青い大地の果てにあるものオリジナル
「これで…本部に帰れるかね。もう日本はうんざりだよ」 数時間後、探索を終えた面々がそれぞれ戻って来た。 顔色の優れない地下組とホップとルビナスを尻目に一人清々した顔で言い放つユリ。
「怖い…な」 伊豆から東京へ向かう車中。なずなは床で膝を抱えてつぶやいた。 「すごく…何かに呼ばれてる気がする」 なずなのつぶやきに少しゾッとしてひのきは震えるなずなの肩を抱き寄せた。
「今では城という形態はとっていませんが、確かにそれらしき建物は存在してますね」 ツクシがルビナス&ジャスティスを隠れ家内の会議室に集めて報告したのは4日後だった。
「いい加減…目を覚ませよ」 ひのきは掠れた声でそう言って、いつものように恋人の薄桃色の唇に触れるだけのキスをした。
意識が暗闇のトンネルの向こうへとひっぱられる。 まるでジェットコースターのように悪酔いしそうな勢いで落ちて行く感覚にいい加減うんざりしかけた時、ようやくトンネルが終わったようでなずなは光の中に投げ出された。
「それは…個人の日記よね? とりあえず襲撃の様子が書いてあるとは限らないし、先にユリに見てもらった方がいいわよね?」
伊豆を発って東から西に魔導生物を討伐しながら一行は車で移動している。 途中で加わったつくしとツツジはそれぞれ1号室、2号室に加わった。
「タカ、俺だけどいい?」 ホップはひのきの部屋をノックした。
「家も…7年ぶりか」 家々が立ち並ぶ里の景色にひのきは懐かしげに目を細めた。 「貴行は家出た当時まだ6歳だったな。てことは今もう13か。早いな」 「着きましたね」 立ち並ぶ中でも目を見張るくらい大きな家の門の前でツツジは車を止める。
そして翌朝、部屋に運ばれた朝食を、なずなが寝ている奥の間まで運んで熟睡中のなずなを起こしてみる。
「まず状況説明しろよ、馬鹿つくし!」 車で待機していたルビナスを含めたあとの5人が居間に揃うと、ユリはドスン!とソファに腰を下ろして自分にそっくりな双子の兄をにらみつけた。
「タマ!」 ホップが驚きの声をあげた。 にっこりと奥からユリにそっくりな人影が姿を現す。 鉄線つくしだ。
「ルビナス、わりいが今回は手加減なしだ。 記録のための探索とかなしでいっきに奥つっこむから」 怒りと不安の入り交じった余裕のない表情でひのきが言うのに、ルビナスは無言でうなづく。
そして食後。今度は男3人、連れ立って風呂に行く。 「じゃ、何か聞けたら報告してよ?コーレア。私だって協力したんですからね」 と、大人組の部屋ではルビナスが言ってコーレアを送り出し、ホップ達の部屋では
「すっご~い♪温泉旅館」 翌々日、伊豆に到着したブルースターご一行様はルビナスの計らいで温泉宿に泊まる事になった。
「ホップは鉄線と同室でなくて良かったのか?」 一号室ではコーレアとホップがそれぞれ荷解きをしている。 若者組ジャスティスがそれぞれカップルなのは明白なわけだし、若いのだから色々あるだろうと気をつかうコーレアの言葉に、ホップは苦笑して首を横に振った。 「いや、俺らはまだそういう事し...
「あら?タカは?」 トトトっとその時なずなが料理の皿を持って上に上がってきた。 「ああ。荷物整理をするって寝室へ行った」 答えるコーレアの言葉になずなはちょっと首をかしげて、それからユリに目をやった。 「ユ~リちゃんっ、味見っ」 と、皿の卵焼きを一切れつまんでなずなはユリの口に放...
「「「日本かぁ...」」」 遠征出発の日、車に乗り込んで日系3人組はそれぞれの思いを胸につぶやいた。
「ファー達、いいなぁ。なんで私にはできないのかなぁ、赤ちゃん」 取り損ねた食事を食堂でテイクアウトして部屋に戻ると、なずなは言ってソファの上で膝を抱えた。
「あ~あ、休みも終わりかっ!」 翌朝、ひのきは大きく伸びをした。 「楽しかったね」 なずなは言ってベッドから抜け出ると制服に着替える。