの父親ではない。 不仲だったはずの子どもの母親の兄、スコットランドだ。 子どもの父親であるプロイセンから子どもが出来た報告を受けて、い...
色々が限界を超えて、もう死ぬから良いんだ!と、そんな国体としては不可能な事を思うくらいにはパニックになって、イギリスはぶっちゃけた。 「なんか最近体調おかしくてっ…、 でも妖精さん達は普通に楽しそうだから、体調不良でも気にされないくらい嫌われる事したのかと思って聞いた...
「え……」 「え?じゃねえよ」 むくりと起きあがる男。 もちろん目はしっかりと開いている。
拒絶されて捨てられるくらいなら、こっそり離れよう… 泣くだけ泣いたあとにイギリスの出した結論は、結局そういう方向のものだった。
時間はどのくらいあるのかはわからない。 睡眠薬がどの程度国体に聞くのか…そんなデータは取った事がない。 だから、なるべく最速で。
イギリスでの世界会議でのこと…。 それはある種、不思議な光景だった。 いつものように早めに会議場入りした日本が目にしたものは、なにやら資料を手に真剣な様子で打ち合わせをしているスコットランドとプロイセンの図。 どうやら今日の議事進行と席順についての最終確認...