少し熱っぽい気もするし、ひどく眠い。
そんなわけで今週に入ってイギリスはほとんどの時間を寝て過ごしている。
自分の一生の中でこれだけ寝て過ごしたことなんてなかったんじゃないだろうか…と思うほどだ。
もしかしたら自分はどこか悪いのかもしれない。
自国に何かない限りは国は死なないとはいうが、自分は今魔法がかかっていて普通の体じゃないし、自国からも離れているので、絶対なんて事はないのかもしれない。
でも昔ならいざしらず、今は兄達と一つの国家を形成しているのだから、自分がいなくなっても兄達の誰かがUKを率いていくだろうなどと、投げやりに考える。
どうせ…スペインに限らず自分は世界中から嫌われているのだ。
いなくなって喜ぶ奴はいても悲しむ奴なんていやしない。
そう思うとジワリと涙が溢れてきた。
もういい、もういい、このまま死んでやる。
何故か悲しくて悲しくて、涙が止まらずポロポロ泣きながらそう思った。
そしてふと目についたのは、朝に置かれたまま放置の食事のトレイに添えられたナイフ。
思い切り切れそうではないけれど、きちんと急所を気合入れて刺せば死ねるだろうか…なんてそれを手にとって喉元に当てた瞬間
ガチャン!と何かが落ちる音がした。
「なにやっとるんやっ!!!!」
と、久々に聞く怒鳴り声と強く自分の手首を握る力強い手の感触に目を開けると、真っ青な顔のスペインが目に入る。
手からナイフを取り上げられて、ひどく落ち込んだ。
「…嫌ってるくせに…俺のこと嫌ってるくせにっ!!
死んで楽になんのも許せねえのかよっ!!!」
そう叫ぶとスペインはすごくショックをうけたように悲痛な表情で硬直したが、イギリスは緩んだ手の力に、手首を掴んでいる手を振りほどくと、床に落とされたナイフを拾おうとベッドから飛び降りて……クラリときた。
目の前が揺れて吐き気がする。
空気が上手く吸えず窒息しそうだ…。
崩れ落ちそうになる身体がふわりと浮く感覚がするが、気分が悪すぎてもう何がなんだかわからない。
最後にスペインが何か言っているのを聞いた気がするが、それを確認することも出来ないままイギリスは意識を失った。
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