俺様とうさりす
「この部屋にいるんだけどな。個体名はアーサーな。 まあ食いものはあるし、俺もよくここで寝泊まりするから、ソファの下にブランケットもあるし、そうなったら適当に使ってくれ。 爺ちゃんはあとの 3 人送りだして来るわ」
こうしてローマはそんな 3 人を残してギルベルトを連れて 3 人から少し距離を取って話をすることにした。
こうして泣き続けるロヴィーノ。 フェリシアーノは普段は聞きわけが良く色々譲ってしまうところがあるが、さすがに今回は自分もとても楽しみにしていたので、譲れないらしい。 困った顔で…それでも視線をあとの 2 人に向けた。
そうして 1 年。 今年もあの日がやってきた。 アーサーが初めて貰われた日…そして捨てられた日の前日……。
こうして少年の良い匂いのする手の中で色々整えてもらっていると、ふいにするノックの音。 『フランシス?もう博士の所でポケモンをもらってきたの?』 というのは女性の声だ。
彼はきれいなだけじゃなく、とてもよい匂いがしたし、声も美しい。 さらに、アーサーは知らなかったが、水ポケモン使いの名家として知られるボヌフォワ家の一人息子だった。
──今日から俺がお前のトレーナーだよ。よろしくね、おちびちゃん アーサーが初めてポケモンボールに入ったのは 1 年前。 ローマ博士の研究所で産まれて半年ほどたった頃のことだった