リトルキャッスル後編_アンアサ_6(完)

「フラン…今回はごめん。嫌な思いさせたよね」 送ってもらっている警察の船の中でジェニーがフランに声をかけた。 「おや…お兄さんてっきりいびられるかと思ってたけど…」 フランにとっては率直な感想だったのだが、それはジェニーには痛烈な批判に聞こえたらしい。 普段は気の強いジェ...

リトルキャッスル後編_アンアサ_5

「おかえり、どうだった?」 ギルベルト達が戻るとジョンが少し笑みを浮かべる。

リトルキャッスル後編_アンアサ_4

こうして宿の裏側、遺体発見現場を目指す3人。 「俺ら…疑われてます?」 先に立って歩くギルベルトにユージンが声をかけた。 それに対してギルベルトは 「いや」 と首を横に振った。

リトルキャッスル後編_アンアサ_3

そしてマイクとダニーの部屋。 ダニーは鍵を開けて入ると、 「どこでも探してみやがれ!」 と、少し体をずらして他をうながした。

リトルキャッスル後編_アンアサ_2

それぞれ食後、自室に戻って支度をすると玄関に集合。そのまま跳ね橋を通って外に出る。 アーサーはアントーニョが抱え込むようにガードしているため、ギルベルトとぴったりくっついて歩く女4人。 空手部3人はそれを面白くなさそうにたまにチラ見をしながらも、アーサー一人にすら3人がかりで...

リトルキャッスル後編_アンアサ_1

朝…本当に何も起こらず平穏に夜は明けたらしい。 ギルベルトはいつもの習慣で5時には目を覚まし、部屋でもできる腕立てや腹筋などにいそしんだあと、シャワーをあびた。

リトルキャッスル前編_アンアサ_7

そしてフラン達3人も呼んできて全員そろって食事。 また絡んでくるかと思いきや、今度はマイクとダニーが何故か険悪状態らしい。 お互い顔を合わせようともせず、リックとユージンが顔を見合わせている。

リトルキャッスル前編_アンアサ_6

こうしてギルと女性陣を残し、フランは大浴場へ。 一人寂しく掃除をしていると、ガラっと浴室のドアが開いた。 「フラン、手伝う。」 と、入ってきたのはアーサーと若干不機嫌な顔をしたアントーニョ。

リトルキャッスル前編_アンアサ_5

「殿下の部屋訪ねてみたんだけど…なんでいないの?」 一方で女性陣ご一行は当たり前にフランの部屋に押し掛け中だ。 それに対しフランとギルベルトは顔を見合わせる。

リトルキャッスル前編_アンアサ_4

「トーニョ…ごめんな。」 部屋に入って鍵をかけるなり、アーサーはしょぼんとうなだれた。 大きな丸いグリーンアイが少し潤んでいる。

リトルキャッスル前編_アンアサ_3

「さあ着いたよ」 雑談をしつつ陸地を離れて2時間。やがてクルーザーが船着き場に止まる。

リトルキャッスル前編_アンアサ_2

「俺…おかしくないか?」 当日…待ち合わせ場所の埠頭に行く道々、アーサーは心細げに少し身なりを整えた。

リトルキャッスル前編_アンアサ_1

フランシス・ボヌフォア… 甘いマスクでお金持ちの一人息子と一見恵まれている…なのに近頃どこか不憫な境遇に置かれる事が多い。 フランシスの行くところに落とし穴あり…とでも言わんばかりに、最近ひどく運がない。 今日のクラスメートの女の子からのお誘いはそんなフランシスのこのところ...