アーサーと魔法のランプⅩ-世界の愛は君のもの3

エピローグ 目の前は真っ白だ。 様々な記憶が交差してそれが一箇所に集まると、自分の中で一つになる。 ストン!と何か記憶が頭の中に落ちてきたような感覚のあと、周りの煙が晴れた。

アーサーと魔法のランプⅩ-世界の愛は君のもの2

「イギリス、帰りに……」 「あ、帰りは俺と新しく出来たカフェにパフェ食べに行くんだよねぇ♪」 通常運転で肩に手をかけようとしたら、スルリと間に入ってくるイタリアに、フランスは一瞬ぽかんとして、それから苦笑する。

アーサーと魔法のランプⅩ-世界の愛は君のもの1

とりあえず聞きたい事は最初に聞いておくことにした。 Q:何故自分がアメリカに拉致されている事を知った? A:スペインから聞いたため。 Q:どうやってアメリカに来た? A:過去、イタリアも祖父のローマにランプをもらっていて、それにイギリスが拉致されている場所との空間を開...

アーサーと魔法のランプⅩ- 不思議の国にようこそ!

こうしてどうする事もできないままどのくらいの時間がたったのだろうか…。 いい加減疲れて半分放心していると、急に重い体をどかされた。

アーサーと魔法のランプⅩ-二人分の祝福を君へ3

「よし、ドイツに帰るか…。」 誰にいうともなくそう言うと、プロイセンはドイツ行きの方へ向かう。 会ってしまえば手を伸ばしてしまわない自信がないくらいには惚れている相手だ。 みすみす不幸にはできない。

アーサーと魔法のランプⅩ-二人分の祝福を君へ2

イギリスを救出しに来そうな中であんな行動に出るのは自分くらいだし、偽装もせず、自分の人名であるギルベルト・バイルシュミットのパスポートでUSA入りし、あまつさえ堂々と正面玄関にドイツ車でタイヤの跡が残るような止め方をしたので、追われるとしたら自分のはずだが、丈夫で鋭利なテグスでえ...

アーサーと魔法のランプⅩ-二人分の祝福を君へ1

アメリカに拉致された館は幸いにして特別な要塞のような場所ではなく、どこぞの…アメリカ国内の人里はなれた屋敷のようだった。 おそらくアメリカの極々私的な秘密の場所で、誰かが来るのも想定外だったのだろう。 監視カメラのようなものすら特に設置されている気配はなく、

アーサーと魔法のランプⅩ-眠れる黒鷲を起こす愚行

イギリスが消えた…焦った日本からその電話がかかって来たのは丁度空港でフランスと合流した時のことだった。 ああ…失敗したっ俺様としたことが…と、臍を噛みつつも、出し抜かれたその事実がス~っとプロイセンの脳内を冷やしていく。

アーサーと魔法のランプⅩ-イタリア男と人魚姫5

夢を見た…。 ああ…あれは人魚姫…。 金色の髪に深緑の瞳。 何故か胸はないのだが、愛しい自分の恋人…いや…あれはイギリス様の方だ。

アーサーと魔法のランプⅩ-イタリア男と人魚姫4

――ああ…幸せだ… 目が覚めた時、額に温かい寝息を感じてイギリスは自分を包み込むように抱き込んで寝ている男の顔を見上げた。

アーサーと魔法のランプⅩ-イタリア男と人魚姫3

…大丈夫かな……あいつ……。 食後、体調の悪いらしいアリアを半ば無理やり寝室へ戻して、夕食の後片付けを終えると、ロマーノも自室に戻ってシャワーを浴びながらボ~っと考えた。

アーサーと魔法のランプⅩ-イタリア男と人魚姫2

「…気がついたか……今一番近い港に向けるから…」 重いまぶたを開けると、自分のとは色合いの違う、若干茶色がかったグリーンの瞳がひどくつらそうな様子で自分を見下ろしている。

アーサーと魔法のランプⅩ-イタリア男と人魚姫1

「こんな船持ってたんだ…」 アメリカに拉致された館は幸いにして特別な要塞のような場所ではなく、どこぞの…アメリカ国内の人里はなれた屋敷のようだった。

勇気を貯めたラテンの本気

「ちょ、おま、何してるっ?!!!」 こうしてどうする事もできないままどのくらいの時間がたったのだろうか…。 いい加減疲れて半分放心していると、急に重い体をどかされた。

アーサーと魔法のランプⅪ-コンキスタドールと愛の国3

「自分、アーティーと何話しとったん?」 と、そこへタイミング良くチョコレートポットとカップ、チュロスを乗せたトレイを持ったスペインが戻ってきた。

アーサーと魔法のランプⅪ-コンキスタドールと愛の国2

「…お前……無理やりじゃないよね?」 半月後…意外にもまず気づいたのはフランスだった。 かなり確信を持って、他に言いふらされたくなければ…と、フランスにしては珍しく美しいとは言えない脅しまでかけて来たので、仕方なく陸地まで迎えに行って回収した。

アーサーと魔法のランプⅪ-コンキスタドールと愛の国1

自分を好きだという男のベッドの上で押し倒されている状態で、なおキョトンとしているイギリス。 不思議そうに見上げるその様子はいつもより少し子供っぽい無防備な感じで可愛い。 めっちゃ可愛いのだが、これだけ全く警戒されないというのもどうしたものか…。

アーサーと魔法のランプⅩ-コンキスタドールの悲願3

「このあたりの海…久しぶりだなぁ~」 南米大陸から海の上。 信頼出来る部下に運転を任せた船の甲板で、スペインは嬉しそうに手すりから乗り出して波間を眺めるイギリスの腕をつかんだ。

アーサーと魔法のランプⅩ-コンキスタドールの悲願2

ああ…あの子に似とるな……。 車を走らせながら隣に座る少女をみやり、スペインは内心ため息を付いた。 運命が奪っていった、本来なら手に出来たはずだったあの子の代わりに少しだけ、あの子に似た子を手元に置いてみたい…最初はそう思っただけだったのに…心がひどく揺れる。