え？そういえば今、看護士はなんと言った？双子？！！
イギリスが無事だったとわかってようやく思考が子どものほうへと向いたプロイセンは、改めて看護士に言われた言葉を脳内で反復した。
と、当たり前のことを聞くプロイセンに看護士は苦笑してうなづくと、布の塊を抱いた看護士二人に合図をする。
「う…わあぁああああああ！！！まじか！！！」
真っ白な産着に身を包んだ小さな赤ん坊。
それぞれ金と銀の小さな頭が並んでいる。
赤ん坊たちは面白い事に色合いと顔立ちが全く真逆だ。
1人は落ちついた金色の髪に緑の瞳…だが、顔立ちはプロイセンにそっくりで、もう一人は逆に銀色に真紅の瞳はプロイセン譲りだが、顔立ちはイギリスにそっくりだ。
金髪の方が男の子、銀髪の方が女の子だとのことである。
紛れもなくどこをどうわっても自分とイギリスの血を引いた赤ん坊。
それは無条件に感動的だった。
「すっげえな！！さすが俺様とアルトの子っ！！
世界一可愛え赤ん坊じゃね？！そう思わねえか？！」
さきほどとは別の意味でポロポロと涙を流して同意を求めるプロイセンに、看護士は笑みを浮かべながらうなづいてみせる。
親なら誰しもわが子をみてそう思うものではあるが、確かに親の欲目を抜いても、2人とも目を見張るほど可愛らしい赤ん坊達ではあった。
恐る恐るだかせてもらったその体は思ったより小さく、ふわふわと頼りない。
その頼りなさがまた可愛らしくて、プロイセンはソっとその柔らかい頬に頬をすり寄せた。
そのまま頼んで病室まで抱っこしたまま向かい、二つ並んだベビーベッドにだいていたほうを降ろすと、もう一人のほうをだき上げる。
双子と言っても二卵性なので容姿は全く違うが、同じ柔らかさと温かさ。
そのぬくもり自体が本当に奇跡のようだった。
腕に抱いた女の方の赤ん坊をイギリスの眠るベッドにそっと降ろしてみる。
（色合いは違うけど…顔はそっくりだな…）
漏れる笑み。
愛する伴侶とその間に生まれる子ども…人間ならまず夢見るであろう光景。
国として産まれついたがゆえに絶対に手に入らないと想像もしていなかった幸せ…それが今まさに目の前にある…。
ほんとうに神からの奇跡の贈り物…天上の幸せを運んできた天使だ。
こみ上げてくる想いとあふれる涙。
プロイセンはこの時、この世の全てのものと神に感謝した。
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