罪作りなエイプリル・フール
トゥルー・エイプリル 電話をかけてから30分。 万が一のために日本まで待機していたのだがイギリスが目をさますことはなく、そうこうしているうちにスペインが息を切らせて部屋へと駆け込んできた。
明かされる事実と仏憫のピンチ 全員同じホテルに泊まっているだけに連絡をつければ集まるのも早い。 おそらく眠っていなかったのだろう。 プロイセンはすぐに来た。 そして何故か日本も……。
すぐ部屋まで来て欲しいと言うと、本当にすぐ、5分で来てくれる。 「いきなり飛び出していくから心配したんだぞ、コノヤロー!」 と部屋に入るなりそういうロマーノ。
情熱の国-愛の暴走 ――ありえないでしょ~。なんで麗しの世界のお兄さんが金色毛虫ちゃんと… ホテルまでの道を急ぎ走りながら、先刻の悪友の言葉にスペインは思う。
フランス兄さんの告白 「え?ナニソレ?嘘でしょ?お兄さん告白なんてされてないよ?」 込み入った話をするのに他人を気にしないでいいようにとプロイセンが席の移動をうながして、3人席についたあとに、ロマーノが自分が日本から聞いてきた事を話すと、フランスはブンブンと顔の前で大き...
当日――酒場にて 「お~い、スペイン、フランス、飲みに行こうぜっ」 今日は色々活躍したのでドイツの機嫌も上々で、 ――兄さん、今日は助かった。お疲れ様。なんなら久々に彼らとゆっくりしてきたらどうだ? と、許可がでたためプロイセンはそう声をかけるが、フランスは 「も...
当日-会議場にて ――ちくしょうっ!そっちだったのかよっ!! 会議当日…にこやかなフランスと少しうつむき加減にはにかんだような笑みを見せるイギリスが仲良さげに腕を組んで共に会議場入りした時、室内は騒然とする国と言葉を失う国の2種類に分かれた。
日本さんの話 ――イギリスさん?ああ、少し寝不足でいらっしゃるんです。 ロマーノが近づいていくと、日本に用事があるのだろうと察したイギリスはさりげなく、部屋で休んでくる、と、言い置いて、1人で自分の部屋へと向かった。
親分の憂鬱・子分の不安 「ロマ…イギリスと日本ちゃんとはそういうんやない言うとったよな…」 世界会議前日…。 用意された会議場近くのホテルでチェックインしていたロマーノは、そんな不機嫌丸出しの元宗主国の言葉に振り返ると、あ~…と、額に手をやりため息を付いた。 少...
会議数日前 エイプリル・フールの嘘と真の曖昧さにのせて告白をしてみたらどうか…と日本に言われてなんのかんの乗せられて頷いてしまった数日後…4月始めに世界会議がある。
プロローグ 3月の終わり…イギリスは日本に花見に来ていた。 趣のある日本家屋の縁側で、庭の桜の木からハラハラと桜吹雪が舞う美しさに目を奪われていると、隣で茶をすすっていた日本が唐突に言った。