秘密のランチな関係Ver.SBG_1

ウィンナーのヒマワリに寄り添うウサギやヒヨコ。
小さなウズラとプチトマトのキノコ。

それはさながら小さな絵本のような世界だった。

その中にある少し焦げて茶色くなってしまった卵焼きが、まだ料理に慣れてない人間が作った初々しさを醸し出していて微笑ましい。

うん、本当に可愛らしい。
……その弁当を手にしているのが少しキツイ顔立ちの大男じゃなければ…。



『彼女の手作りかよ。リア充実爆発しやがれっ』
クラスの友人に見られた時は忌々しげに舌打ちをされ、

『やっぱ主将クラスになると女にモテるんですか?それなら俺、頑張りますっ!!』
と、部活の後輩に見られた時には涙ながらに羨望の眼差しを送られた。

まあ思い切り誤解なわけだが、それは敢えて解かない。
錆兎的には解いても問題ないわけだが、秘密にする約束なのだ。


――特定の親しい相手と他の人間が知らない何かを…秘密を共有したい…

そんなバカバカしくも子どもっぽく可愛らしい願いを打ち明けてきたのは、他に甘える姿など見たことのない、本当に誰にも懐かない人見知りの…だが、可愛い後輩なのだから。






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