人魚島殺人事件C12_死の乾杯

斉藤に継いで淡路もいなくなった…。 昨日の夜に空想した事が現実になった事に、水野は喜びよりも恐怖を感じた。

人魚島殺人事件C11_夜のプールにて

「結局さ、ちょっと良いなって思うタイプって、彼女がいるものなのよねぇ」 夜中のリビング。 なんとなく手持ち無沙汰組の女性陣が集まってワインを飲みながらの雑談中。 遥の言葉に水野と綾瀬と松坂がウンウンとうなづくのに、アオイは一人意義を唱えた。 「ん~、それちょっと違う気も…」 一人...

人魚島殺人事件C10_寂しがり屋の孤独と不安

「うっとおしいからイライラするな」 藤の部屋に集まった錆兎、藤、和馬。 落ち着かずに部屋をウロウロ歩き回る錆兎に和馬が声をかける。 その声に錆兎はピタっと足を止め、藤を振り返った。 「明日…姫連れて帰ります」 「おま…何言って…」 「うん。それがいいね。 今日は夜だし姫も寝かせて...

人魚島殺人事件C09_緊迫した人間関係の中で

部屋に運んですぐくらいにかけつけた医者には血管迷走神経反射性失神と診断された。 要は…強い精神的ショック等によって気絶したという事だ。 身体的には特に異常はないらしい。 錆兎はそれを聞いて力なくベッド脇の椅子に倒れ込んだ。 自分の方が震えが止まらない。

人魚島殺人事件C08_消えた1人

「成田…様子変じゃない?」 リビングで相変わらず居残って綾瀬の指示通りミシンをかけたりボタンを縫い付けたりしていた遥は、遥の護衛と称してやはりリビングに残っている別所に声をかけた。

人魚島殺人事件C07_澱んだ悪意と空き部屋のお化け

錆兎達が自室で話している間、リビングの方では他とは少し離れて綾瀬と二人、まだ綾瀬のデザイン画と人魚姫の絵本を前におしゃべりをしている義勇を、水野が観察していた。

人魚島殺人事件C06_ガラスの短剣と人魚の恋心

二人がリビングへ足を踏み入れると、まず裁断した後の布地を丁寧にたたんでいた松坂彩が、 「藤、大丈夫だった?見たところ怪我はないみたいだけど…」 と声をかけてきた。

人魚島殺人事件C05_天才な姉と秀才な友人の会話

「君は変わってるね」 藤は不意に後ろで黙ってついてくる和馬に声をかけた。 その言葉は色々な意味に取れすぎて、空気を読む事にかけては自分でも自信のある和馬ですら返答に迷う。 結果、 「初対面に近い相手に突然変わっているという藤さんの方が変わっていると思いますが?」 と、あくまで考え...

人魚島殺人事件C04_それぞれの人物評

荷物を置くと藤、義勇、錆兎、和馬は採寸に入り、その4人とサイズを測ってる綾瀬とそれを手伝う平井、服に使う素材のチェックをしている松坂以外はリビングに集合している。 その中で一人こない斉藤に気付いて古手川が言った。 「亜美はどうした?」 その言葉に水野と淡路が顔を見合わせる。 「一...

人魚島殺人事件C03_大学生と高校生

こうして8月3日…晴天。 一応モデルの採寸の必要もあることだし、現地で作成…ということで、島には長期滞在をする予定になっている。

人魚島殺人事件C02_メンバー集結

そして翌日の海陽学園高等部3年A組。 色々助けてももらっている、恩もある。 感情的な部分でも本当に姉のような存在でできれば期待に添えたい所だが…無理だ…。 錆兎はもうじき夏休みに入る学校で、手慰みに携帯をいじりながらため息をついた。

人魚島殺人事件C01_今回も発端は女の意地

「モデルが足りない?」 世田谷区成城にある大邸宅。 風早家の一室で、ミネラルウォータのペットボトルを手に電話をしている美女、風早藤。 日本有数の財閥風早コンツェルンの跡取り娘である。

ファントム殺人事件クロスオーバー_06

一応…ミスコンはさすがに中止になった。 開校以来続く伝統イベントを自分の代で途切れさせるのは気がひけなくはないが、仕方ない。

ファントム殺人事件クロスオーバー_05

そうして…黒河の遺体発見現場に向かう警察に混じって加藤と共に海陽学園につく錆兎達。 そのまま生徒会室へ一番乗りで辿り着く。 部屋につくなり錆兎は問題の日と同じ様についたてを持ってくると、同じ場所に立ててそちらに義勇をうながした。

ファントム殺人事件クロスオーバー_04

翌日…生徒会室でカードと便箋両方を前に考え込む錆兎の机に、相田がソッとコーヒーを入れて行 ってくれた。 しかし… 「錆兎君、忘れ物♪義勇から預かって来たわ♪」 そこにいきなりふんわりと漂うフローラルな香り。

ファントム殺人事件クロスオーバー_03

翌日…日曜なのでボ~っと部屋でネットサーフィンをしていたアオイに、母親が 「アオイ~、なんだか花が置いてあるわよ?」 と声をかけてくる。 その声に呼ばれて行ってみると黄色い花が置いてあった。

ファントム殺人事件クロスオーバー_02

そして3日後…丁度海陽祭まであと1週間という土曜日。 13時に海陽学園正門前待ち合わせという事で10分前から待っていた錆兎は、遠くから近づいてくる集団を見て目を白黒させた。