温泉旅行殺人事件_プロローグ

オンラインゲーム殺人事件シリーズ

原作は男女二組のCPのオリジナル小説です。
この4人をアンアサではアンアサ前提の悪友と眉毛、ギルアサではギルアサ&ルーフェリの2CPに変換してリメイクをしています。

オリジナル

アンアサ
1:オンラインゲーム殺人事件   2:ジュリエット殺人事件
3:温泉旅行殺人事件               4:リトルキャッスル殺人事件
5:ファントム殺人事件            6:オンラインゲーム殺人事件再びっ
7:人魚島殺人事件                  8:ヤンデレパニック―私のお兄ちゃん
9:迷探偵ギルベルトの事件簿

名探偵ギルベルトと愉快な仲間の事件簿3

高校の夏休みに名門進学校に通うギルとルートの兄弟がオンラインゲームで出会ったアーサーとフェリ。
その4人がエンドレスに(?)色々な殺人事件に巻き込まれて行くシリーズの3本目です。
1:オンラインゲーム殺人事件
2:ジュリエット殺人事件

プロローグ

大変だった。
当に大変だった。

普段は自分に対して当たりのきついフェリシアーノの姉キアーラ。

まあ仕方ないだろう。
普通は自分の弟が“男の恋人”を自宅に連れ込んでいたら、にこやかに応対など出来ないとルートも思う。


そんな恋人の姉の心証を少しでも良くすべく、彼女の願いを叶えるために熾烈な女の戦いに身を投じたら、あろうことか殺人事件(※ジュリエット殺人事件)にまで巻き込まれることになった。
しかもその殺人事件の被害者も犯人も自分自身の従姉妹エリザの幼馴染と言うおまけつきだ。



そんな風に年末は本当に散々だった。

それでもまだ年内に片がついて恋人のフェリシアーノ、兄のギルベルト、そしてやはり同性の兄の恋人であるアーサーの4人で初詣にこれただけマシなのだろうか…。

とにかく夏にも何故か殺人事件(※オンラインゲーム殺人事件)に巻き込まれたりしているのもあり、もうドロドロとした人間関係も殺人事件もお腹いっぱいである。


(今年こそ事件に巻き込まれる事なく平和に勉学と武道に精進できるように、……と、…その…まあ…恋人との交際に多少の進展があると尚可なのだが……)

例年よりやや多めの賽銭を放り込みながら、そう祈る、ルートヴィヒ・バイルシュミット。
彼はいかにもゲルマンといったいかつい風貌の男子高校生だ。

背は周りより頭半分ほどは余裕で出てしまうくらいには高く、しっかりとした体格の身体は全身筋肉に覆われて、服の上からでもそうとわかる程度にはムキムキである。

しかし、そんな彼は内面的には、口に出すわけではないので誰が聞いているわけでもないのに、恋人について願うのについつい赤面してしまうくらいには、初心な男だ。

そんな彼の隣には彼よりも一回りも二周りも華奢な愛しの恋人。

柔和な顔立ちに柔らかそうな茶色の髪。
その中でくるんと一筋跳ねている毛がいつも楽しそうに彼が飛び跳ねるたび一緒に揺れるのがとても可愛らしい。

並ぶと美女と野獣というか、強制連行する軍人と連行される少年と言うか、そんなアンバランスさを感じさせる真逆な容姿の2人だが、その恋人も愛らしい顔で一心不乱に何かを祈りを捧げている所を見ると、なんだか同じ事を祈ってる気がした。

まあ、ルートの願いから“勉学と武道に精進という部分が抜けて、代わりに“楽しいイベントがいっぱい”という願いが入っていそうな気はしないでもないが…


一方で兄達のカップルは弟のルートからみても、見るからにお似合いだ。

なにしろ兄は美形だ。
日々筋トレと鍛錬は欠かさないので全身筋肉なのは一緒なのだが、こちらはやや細身の体に綺麗に筋肉がついていて、大変スタイルがよろしい。

筋肉でムキムキになりすぎてやや着る服を選ぶルートと違って、何を着ても、おお~~!!と周りが感嘆してしまう程度には綺麗に着こなす。

その上綺麗なサラサラの銀糸の髪に最高級のルビー、ピジョンブラッドのように美しく澄んだ非常に珍しい紅い瞳は彼の意志の強さを示すように輝いている。

すっと綺麗な線を描いた眉も整った高い鼻も少し薄めの唇も、完璧に美しい大きさで美しい位置に配置されていて、いかつすぎる顔立ちの自分と違って、スクリーンの向こうにさえ滅多にいないような完璧に整った顔立ちだ。

その完璧な兄の横で兄に大切にエスコートされているのは彼の恋人のアーサー。

こちらは、ややもするとキツイ印象を与える色合いと容姿の兄とは対照的に全体的に柔らかく優しい色合い、愛らしい容姿をしている。

ぴょんぴょんとやや飛び跳ねた柔らかそうな小麦色の髪に、驚くほど長いまるで人形のように綺麗にカーブしたまつ毛。
そしてそれに縁取られるのは、零れ落ちそうに大きく丸い、春の新緑のように淡く美しいグリーンアイだ。
肌も透き通るように真っ白で、小さく整った鼻も淡いピンクの唇も、何もかもが可憐で愛らしい。

体格もフェリシアーノに勝るとも劣らぬほどに華奢で、本人はふわふわしたものが好きらしく柔らかい色合いのマフラーや手袋をつけて、こちらは兄の趣味で、よく彼にはぶかぶかの兄の上着を羽織ったりしているものだから、傍目からみると絶世の美青年と美少女のカップルにしか見えない。

2人は今はサラっとお祈りをすませたらしく、さっさとおみくじなど引いている。
2人で同じ中吉を引いて、おそろいだな~などと並んでそれを神社の枝に結んでいる姿は微笑ましい。


そんな2人をあまり待たせてもと思い、ルートもその後おみくじを引いてみたのだが……!!

なんなんだ?!
正月早々、凶のおみくじなんて入れておくのか?!!

「どうしたの?ルート」
と、実に彼らしい大吉のおみくじをヒラヒラさせながら、固まるルートの手元を覗き込むフェリシアーノ。

そして目をぱちくり。

「凶って滅多に出ないって言うから、むしろラッキーなのかもしれないよ。
ま、俺は大吉だし俺とルートはいつも一緒だから、2人で足して2で割って、今年の運勢は中吉だね」
と言う笑顔も言葉も天使だと思う。

本当に本当に、自分にはもったいないほどの恋人だ。


こうしてなんとなく波乱含みの年明けとなったが、冬休みのお楽しみはこれからだ。
明日からの泊4日の旅行。

前回の殺人事件の発端になった女の争い。
さすがに巻き込んで悪かったと思ったらしく、キアーラの進言でフェリシアーノとキアーラの両親が知人の経営する高級温泉旅館に招待してくれたのだ。

そんな楽しいはずの旅行を前に出る凶のおみくじ…

それはあとにして思えば、波乱の幕開けだった…と思わなくもない。
そう、二度ある事は三度ある…そんな格言そのままの事件の幕開けである。



>>> Next  (11月13日0時公開)


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