妙にイライラしていて、あたりがキツくなった。
それが目下のスペインの悩みだ。
いや、今の状態は普通ではなく十分異常なのはわかるし、半ば無理矢理手折って、脅して休みを取らせて、半ば強引に別宅に連れてきて拉致監禁に近いことをしているのだから、ニコニコと愛想良くするわけがないと言われればそうなのだが、最初の半月を過ぎた頃からは諦めたのか随分と日々穏やかに過ごすようになってきていたので、スペイン的には、何故今頃また?という感じなのである。
まあ…全てが無理矢理なのだから、思い切り嫌われる覚悟はしていた。
それに関してはもう仕方ないと諦めよう。
ただイライラするだけならいい。
だがここ2、3日ばかり食事を取ってくれない。
『お前が作ったモンなんか食わねえっ!』
と、はっきり言われてしまったので、出来合いのモノを用意したが、それもダメ。
昨日はダメ元で朝採ったトマトを一つ皿に置いておいたが、それはヘタを残してなくなっていた。
が、今朝はもうそれもダメ。
元々態度が軟化してきたのは食事が大きな要因で餌付けされたようなところがあったから、食べ物の切れ目が縁の切れ目だったりするんだろうか…。
まるで野生動物みたいなやっちゃ…と、心の中で茶化してみても、事態が解決するわけでもない。
国だから多少食べなくても死ぬわけではないだろうが、それでなくても細いのにさらに女の子の体になって一回り細くなって、さらに食べないことでげっそりやつれた気がする。
自国から離れているというのも弱りやすい一因かもしれない。
しかたない…一度イングランドに二人して足を運ぶか…と思いつつ、スペインは無駄になる可能性の高い食事とトマトの皿をトレイに乗せて、イギリスの部屋へと足を向けた。
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