秘密のランチな関係Ver.SBG_9

「主将の例の弁当の彼女、誰かわかったよっ!」 それはいつもの報告会での言葉だった。 ドヤ顔で言う善逸は別に義勇の方を見てはいない。 つまり… 義勇以外の誰か だと思っているという事だ。

秘密のランチな関係Ver.SBG_8

正直、錆兎も今の状況を楽しんでいる。

秘密のランチな関係Ver.SBG_7

「今日のコンポート、あれ良いアイディアだな。 保冷剤にもなるデザートなんて、さすが義勇だ。 最初は俺の子どもになりたいと言っていたが、今はお前も料理がかなり上手くなったし、子どもよりむしろ嫁にでもなれそうだな」

秘密のランチな関係Ver.SBG_6

冨岡義勇には最近学校でちょっとした楽しみがある。 それは……

秘密のランチな関係Ver.SBG_5

可愛い…。 とんでもなく可愛い。

秘密のランチな関係Ver.SBG_4

鱗滝家につくと一旦荷物を置き、錆兎は台所に。 程よく筋肉のついたスラっとした長身にシンプルな黒いエプロンをつけ、いかにも手慣れてますと言った感じでテキパキと茶の準備をする。

秘密のランチな関係Ver.SBG_3

他人と違う…それは色々な意味合いがあるのだが、この人の… 鱗滝錆兎 という人物の違い方は、かなり好意を持たれる系の違いかたなのではないだろうか…。 少なくとも自分が女性なら絶賛片思いだ。 冨岡義勇は鱗滝家で台所に立つ錆兎の後ろ姿を目で追いながら、そう思った。

秘密のランチな関係Ver.SBG_2

(あー、ようやく週末か…) 金曜日の部活が終わり、錆兎はホッと一息ついた気分で戸締まりのため部室へと向かう。

秘密のランチな関係Ver.SBG_1

ウィンナーのヒマワリに寄り添うウサギやヒヨコ。 小さなウズラとプチトマトのキノコ。 それはさながら小さな絵本のような世界だった。 その中にある少し焦げて茶色くなってしまった卵焼きが、まだ料理に慣れてない人間が作った初々しさを醸し出していて微笑ましい。 うん、本当に可愛らしい。 …...