オンラインオリジナル ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん原作
女子校の学園祭…それに男子高校生一人で行くのは日頃女の子に囲まれまくっているユートでもなかなか勇気がいる。 それでも平和な生活の為にとユートは女の園に足を踏み入れた。
「病んでるよな…」 白鳥姫乃が警察に連行され、海陽生徒会役員一同が見回りに戻って行った後、コウはぽつりとつぶやいた。
「遅くなってすみませんっ!間に合いました?コウさんまだですよね?!」 やがて同じく相田が息を切らせてかけこんでくる。
初めて死体に触れた…。 今まで何度も殺人事件に巻き込まれて来たが、死体に触れたのは初めてだ。 しかも…まるで自分が殺したかのように絞殺体の首にかかっていた自分の手…。 死体も死体に触れた事も今の自分の状況も全てが恐ろしすぎて、アオイはパニックを起こしていた。
校内ではもう生徒会役員達が見回りを始めている。 といっても…女生徒達に捕まっている時間の方が多いと言う話もあるが…。 一般生徒用とは言っても儀礼服。なかなかお嬢様方には受けているぽい。
ああ…なんだかうるさい… アオイは目を閉じたままそう思った。 体がだるい。突き出した様にしている両手には冷たい感触。人の肌のような…誰かの腕…にしては太い気が…。 近くで知らない複数の人間の声…。
とりあえずフロウを着替えさせてコウは藤と和馬と共にフロウを連れて職員室へと向かう。 事情を説明する藤に青くなる教員一同。
「優波姫、記念写真お願い出来ますかぁ♪」 一方藤達と分かれたコウ達3人。 大勢の後輩達に囲まれて廊下では通行の邪魔なのでとりあえず手近な華道部の展示室へ。
翌日…流星祭。 待ち合わせは10時正門前。 9時に出れば十分間に合う訳だが7時起き。 去年出会った頃よりは若干長い肩くらいの髪をアオイは一生懸命とかす。
「アオイ~なんかさ、校門の所で呼ばれてるよ~」 ずっと同じクラスだった仲良しの恵理が帰り支度をしていたアオイの肩をポンと叩いた。
「ユートさま♪オハヨです♪」 翌朝…学校に行こうと駅の改札をくぐった瞬間、もう二度と聞きたくない…昨日逃げてきた相手の声がユートを出迎えた。
そう言えば…コウの自宅は初めてだ。 徒歩数分で着いたのは豪奢な白い洋館の一条家とは対照的な純和風家屋。
「あのっ、結婚して下さいっ!」 「はいぃ??」 いきなり…本当にいきなりだった。 帰宅する学生でにぎわう駅のど真ん中。 ユートこと近藤悠人はいきなり後ろから腕を掴まれた。