幸せ家族の作り方
「おや、ロマーノ珍しい。あ、あれね。 いつもうっとおしいくらい構ってきてたから、いざ他に気が向くと寂しい?」 世界会議後…いや、会議にならなかった世界会議予定の時間を過ぎたあとの食事会。 元宗主国が大事に大事にお嫁様をエスコートしている図を見ていたロマーノは、声の主を振...
…ティ……アーティ…… いつのまにかうたた寝をしていたらしい。 世界会議後…いや、結局会議にはならなくて、大騒ぎのあと食事会になだれ込んだわけだが……。 久々に他国に囲まれて少し疲れたようで、ホテルに戻ってスペインが風呂に湯を張りに行ってくれたわずかの間にふっと意識が遠...
「…っざけんなぁ~!!クソガキがぁっ!!!」 世界会議の日…長期休暇中のイギリスが何故かスペインの控え室にいるらしい…そんな情報を得て何の気なしに覗きに行ったフランスが見たものは…嫁入り前の娘を傷モノにされて激怒する父親…ではなく、可愛い弟が何故か可愛い妹になっていて、しかも...
「親分な~、仕事でこの子の家行ったんや。 で、その時部屋でこの子と赤ん坊が泣いとってな。 赤ん坊がミルク飲んでくれへんて自分も一緒に泣いてもうてん。 めっちゃかわええやろ~。 もう親分そこであかんかった~。惚れてもうた~。」
――ああ、やっぱり、やっちまってたか―― 世界会議当日…スペインの控え室に足を運んだロマーノの心の第一声である。 ソファに座って白い華奢な手でおそらく生まれてくる赤ん坊のための何かだろう、繊細な模様のレースを編んでいる少女…そう、どう見ても“少女”だ。
『ロマ、頼むわ~!自分にしか頼めへんねんっ!!』 世界会議の前々日…元宗主国にして育ての親から電話が来た。 いわく…次回のフランスでの世界会議に出席して欲しいとのこと。
「…はあっ?!今…なんて??」 田舎町の片隅にあるスペインの別宅から一番近い病院に飛び込んだスペインは、そこで診断を受けたイギリスの病状についてその病院のたった一人の医者である老婦人から説明を受けて、ぽか~んと呆けた。
その日もスペインは食べてもらえないであろう昼食のトレイを持ってイギリスの寝室のある2階への階段をのぼった。 出来ればこのまま外に出したくない…誰かに会う機会を作ったら、未来のイギリスの子どもの父親に接触してしまうかもしれない…。
ここ数日食べてないせいだろうか…体がダルい。 少し熱っぽい気もするし、ひどく眠い。 そんなわけで今週に入ってイギリスはほとんどの時間を寝て過ごしている。 自分の一生の中でこれだけ寝て過ごしたことなんてなかったんじゃないだろうか…と思うほどだ。
ここ数日イギリスの様子がおかしい…。 妙にイライラしていて、あたりがキツくなった。 それが目下のスペインの悩みだ。
「イギリス、ご飯やで~」 コンコンと開いたドアをノックして、スペインが朝食のトレイを手に部屋に入ってくる。 毎夜の性交で朝はダルいが、目を覚ませばちゃんと身は清められているし、食事は運ばれてくるし、日々予定があるわけでもなく刺繍やパッチワークなどに勤しみながらダラダラと過ご...
ハッピーバースディ☆ハッピーライフ の続きです。 読んでない方のための【ハッピーバースディ☆ハッピーライフ】あらすじ