kmt ただしイケメンに限る!
ありえない…熱を出した。 錆兎に迎えに来てもらってイケメンマンションに舞い戻り、心配ごともなくなり、美味しいチュロスを腹いっぱい食べて幸せな気分で眠りに着いたはずの義勇だったが、ひどく寒気を感じて体温を求めて一緒に寝ているイケメンに擦り寄ると、錆兎が飛び起きた。 文字通りガバっとだ。
Some day My Prince will come.(いつか私の王子様が迎えに来る) それは世の少女たちが一度は夢見るシンデレラストーリー。 この王子は当たり前だが絶対にイケメンだ。 キラキラしいイケメン王子が白い馬か美しい馬車に乗って迎えに来るから絵になるのだ。
プライドか保護か… 平和的に同級生の女の交際の申し込みを断りたい義勇と、自分の手で解決してやりたい自分。 どちらが大切か…という点において、錆兎自身のことなら間違いなく後者である。
――うん…なんだかもう楽しくなってきたな。めちゃくちゃはまる。 最初…大学の構内で探し続けていた義勇を見つけた時、自分を前にしても無反応な義勇に、これはあちらは覚えていないらしいと察してひどく落ち込んだ。
付き合うつもりのない同級生からのアプローチをかわすため、何故か大学内でも有数のイケメンと付き合う事になった自称コミュ障のフツメンの義勇。 2回目のデートはそのイケメンの家で…いわゆるお家デートと言うやつになった。 日程は初めてのデートから4日後の事である。
――あー、錆兎、邪魔してるぞ 錆兎が自宅マンションに戻ると、悪友二人が酒盛りをしていた。 1人は宇髄天元。 こいつは錆兎の隣の家に住んでいた一つ年上の幼馴染だ。
たかがマック、されどマック。 イケメンが1人そこにいるだけで、ただのマックのカウンター席もオシャレなカフェに変わる。
「何故?!あたしの何がいけないのっ?!」 もうすぐ5月の連休が始まろうとする頃。 大学で、義勇は紗奈に詰め寄られて言葉に詰まった。
kmt ただしイケメンに限る! 目次
1_出会い 内気な大学生の義勇は同級生の女子に迫られて困っていたところを助けてくれた学内でも有名なイケメンと、義勇は彼女から逃げるため、イケメンは退屈しのぎのため、偽装の付き合いをすることになってしまった。 2_初めてのデートはイケメンと 恋人居ない歴=年齢の義勇が初めてデートし...