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「閣下ぁ~、お人が悪い…っつ~か、俺試されてますね?」 俺らの野営場所に行くと、俺はスペインとアリスちゃんを少し離れた所に残して、トリックに声をかけた。

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杞憂 …あいつ大丈夫か…… スペインがアリスちゃんに張り付いている。 思い切り抱え込んでいる。 荷物の半分以上を俺様に担がせて……。 まあ、そのほとんどが旅の必需品、食料だからいいんだけどよ。

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画策 『自分…まさかあんな怪しい奴を仲間にするつもりなん?!』 小声で言いつつも、スペインの目は思わず吊り上がる。

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よくよく考えれば、悪友相手に『イギリスを守らないとあかん』と言っているわけなのだが、実際は違うのだ。 そう、決してイギリスを守りたいわけではない。 自分と可愛い子分とその所属組織EUのためだ。

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起き上がった瞬間、プロイセンがヒーリングで細かい傷などを治していたアリス…もといイギリスの手をいきなり握ったので、スペインがその後頭部にさばいていたボッコの骨を思い切り投げつけて昏倒させたりしたのはご愛嬌。

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合流 「ほな、親分食料探しに行ってくるから、ここ動くんやないで」 現代より幼くなって体力がなくなったイギリスと未だ畑仕事で鍛えていて体力のある自分。 どちらがより動くかと言ったら自分だろう。

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女神発見 朝起きて食事を取ったら即移動。 昼食は朝のうちに作っておいて歩きながら摂る。 その代わり夕方になったら野宿の準備もあるので早めに移動を止め、トリックがテントや夕食の準備をしている間に俺様は辺りを見周り、危険がないかの確認…と称した散歩。

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勇者プロイセン 「閣下、この辺りで野宿しやすか?」 小人族のトリックは俺様が頷くと、では…と、手早くそのあたりの草木を3平方メートルほど刈り込んで場所を作り、折り畳み式のテントを張り始める。 相変わらず良い手並みだ。 こいつを仲間にして正解だった。

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虚像と葛藤 「そろそろ行くで?」 翌日の昼過ぎ…街中に惜しまれながらも、アリスの実家に帰るのだと言う名目で最初の地であった城塞都市を後にしたスペインとイギリスは、鍵をもらうきっかけにもなった花畑で一休み。 宿の親父が持たせてくれた心づくしのランチを堪能して、さらに先を...

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クルミ材のがっしりとしたドアをしっかり閉めて中から鍵をかけると、イギリスはリビングを抜けた先にある寝室のベッドにダイブして、 「あ~疲れた~」 と、ポイッとヒールを脱ぎ捨てた。

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大英帝国の本気、おそるべしっ!! 宿に帰って宿の食堂で食事。 「今日もアリスちゃん、可愛いねぇ。ほら、フルーツサービスだよっ」

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親分と仇敵レディ 「悪いけど…こいつ俺のやねん。近寄るなとは言わへんけど、嫌がってたらやめたってな。」

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けほけほと煙にむせつつ手で白いものを払うイギリス。 その姿はまさに15世紀。 外見年齢にしたら13,4歳くらいだろうか…。

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「…現実的な話をするぞ。」 黙って聞けと言われて頭が冷えたイギリスは、説明の間も脳内で計算を繰り返していた。 そして出た結論。

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「どこだ、ここ?」 がらんとした空間。 上も下も右も左も真っ白だ。 おかしい。 自分は先ほどまで世界会議の会場にいたはずだ。