帰りの電車の中でルートがつぶやいた。
いつものごとくその横ではギルベルトの肩に頭を預けてアーサーがすやすや寝息をたてている。
ギルベルトも脱力したように肘掛けに肘をついて言った。
フェリシアーノもさすがに疲れたらしくルートにもたれかかって眠っているので起きているのはバイルシュミット兄弟二人だけである。
「俺様な…ルッツからもらったメール見て、もしお姫さんが俺よりお前のこと好きとか言い始めたら自分どうするかなぁとか考え込んじゃったんだけどな…」
ため息まじりにいうギルベルトにルートが苦笑する。
「それありえんだろう?逆にフェリが兄さんをならとにかくとして…。
まあ、俺はそう聞かれたんだが、雅之さんに。で、兄さんはどうするんだ?」
ギルベルトは真顔で考え込み、最終的に
「でもな、よくよく考えたら恋愛って一人じゃできんからな。
お前は俺がお姫さんを好きで、今現在つきあってるって知ってて手ださんから、無問題だなと」
と断言した。
「あ~俺もそれ思ったな」
と、ルートもそれを聞いて笑う。
「まあ…でもフェリの方がその気になったら俺はおそらく止められんから、泣きながら諦める事になるんだろうなぁと…」
「…さすがに兄弟だな。俺様も同じ事思ったぞ。
なにしろエリザに言わせると俺様はお姫さんの奴隷らしいからな。
奴隷がお姫さんに勝てるわけがない…」
「でもな…それでも一つ言えるのは…俺、それでお姫さんの事好きでいると思う。
自分に向いてないくらいで気持ちを捨てられるほど潔い性格してねえわ。
たぶん…お姫さんが少しでも心地よく過ごせるように、お前にアドバイスし続けてる気がするな」
「それ、俺も同じくだ」
そして兄弟、ちらりと自分の恋人に目を落とした。
「たまたま恋愛関係になってカップルになってるが…それでも二組のカップルである前に4人の仲間だな…」
「だな…まあ四葉のクローバーってことで」
クスリと笑みをもらす兄弟。
凶は…これ以上悪くはならないからあとは好転するだけという考え方もあるらしい。
最悪な自体になりかけて、結局今回もできなかったわけだが…まあ仲間との絆は深まった事だし、次こそは自体が好転するはず…。
次こそは奮発した500円分くらいの良い事は起こしてくれ、頼むぞ、神よ。
変な事に巻き込まれないようにという言う願いはきいてくれなかったのだから、次こそは頼むぞ、本当に。
静かな時間が流れる中、自分の肩に頭を預けてフェリシアーノが確かに規則正しい呼吸を繰り返しているのを感じながら、ルートは秘かにそう心の中でお祈りした。
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