そう言って頭を下げると、当たり前だが激怒される。
あいつなんて信用しちゃだめだよっ!!!」
と、詰め寄られて身がすくんだ。
「あいつ、あれだけ面倒見てやったのに、ほんっとうに最低な奴だなっ!!!」
イライラとした空気を撒き散らしながら言うケイトに、オロオロとするアーサー。
なまじ今まであまり人づきあいをしてこなかった事もあり人間関係が希薄だったので、声高に負の感情をぶつけられると、ひどく動揺する。
「とにかく…ごめんなさいっ!!」
と、走り去って、ギルドハウス内の部屋の私物をいったん全てギルドに入っていないプレイヤーが利用する宿屋のロッカーに移した。
そして宿屋の部屋に閉じこもっていると、メッセージが飛んでくる。
──アリアさん、新しいギルドを作りましたので、お誘いしますね
と、柔らかな口調。
ノアノアだ。
──あ、はい。ありがとうございます。
答えて飛ばされてきたギルドの誘いにYesを選択した。
すると、ギルドログの左側、メンバー名にはズラッと知った名前が並んでいて驚いた。
──えっと…なんだかギルドの方々がほぼいらっしゃるような???
そう、そこに名を連ねるのは前のギルドのほぼ全部のメンバーである。
──ええ、ギルから事情が回って来て、ケイト以外のほぼ全員がこちらに移ってます。
そんなアーサーの疑問を組み取るように、ノアノアが言った。
──え?え?ええっ?!!!で、でも、それじゃあケイトさんに申し訳が……
さすがにそれは焦る。
自分のせいで一つのギルドを崩壊させたのでは??
青くなるアーサーの不安を今度はギルが汲み取って言う。
──あ~、大丈夫。お姫さんのせいじゃなくて、元々ケイトの独裁にみんな不満持ってたんだ。
──ええ、だからアリアさんのせいじゃありませんよ。ここではケイトのような事にならないよう、新たにメンバーを入れる時も、最初にアリアさんに怖い思いをさせないようにご意見を聞いたうえで吟味しますから、安心して下さいね。
と、最後にノアノアが穏やかな様子で言った。
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とある白姫の誕生秘話始めから
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