ぺなるてぃ・らぶ
エピローグ ――結局な、スペインはお前にOKもらったって話、俺らにしてねえんだ。 それからさらに1週間後、まるで他から隠すように抱え込むようにしてスペインに自宅へ連れ帰られたイギリスに、プロイセンがこっそり電話をかけてきた。 一応かなり責任を感じ、また心配をしていたら...
融解 目を覚ました時イギリスが見たものは懐かしい顔…。 褐色の肌に無精髭…昔々、まだほんの小さな頃に気まぐれに愛情を与えて消えていった大国…。 ローマ帝国……一瞬そう思ったが、それにしてはいつもの豪快な明るさがない。 線も彼の国にしては若干細い。
崩壊 1週間弱だ…。 それは長かったのか短かったのか…イギリスにもよくわからない。 ここまで幸せが凝縮した時間など持った事がなかったのだから。
雪解け ――はぁ?俺達は3人兄弟だ。テメエみてえな異分子知らねえよっ 寒さにかじかむ手、冷たいを通り越して痛みさえ感じるほどの冷気に震えながら訪ねて行ったイングランドに向けられたのは、気温よりもさらに冷ややかな視線だった。 それと同時に飛んでくる矢を必死に避けながら、...
スペイン親分の至福 ああ、こんなに満ち足りた気分は本当に久々だ。 英国にしては良い天気の午後。 すわり心地の良い上等のソファに座って腕の中にはスヤスヤと眠るイギリス。
イギリスさんの動揺 スペインは絶対にイギリスを殺そうとしている…と、イギリスは思う。 アメリカの独立記念日前後の体調不良でイギリスが強く抵抗できないのを良い事にスペインがイギリス邸に居座って3日。 体調は確かに回復にむかっているものの、イギリスは息も絶え絶えだ。 主...
臆病な金色毛虫とラテン男の本気 パチリ…と目を開けた瞬間、目に入ったのは褐色の肌。 恐る恐る顔をあげると、男らしくも端正な顔立ち。 目があうと、綺麗なエメラルドの瞳がニッコリ笑った。
スペイン親分の困惑 何しろ突然の告白だ。 信じてもらえないというのは想定の範囲内だった。 しかし…いきなり血を吐いて倒れられるのは予想をはるかに超えていた。
美の国の華麗な策略 フランスはイギリスが好きだった。 それはもうイギリスがまだイングランドとすら呼ばれて無くて、お得意の『ばかぁ』という言葉が『びゃかぁ』だった昔からという筋金入りだ。
イギリスさんが思ったこと 「あんな、親分ずっと自分の事好きやってん。つきあったって?」 ある晴れた夏の日の朝、来客を告げるチャイムの音に玄関のドアを開けたイギリスは、そう言われてパチクリと目を瞬かせた。 まず思ったのは“ありえない”だ。