「なんか最近体調おかしくてっ…、
でも妖精さん達は普通に楽しそうだから、体調不良でも気にされないくらい嫌われる事したのかと思って聞いたら、子ども出来たからだってっ…
子どもっ…いたらっ…ギル、ずっと家族でいてくれるってっ…妖精さん思ってっ…
でっ…人間みたいにっ…シたら、出来るようにしたって…っ……言って……
でもっ…ギルだって出来るって思ってシてねえしっ……俺のことっ…気持ち悪いだろって……」
「ちょ、待てええぇぇーーー!!!!」
と、その後しばらくして、プロイセンはバッとイギリスの顔を真剣な様子で覗き込んだ。
「ちょっと待てっ!!
アルト、俺様の子だよなっ?!!俺様の子がアルトの腹にいるっつ~理解で良いなっ?!」
勢いにまた動揺して泣きながら、イギリスはただコクコク頷いた。
「お前は馬鹿かあああーーー!!!!」
珍しいプロイセンの絶叫。
「なんで俺様の子が腹にいる状態で俺様から逃げんだよっ!!!
ふざけんなっ!!本当に監禁すっぞっ!!!
そんなん早く言えよっ!!
そんな身体なんだったら気をつけなきゃなんねえこと、山ほどあるだろうがっ!!
無理してお前や腹の子に何かあったらどうすんだっ!!!!」
とりあえず、俺を寝かせてる場合じゃないっ!お前が早く寝ろっ!!
と、言葉の乱暴さとは裏腹に、本当に丁寧にプロイセンはベッドにイギリスを横たわらせてブランケットをかける。
「…ぎ…る…?」
ブランケットで半分顔を隠しながら、おそるおそるプロイセンを見あげてイギリスが言うと、プロイセンは小さく息を吐きだして、イギリスの頭を優しい手つきで撫でた。
「怒鳴って悪かった…。体調平気か?
たぶんな、妖精さんが子どもが~って思ったのは俺様の発言が原因だと思うぜ?
まだお前が数百年前の彼女だと知らなかった時に、俺様が国じゃなくて子どもの1人でも作ってたら消えられなかったのかもとか言ったから…
まあどちらにしても、惚れたやつとの赤ん坊出来たら普通に嬉しいだろ。
少なくとも俺様はすっげえ嬉しい。
赤ん坊生まれたらな、何してやろうとか、どこ連れて行ってやろうとか、今すげえ考えてる。
写真もいっぱい撮って…爺とかに送るカードとかは赤ん坊の写真とかにしてやったらすげえ喜びそうだよな。
まあでもその前に…お前は今まで以上に隠し事は禁止だ。
出産は今でもすげえ身体に負担がかかる大仕事なんだからな?
少しでもなにかあったら絶対に俺様に言えよ?」
まるで幸せを噛みしめるようにそう言って、プロイセンは片手で本当に愛おしげにイギリスの頭をなでながら、片手はタブレットに伸ばして、当座しなければならない事を洗いだしていく。
「…これでまた大切なものが一つ増えたな…」
と、嬉しそうな声に緊張が一気に消えて、押し寄せてきた眠気に逆らわず、イギリスはそのまま目を閉じ、意識を手放した。
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