本田菊の策略
すさまじい光の中、目がくらみ、視界が遮られる事に焦って、スペインはぎゅうぎゅうとイングランドを抱きしめる腕の力を強めた。
最後の日 抱いて?へ?今、抱いてくれって言うたん?!!! え? ええっ? えええっ?!!!!
プロイセンの分析とスペインの不安 「アーティ、あんま口に合わへんかった?それともどこか痛いん?」 ほとんど減らない料理にスペインは小さく息をつく。 まずくはないはずだ。 スペインの味付けが口にあわないということもないだろう。 最初の頃は目をキラキラさせながら、美味...
「アーティ、美味い?親分の料理もなかなかやろ?」 まさに太陽のような、と称するに相応しい、明るい満面の笑み。
イギリスの動揺と葛藤…そして決意 うん…何が起こってる? 目がさめるとスペインがいた。 実に久々に…正確にはおそらく500年ぶりくらいに見る、自分に対して怒っていないスペインが……。
このイングランドはおそらく精神も16世紀、スペインの愛しい花嫁だった頃のイングラテラなのだろう……スペインは目の前の少年の様子からそう結論づけた。
プロイセンが事情を話して、日本が急遽用意してくれたのは、ずいぶんと古い洋館だった。 もちろん手入れはきちんとなされていて、ただ、万が一現代の記憶がなかった場合に、中世で生きてきたイギリスが少しでも不安を感じないように…という、日本の実に細やかな心配りゆえのチョイスである。
この少年がイングランドだとして、今のイギリスはどうなったのか? いや、背広を着ているということは、今のイギリスが若返ったということなのか? いったい何故? 今までそんなのは聞いたことはないが、疲労が限界をはるかに超えて貯まると、国は昔の姿に戻ってしまったりとかいうことがある...
イングラテラ スペインの可愛い可愛い花嫁は、あまり自分を大切にしない子だった。 ――俺が消えても喜ぶ奴はいても悲しむ奴はいないし…。 吸い込まれそうに大きな澄んだペリドットに少し寂しそうな色を浮かべて、消え入りそうな笑みを浮かべる。
そしてようやく会議終了日。 これでやっとあの子が休める。 たぶん仲良しの日本ちゃんのとこやし、このあと二人でゆっくり温泉でも行くんやろなぁ…。 ええなぁ…親分も行きたいなぁ…。 昔みたいにあの子の髪洗うて、乾かしてやって、ええ匂いするあの子抱きしめて寝たいなぁ…。 ...
SIDE:S スペインはイギリスが好きだった。 はるか昔、まだレコンキスタの真っ最中にフランスで召使をさせられていた小さな子どもだった頃のイギリスに初めて会った時から…。
SIDE:E イギリスはスペインが好きだった。 はるか昔、まだ子どもの頃にフランスで召使をさせられていたところに初めて会った時から…。