人魚島殺人事件_オリジナル_19_エピローグ

「帰り支度…しないとね…」 さすがに殺人事件まで起きると当分ここは使えない。 藤が言って立ち上がるとまずダイニングを出て行った。 和馬もそれに続き、さらに古手川、高井と続き、コウはダイニングで同席していた赤井と共に、別室で何か話をしている。

人魚島殺人事件_オリジナル_18_隠されていた真の目的

一応…あれから例によってユートにフロウを預け、コウが松坂の自白に従って松坂の部屋のクローゼットの中を調べると、斉藤亜美の絞殺死体が発見された。 そこでまたふと感じる違和感…。 しかしコウはそれが何かどうしてもわからない。 そうこうしているうちに警察がやってきた。

人魚島殺人事件_オリジナル_17_事件と犯人

「物証は警察が来てからということで、先に今回の一連の事件のあらましについて説明します。 興味がない場合は余計な事を言わず黙って寝てて下さい。 質問や意義は説明が終わってから受け付けますので、とりあえずは途中で口をはさまず静聴願います」

人魚島殺人事件_オリジナル_16_死の乾杯

斉藤に継いで淡路もいなくなった…。 昨日の夜に空想した事が現実になった事に、水野は喜びよりも恐怖を感じた。 まさか…本当に自分の思いが現実となって人間を殺したとかじゃ…そんなありえない馬鹿馬鹿しい想像が脳裏をしめる。 そこでまた恐ろしくなって成田に目をやった。 別に自分に注意を向...

人魚島殺人事件_オリジナル_15_夜のプールにて

「結局さ、ちょっと良いなって思うタイプって、彼女がいるものなのよねぇ」 夜中のリビング。 なんとなく手持ち無沙汰組の女性陣が集まってワインを飲みながらの雑談中。 遥の言葉に水野と綾瀬と松坂がウンウンとうなづくのに、アオイは一人意義を唱えた。

人魚島殺人事件_オリジナル_14_不安な男

「おかえり~」 コウがドアを開けると、ドアの所でユートが出迎えた。 そのまま中に入ろうとするコウの腕をつかむとユートは 「とりあえず…報告」 と小声で始めた。

人魚島殺人事件_オリジナル_13_スーパーウーマンの孤独

「うっとおしいからイライラするな」 藤の部屋に集まったコウ、藤、和馬。 落ち着かずに部屋をウロウロ歩き回るコウに和馬が声をかける。 その声にコウはピタっと足を止め、藤を振り返った。

人魚島殺人事件_オリジナル_12_緊迫した人間関係の中で

部屋に運んですぐくらいにかけつけた医者には血管迷走神経反射性失神と診断された。 要は…強い精神的ショック等によって気絶したという事だ。 身体的には特に異常はないらしい。 コウはそれを聞いて力なくベッド脇の椅子に倒れ込んだ。 自分の方が震えが止まらない。

人魚島殺人事件_オリジナル_11_夕食時

「姫…どうせならちゃんと身になるもの食え」 「だって…」 ひたすらサラダに手をつけるフロウにため息のコウ。 「別に何から食べてもいいんじゃない?」 と言う遥に、コウは 「食べる量が絶望的に少ないので… 野菜から食べるとそれで満足して終わるのが日常なんです」 と、苦笑した。

人魚島殺人事件_オリジナル_10_消えた1人

「成田…様子変じゃない?」 リビングで相変わらず居残って綾瀬の指示通りミシンをかけたりボタンを縫い付けたりしていた遥は、遥の護衛と称してやはりリビングに残っている別所に声をかけた。

人魚島殺人事件_オリジナル_9_空き部屋のお化け

「頼光君、呼ぶね」 コウとフロウが使っているツインルームにフロウを運んで、ベッドの端に座った藤は横たわらせたフロウの顔を上から覗き込む様にして言った。

人魚島殺人事件_オリジナル_8_澱んだ悪意

コウ達が自室で話している間、リビングの方では他とは少し離れて綾瀬と二人、まだ綾瀬のデザイン画と人魚姫の絵本を前におしゃべりをしているフロウを、水野は観察していた。

人魚島殺人事件_オリジナル_7_ガラスの短剣と人魚の恋心

二人がリビングへ足を踏み入れると、まず裁断した後の布地を丁寧にたたんでいた松坂彩が、 「藤、大丈夫だった?見たところ怪我はないみたいだけど…」 と声をかけてきた。 それが何を示すのか…思い当たる事は一つしかない。 「彩、見てたの?」 藤が聞くと、松坂はうなづいた。

人魚島殺人事件_オリジナル_6_天才な姉と秀才な友人の会話

「君は変わってるね」 藤は不意に後ろで黙ってついてくる和馬に声をかけた。 その言葉は色々な意味に取れすぎて、空気を読む事にかけては自分でも自信のある和馬ですら返答に迷う。

人魚島殺人事件_オリジナル_5_それぞれの人物評

荷物を置くと藤、フロウ、コウ、和馬は採寸に入り、その4人とサイズを測ってる綾瀬とそれを手伝う平井、服に使う素材のチェックをしている松坂以外はリビングに集合している。 その中で一人こない斉藤に気付いて古手川が言った。 「亜美はどうした?」 その言葉に水野と淡路が顔を見合わせる。 「...

人魚島殺人事件_オリジナル_4_部屋割り

こうして不穏な空気に染まるリビングを後にする藤と高校生組。 「とりあえず部屋は全部同じだからね。5部屋並んでるから好きな所に」 藤が2階に案内して鍵を手に言うと、フロウがコウのシャツをぎゅっとつかむ。

人魚島殺人事件_オリジナル_3_大学生と高校生

こうして8月3日…晴天。 一応モデルの採寸の必要もあることだし、現地で作成…ということで、島には長期滞在をする予定になっている。

人魚島殺人事件_オリジナル_2_メンバー集結

そして翌日の海陽学園高等部3年A組。 色々助けてももらっている、恩もある。 感情的な部分でも本当に姉のような存在でできれば期待に添えたい所だが…無理だ…。 コウはもうじき夏休みに入る学校で、手慰みに携帯をいじりながらため息をついた。

人魚島殺人事件_オリジナル_1_今回も発端は女の意地

「モデルが足りない?」 世田谷区成城にある大邸宅。 風早家の一室で、ミネラルウォータのペットボトルを手に電話をしている美女、風早藤。 日本有数の財閥風早コンツェルンの跡取り娘である。

人魚島殺人事件_オリジナル_目次

1_今回も発端は女の意地 コウの姉貴分風早藤の所にユートの姉の遥から電話が来る。 いわく「就活のため共同撮影会をすることになったいけ好かないボンボンから人脈を馬鹿にされたから、 美形モデル を連れて行って見返したいっ!!」 そしてその意味を察した人の好い藤は、弟分のコウに依頼の電...